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アメリカ競馬界激震! → サウジカップ初代王者マキシマムセキュリティに薬物 → 調教師ら27人起訴  

2020-03-13 09:17:51 | 競馬
アメリカ競馬界が組織的にドーピングに手を染めている実態が明るみになっている。




米国の競馬専門誌ブラッドホース電子版は9日、第1回サウジカップ(2月29日、サウジアラビア・キングアブドゥルアジーズ競馬場)を優勝し、1着賞金約11億円を手にしたマキシマムセキュリティ(牡4)を管理するジェイソン・サーヴィス調教師を含む27人の調教師、獣医師などの関係者が競走馬に対するドーピングの容疑で起訴されたと伝えた。

 ニューヨーク州南部の米国地方裁判所が9日に発表した起訴状によれば、サーヴィス師はほぼ全ての管理馬に対し、ルールに反したパフォーマンス向上薬を使用し、獣医師もこの行為に関与していたという。組織的犯行は2018年2月から行われ、すでに連邦捜査局(FBI)も捜査に着手。調教師と獣医師の間で交わされた携帯電話の会話も入手しているもようだ。米連邦検察が訴追した中で、競馬の事件としては史上最大規模となる。

 使用された違法薬剤には心臓に過度の負担をかけるものもある。起訴状にはホルヘ・ナヴァロ調教師の名前もあり、昨年のドバイゴールデンシャヒーンを制したエックスワイジェットを管理していたが、同馬は今年1月に心臓まひで急死している。

 マキシマムセキュリティは昨年のケンタッキーダービーで1位入線後、17着降着となり、全米で物議を醸した。その後に白星を重ね、昨年の米最優秀3歳牡馬に輝き、世界最高賞金レースとなった第1回サウジカップを快勝した。失格となるか、賞金の剥奪があるかなどは不明。

 ▼合田直弘氏(競馬評論家)今、北米競馬もようやく薬をやめようという方向に向かっており、この数年でラシックス(利尿剤)やビュート(非ステロイド系抗炎症剤)を禁止しようとする動きになっていました。それだけに残念です。

 〇…国内では昨年6月14日、JRAの厩舎に納入された飼料添加物(グリーンカル)に禁止薬物テオブロミンが混入していたことが発覚。公正確保の観点から翌15、16日の出走予定馬のうち、飼料が納入された厩舎の管理馬156頭を競走除外とした事例がある。
 調査の結果、故意ではなく、同製品を製造していた建屋内の別の製造ラインで粉砕されたカカオ豆副産物の粉じんが混入したことが原因で禁止薬物が検出されたと判明した。





 第1回サウジカップで1着賞金約11億円を獲得した米国のマキシマムセキュリティ(牡4)が、ボブ・バファート厩舎に転厩することになった。競走馬に対する組織的なドーピング使用の疑いで27人の関係者が起訴された問題について、米国の競馬専門誌ブラッドホース電子版は10日、ニューヨーク州のレース規制当局がマキシマムセキュリティを管理するジェイソン・サーヴィス調教師を含む11人の調教師の免許を停止したと伝えた。

 同馬の共同所有者であるゲイリー・ウエスト氏は「薬物に関するこのニュースは、非常に不愉快で失望している」と声明を発表。バファート師は09年に殿堂入りを果たした米国のトップトレーナーで、これまで2頭のクラシック3冠馬(アメリカンファラオ、ジャスティファイ)などを育てた。





【米競馬事情】サーヴィス師は米北東部のニューヨーク州を拠点としているが、気温がマイナスとなる冬場は温暖な南東部のフロリダ州に管理馬を移している。ナヴァロ師は、そのフロリダ州を拠点としており、2人の関係性は、このあたりにあった可能性がある。

 サーヴィス師は18年が北米リーディング(獲得賞金)12位、19年が11位。マキシマムセキュリティが出たことで順位を押し上げたが、トップ10の常連というまでの厩舎ではない。

 北米の競馬は昨年、サンタアニタパーク競馬場でレース中や調教中の事故死が相次ぎ、レースが休止となったり、頭数がそろわないレースが増えた影響もあり、開催日数(18年=4432日、19年=4425日)が微減。延べ出走頭数(18年=27万9774頭、19年=27万2553頭)も減った。発売金も減った(18年=1兆2390億3382万円、19年=1兆2142億6694万円)が、トータルの賞金額は18年=1229億5177万円、19年=1284億7138万円と約4・5%も増えている。これはファンの注目を引く高額賞金レースを増やしたため。全体的には低下傾向だが、ビッグレースさえ獲れば経営していける。そういう風潮が薬物使用への引き金となった可能性がある。

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