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天ぷら・フライの「揚げかす」:回収された油は、将来的には、航空機の燃料「SAF」の製造に活用されることを目指しています。

2024-09-13 16:16:28 | 政治経済問題
エコリオ 浦野由紀夫社長



天ぷら・フライの“揚げかす”にも熱視線 NHK 2024年9月12日 12時03分

皆さん、ふだんの料理で使った油はどうしていますか?いま、家庭から出る使用済みの油、そして天ぷらやフライを作った時に出る「揚げかす」にまで熱い視線が注がれています。

二酸化炭素の排出削減につながる次世代の航空燃料として世界的に需要が高まっている「SAF」の原料として活用するためです。その取り組みを取材しました。

(経済部記者 佐野裕美江・取材スタッフ 安田木綿子)

買い物ついでに油を…
大手スーパーの「イトーヨーカ堂」は、ことし9月、家庭から出る使用済みの食用油の回収を行う店舗を、都内では25店舗に拡大しました。
油の回収に利用するのは、洗って繰り返し使うことができる専用のボトル。

家庭で出た使用済みの油をボトルに入れて、買い物ついでに持ってきてもらおうというのです。
回収のための専用容器
回収の対象となるのは、家庭から出た使用済みのサラダ油やごま油、オリーブオイルなど、常温で液体の油。

使いきれずに賞味期限が切れてしまったものも回収の対象です。

全国油脂事業協同組合連合会によると、家庭から出る使用済みの食用油は国内で年間約10万トン出ていると推計されています。

スーパーでは、廃棄される使用済み油を少しでも減らすため、多くの人に協力してもらいたいとしています。
回収した油 何になる?
回収された油は、別の事業者と連携し、せっけんやインク溶剤などにリサイクルされていますが、将来的には、航空機の燃料「SAF」の製造に活用されることを目指しています。

石油元売り大手が2027年の稼働を予定しているSAFの製造プラントに、原料の一部として、供給したいとしています。
イトーヨーカ堂 サステナビリティ推進部 小山遊子 総括マネジャー
「お客さまの暮らしの動線上に回収のインフラがあるので、より多くの人に参加してもらえるのではないか。SAFの原料へと続く取り組みの一端を担い、貴重な資源をリサイクルにつなげていきたい」
会社では今後、回収する場所を全国のおよそ200店舗に拡大する方針で、来年度までに累計で25トンを回収することを目標にしています。

こうした取り組みは、別のスーパーなどでも進んでいます。
揚げかすも注目
一方、都内に本社を置く企業が、SAFの原料として活用を進めるのは、飲食店などで天ぷらやフライなどを調理した時に出る「揚げかす」です。
2022年11月、この会社では埼玉県熊谷市で新たな工場の稼働をスタートさせました。

この工場が扱うのは、揚げかすを搾ったあとの「搾りかす」。
回収した搾りかす
工場では、これらからさらに油を搾って、フィルターにかけるなどしてSAFの原料を製造しています。
SAFの原料
原料の“搾りかす”どこから?
原料となる搾りかすは、大手外食チェーンの店舗などから回収しています。

この会社では20年以上前から、飲食店で出る揚げかすを処理する専用の機械を販売してきました。
揚げかすは、処理をせずにそのままにしておくと、酸化熱によって自然発火する危険性があることなどから、処分の手間や費用が多くかかります。

この機械によって、揚げかすを「油」と「搾りかす」に分離。

搾った油は再び揚げ油として、搾りかすは飼料などとして再利用するのが目的です。

ただ、SAFの需要が世界的に高まる中、会社では搾りかすに着目。

店舗などから出た搾りかすを回収し、SAFの原料を製造する仕組みを全国的に整えようとしています。
エコリオ 浦野由紀夫社長
「最初に揚げかすを処理する機械を開発をすることがわれわれにとっては、修行でした。しかし、その開発によって出てきたものをさらに循環させて、再利用ができないだろうかと考える中で、行き着いた先がSAFの原料供給だった」
この工場で生産されているSAFの原料は、足元では年間およそ200トン。
今後は大手食品メーカーの工場などにも回収先を広げることで、年内には、およそ2700トン生産することを目指しています。

また将来的には、全国の100か所に搾りかすからSAFの原料を作る工場を設けるなどして、取り組みを拡大していきたいとしています。
浦野由紀夫社長
「最初の機械の開発した目的を考えると、SAFの原料を提供する立場になるとは、最初は全く想像できていなかった。ベンチャー企業だけではできないことがたくさんあるが、揚げかすを製造している業者はあまたいるので、今後、たくさんの企業と手を組んで事業を拡大させたい」
捨てない時代へ
従来のジェット燃料と比べて、二酸化炭素の排出量をおよそ60%から80%程度、削減できるとされる「SAF」。

国内外の航空会社で導入の動きが活発になっていて、政府も2030年までに国内の航空会社が使う燃料の1割=およそ170万キロリットルを「SAF」にする目標を掲げています。

日本能率協会総合研究所の調査によると、SAFの世界市場規模は、2029年には126億ドルと、昨年度(2023年度)の12億ドルの10倍になると推計されています。

需要の高まりとともに、これまでゴミとして処分されていた資源の活用が進むのか。

今後の動向にも注目です。

(8月27日「おはBiz」などで放送)
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