今日(3月8日)は、「ミツバチの日」
全日本蜂蜜協同組合と日本養蜂はちみつ協会が制定。
「みつ(3)ばち(8)」の語呂合せ。なお、8月3日は「はちみつの日」である。
ミツバチは、ハチ目(膜翅目=まくしもく)・ミツバチ科(Apidae)・ミツバチ属に属する昆虫の一群で、世界に9種が知られ、とくにセイヨウミツバチは全世界で養蜂に使われており、24の亜種が知られている。セイヨウミツバチはもともとヨーロッパからアフリカ、中近東にかけて分布していた種類を人類が養蜂に利用するために家畜化したもので、日本には明治時代になって養蜂のため移入され、今では日本中で飼われており、主にイタリアン種という品種で腹部が黄色い色をしているのが特徴。一般的にミツバチとして紹介されているモノは大抵これを指している。日本に昔から住んでいるニホンミツバチ(Apis cerana japonica Rad)はトウヨウミツバチの亜種である。「ニホンミツバチ」は、「セイヨウミツバチ」より一回り小型で、後翅(こうし)が短く体色も黒く簡単に見分けがつく。日本全国の山野に普通に見られるが、最近は公園の樹の洞や家の壁の隙間や物置などに巣を作って人を驚かせたりする。現在使用されている20円切手のデザインのモデルにもなっている。
日本では、飛鳥時代に編纂された「日本書紀」に初めて「みつばち」が登場し、同書には643年に百済の太子余豊が大和三輪山で養蜂を試みたが失敗に終わったという記述があるそうだ。平安時代の「延喜式」には、日本各地から宮中に献上された特産物として「ハチミツ」が記録されており、当時はおもに神饌用、薬用として用いられたようである。
江戸時代になると、ハチミツ生産の研究が進み、「家蜂畜養記」「日本山海名産図会」」などの養蜂技術を解説した本も出版されるようになった。明治の初期に、「セイヨウミツバチ」が入ってくるまで、飼養の対象が「ニホンミツバチ」ということもあって量的に生産量も少なかった。又、その後、巣づくりを効率化させる「巣礎」などが相次いで考案され、日本での西洋的な近代養蜂と利用の多様化がはかられるようになった。養蜂は、古い時代から長い間人類とともにあったが、近代養蜂はミツバチを家畜として飼育管理するところにその特徴があるのだそうだ。だから、面白いことに、日本の法律上では、ミツバチは昆虫ではあるが”家畜”として扱われている。
ミツバチにとってスズメバチは最大の天敵だそうだ。ところがニホンミツバチはスズメバチに対する対抗手段を身につけているそうだ。セイヨウミツバチはオオスズメバチがいない地域で進化し形成された種。ヒトがオオスズメバチの生息する地域(日本列島)に持ち込んだため、国内ではヒトの助けがないとオオスズメバチに全滅させられてしうそうだ。それも原因で日本列島には野生化したセイヨウミツバチはいないという。ところがオオスズメバチがいない北米では、養蜂のために持ち込まれたセイヨウミツバチが野生化しているのだとか。
オオスズメバチは巣の入り口に集団で近づき次々にミツバチをかみ殺す。そのような状態になるとニホンミツバチは巣から出ず何日も巣の中に閉じこもる。狭い入口を通ってオオスズメバチが入ってこようものなら、ミツバチは集団で襲いかかりスズメバチを刺すと同時に、蜂球を作り熱殺するという戦術をとるのだという。オオスズメバチが46℃で死亡するのに対して,ミツバチは48℃まで耐えられるというこの温度差を利用したもので,ニホンミツバチの巣の近くにオオスズメバチの死体が落ちているのをよく見かけるという。
「みつばちマーヤの冒険」としてアニメ化されたワルデマル・ボンゼルスの小説・蜜蜂マアヤは、アニメと随分ちがうようだが、擬人化したお話ではあるが、スズメバチがミツバチを襲うなど、実際の観察に基づいた設定がなされているという。
同じ膜翅目のアリとともにミツバチは、働きものでよく知られているが、ミツバチの社会は、人間以上に、役割分担が非常にはっきりしている社会だそうだ。一匹の女王蜂と沢山の働き蜂、少数の雄蜂で構成され、働き蜂はなんと雌である。この雌の働き蜂は基本的に卵を産むことなく、女王蜂の産んだ卵や、それから孵化した幼虫の世話をしたり、花粉や蜜を集めることに奔走する。働き蜂は羽化後は主に巣の中で働き、羽化後、日数の経過に伴って外勤にシフトしていくそうだ(齢差分業というのだとか)。外勤蜂の主な仕事は花粉集めと蜜集め。両方とも巣のための餌集め行動だが、花粉は幼虫の餌として集めてくるのであり、蜜のほうは主に成虫の燃料として使われるという。一方の雄蜂は巣の仕事(働き蜂のする事)には一切関わらず、仕事は、ただひたすらというか、命がけで、結婚相手の処女王を見つけて交尾をして死んでいく。この仕事が出来ずにぶらぶらしている雄は無用な生物として巣から外へ追い出され、自給できない雄はやがて餓死してしまう運命だという。
このミツバチにとって、もっとも大事なものが、六角形の小部屋が無数に並でいる巣。しかし、このミツバチの巣がなぜ六角形なのか・・・? 。これは、最少の材料で最大の空間を得ることができるだけでなく、強度を保持しながらも軽量化を実現できる“幾何学的に最強の形”だそうで、六角形は、制震装置ハニカムダンパの語源でもあるうだ。この巣のことは以下参考の「動物達の土木建築学/ミツバチ」を見ると詳しいよ。
(画像は20円普通切手「ニホンミツバチ」)
参考:
日本養蜂はちみつ協会
http://bee.lin.go.jp/
ミツバチ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%84%E3%83%90%E3%83%81
ハチとアリの博物館
http://www.nat-museum.sanda.hyogo.jp/insect-museum/
いきもの通信 Vol.98[今日の観察]法律上での「動物」の定義
http://ikimonotuusin.com/doc/098.htm
日本人のニホンミツバチ観/日本財団図書館(電子図書館)
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2001/00727/contents/00002.htm
ミツバチ科学
http://rms1.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/JASI/college/college/tamagawa-mitsubachi.html
都市のスズメバチ
http://www2u.biglobe.ne.jp/~vespa/vespa072.htm
ワルデマル・ボンゼルス - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%82%BC%E3%83%AB%E3%82%B9
Yahoo!テレビ - 名作アニメクラブ - みつばちマーヤの冒険
http://anime.tv.yahoo.co.jp/meisaku/maya/
ミツバチの生態
http://www.dione-pro.co.jp/mitubachi.htm
動物達の土木建築学/ミツバチ
http://www.kajima.co.jp/gallery/animal_eng/mitubachi/index.html
ハニカムダンパを用いた制震補強技術
http://www.kajima.co.jp/tech/katri/leaf/cont/leaf-j-205.html
全日本蜂蜜協同組合と日本養蜂はちみつ協会が制定。
「みつ(3)ばち(8)」の語呂合せ。なお、8月3日は「はちみつの日」である。
ミツバチは、ハチ目(膜翅目=まくしもく)・ミツバチ科(Apidae)・ミツバチ属に属する昆虫の一群で、世界に9種が知られ、とくにセイヨウミツバチは全世界で養蜂に使われており、24の亜種が知られている。セイヨウミツバチはもともとヨーロッパからアフリカ、中近東にかけて分布していた種類を人類が養蜂に利用するために家畜化したもので、日本には明治時代になって養蜂のため移入され、今では日本中で飼われており、主にイタリアン種という品種で腹部が黄色い色をしているのが特徴。一般的にミツバチとして紹介されているモノは大抵これを指している。日本に昔から住んでいるニホンミツバチ(Apis cerana japonica Rad)はトウヨウミツバチの亜種である。「ニホンミツバチ」は、「セイヨウミツバチ」より一回り小型で、後翅(こうし)が短く体色も黒く簡単に見分けがつく。日本全国の山野に普通に見られるが、最近は公園の樹の洞や家の壁の隙間や物置などに巣を作って人を驚かせたりする。現在使用されている20円切手のデザインのモデルにもなっている。
日本では、飛鳥時代に編纂された「日本書紀」に初めて「みつばち」が登場し、同書には643年に百済の太子余豊が大和三輪山で養蜂を試みたが失敗に終わったという記述があるそうだ。平安時代の「延喜式」には、日本各地から宮中に献上された特産物として「ハチミツ」が記録されており、当時はおもに神饌用、薬用として用いられたようである。
江戸時代になると、ハチミツ生産の研究が進み、「家蜂畜養記」「日本山海名産図会」」などの養蜂技術を解説した本も出版されるようになった。明治の初期に、「セイヨウミツバチ」が入ってくるまで、飼養の対象が「ニホンミツバチ」ということもあって量的に生産量も少なかった。又、その後、巣づくりを効率化させる「巣礎」などが相次いで考案され、日本での西洋的な近代養蜂と利用の多様化がはかられるようになった。養蜂は、古い時代から長い間人類とともにあったが、近代養蜂はミツバチを家畜として飼育管理するところにその特徴があるのだそうだ。だから、面白いことに、日本の法律上では、ミツバチは昆虫ではあるが”家畜”として扱われている。
ミツバチにとってスズメバチは最大の天敵だそうだ。ところがニホンミツバチはスズメバチに対する対抗手段を身につけているそうだ。セイヨウミツバチはオオスズメバチがいない地域で進化し形成された種。ヒトがオオスズメバチの生息する地域(日本列島)に持ち込んだため、国内ではヒトの助けがないとオオスズメバチに全滅させられてしうそうだ。それも原因で日本列島には野生化したセイヨウミツバチはいないという。ところがオオスズメバチがいない北米では、養蜂のために持ち込まれたセイヨウミツバチが野生化しているのだとか。
オオスズメバチは巣の入り口に集団で近づき次々にミツバチをかみ殺す。そのような状態になるとニホンミツバチは巣から出ず何日も巣の中に閉じこもる。狭い入口を通ってオオスズメバチが入ってこようものなら、ミツバチは集団で襲いかかりスズメバチを刺すと同時に、蜂球を作り熱殺するという戦術をとるのだという。オオスズメバチが46℃で死亡するのに対して,ミツバチは48℃まで耐えられるというこの温度差を利用したもので,ニホンミツバチの巣の近くにオオスズメバチの死体が落ちているのをよく見かけるという。
「みつばちマーヤの冒険」としてアニメ化されたワルデマル・ボンゼルスの小説・蜜蜂マアヤは、アニメと随分ちがうようだが、擬人化したお話ではあるが、スズメバチがミツバチを襲うなど、実際の観察に基づいた設定がなされているという。
同じ膜翅目のアリとともにミツバチは、働きものでよく知られているが、ミツバチの社会は、人間以上に、役割分担が非常にはっきりしている社会だそうだ。一匹の女王蜂と沢山の働き蜂、少数の雄蜂で構成され、働き蜂はなんと雌である。この雌の働き蜂は基本的に卵を産むことなく、女王蜂の産んだ卵や、それから孵化した幼虫の世話をしたり、花粉や蜜を集めることに奔走する。働き蜂は羽化後は主に巣の中で働き、羽化後、日数の経過に伴って外勤にシフトしていくそうだ(齢差分業というのだとか)。外勤蜂の主な仕事は花粉集めと蜜集め。両方とも巣のための餌集め行動だが、花粉は幼虫の餌として集めてくるのであり、蜜のほうは主に成虫の燃料として使われるという。一方の雄蜂は巣の仕事(働き蜂のする事)には一切関わらず、仕事は、ただひたすらというか、命がけで、結婚相手の処女王を見つけて交尾をして死んでいく。この仕事が出来ずにぶらぶらしている雄は無用な生物として巣から外へ追い出され、自給できない雄はやがて餓死してしまう運命だという。
このミツバチにとって、もっとも大事なものが、六角形の小部屋が無数に並でいる巣。しかし、このミツバチの巣がなぜ六角形なのか・・・? 。これは、最少の材料で最大の空間を得ることができるだけでなく、強度を保持しながらも軽量化を実現できる“幾何学的に最強の形”だそうで、六角形は、制震装置ハニカムダンパの語源でもあるうだ。この巣のことは以下参考の「動物達の土木建築学/ミツバチ」を見ると詳しいよ。
(画像は20円普通切手「ニホンミツバチ」)
参考:
日本養蜂はちみつ協会
http://bee.lin.go.jp/
ミツバチ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%84%E3%83%90%E3%83%81
ハチとアリの博物館
http://www.nat-museum.sanda.hyogo.jp/insect-museum/
いきもの通信 Vol.98[今日の観察]法律上での「動物」の定義
http://ikimonotuusin.com/doc/098.htm
日本人のニホンミツバチ観/日本財団図書館(電子図書館)
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2001/00727/contents/00002.htm
ミツバチ科学
http://rms1.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/JASI/college/college/tamagawa-mitsubachi.html
都市のスズメバチ
http://www2u.biglobe.ne.jp/~vespa/vespa072.htm
ワルデマル・ボンゼルス - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%82%BC%E3%83%AB%E3%82%B9
Yahoo!テレビ - 名作アニメクラブ - みつばちマーヤの冒険
http://anime.tv.yahoo.co.jp/meisaku/maya/
ミツバチの生態
http://www.dione-pro.co.jp/mitubachi.htm
動物達の土木建築学/ミツバチ
http://www.kajima.co.jp/gallery/animal_eng/mitubachi/index.html
ハニカムダンパを用いた制震補強技術
http://www.kajima.co.jp/tech/katri/leaf/cont/leaf-j-205.html