お肌のトラブル解決外来 ヨミドクター 2025年6月20日 医療・健康・介護のコラム お風呂でムダ毛処理した10歳代女性は…… 色素沈着させないためのケアは どのくらいの頻度で剃ればいい?
暑くなると、肌を露出する機会が増えます。そうなると気になるのがムダ毛です。肌に負担をかけない正しいムダ毛処理の方法はあるのでしょうか。
毛穴と一致した赤いブツブツ
お風呂でムダ毛処理した10歳代女性は…… 色素沈着させないためのケアは どのくらいの頻度で剃ればいい?
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暑さが気になり始める季節、「すねに急に赤いブツブツができて、痛がゆい」と10歳代の女性が来院しました。診察してみると、赤いブツブツができている場所は、すねの毛穴と一致しています。一部分はニキビのように 膿うみ をもって腫れていました。これはかみそり負けだろうと思い聞いてみたところ、案の定、数日前に、すねのうぶ毛を 剃そ ったとのことでした。
「どうやって剃りましたか?」
「お風呂場で、せっけんの泡をすねに付けて、お風呂場に置いてあったかみそりで剃りました」
「剃った後はどうしましたか?」
「ゆっくり入浴をしました」
この女性と同じように、入浴の時間を利用してムダ毛処理をしている人は多いのではないでしょうか。でも、実はムダ毛処理に最適なのは、入浴後なのです。
水分はしっかり拭き取って
ムダ毛処理は、肌を清潔にしてから行うのが基本です。処理する部分を軽くせっけんで洗い、肌の汚れを落とすのが大事です。でも、肌が濡れたままだと皮膚に傷がつきやすく、処理した部分には雑菌が付きやすくなります。そのため、入浴中は避け、毛が水分を含んで柔らかくなっている入浴後に、水分をしっかり拭き取ってから行うのがおすすめなのです。
ムダ毛を剃る場所にシェービング・クリームやコールド・クリームを塗って、肌のすべりをよくしてから毛の流れにそってゆっくりと剃ります。石けんは刺激で肌荒れしやすくなるので、使用しない方が無難です。新しいよく剃れるかみそりを使い、クリームを刃でそっとなでとるようにゆっくり動かします。かみそりは利き手で、強く握りしめないで軽く持ってください。反対側の手で、剃る部分の肌を軽く引っ張って伸ばしながら剃ると、きれいに剃れます。かみそりにクリームがつきすぎると剃りづらくなるので、ティッシュで拭き取りながら使いましょう。さらに深く剃りたい場合は、毛の流れと反対の方向に1~2回やさしく剃ります。
除毛クリームやワックスでムダ毛の処理をする方法もあります。それぞれの薬剤の使用方法を守って使用してください。肌の弱い人は、うぶ毛剃り用や顔そり用、Vライン用などの部位に合わせた専用のかみそりを使用するといいでしょう。
明るい部屋で丁寧に
では、ムダ毛処理はどのくらいの頻度で行えばよいのでしょうか。おすすめは2~4週間に1回です。皮膚のバリア機能を担う角質の細胞が生まれ変わるのは2週間とされており、2週に1回がひとつの目安です。口周りなど気になる部分は、週に1回くらいでもOKです。
ただし、生理直前から生理中にかけて、寝不足の時や疲れがたまっている時、日焼け直後など肌が敏感になっている時期は避けてください。また、気持ちが焦りがちな朝やお出かけ直前ではなく、時間に余裕のある時がおすすめです。明るい照明の下で、小さな肌荒れや肌のでこぼこ、ほくろなどにかみそりの刃があたらないように気をつけて丁寧に行いましょう。鏡は大きめの置き鏡などを使って、両手を使えるようにすることも大切です。
また、処理後の肌には目には見えない細かい傷がついていることが多いので、すぐに入浴したりせっけんで洗ったりしないでください。剃った後は濡れタオルなどでやさしく皮膚に残っているクリームなどを拭き取ります。そして、保湿クリームで肌を保護し、数日間はパックやエステ、日焼けは避けてください。赤い傷やぶつぶつがある場合、放っておくと傷跡が残ったりシミ(色素沈着)になったりするので、傷薬を使用してください。
かみそり負けで来院した前出の10歳代女性は、かゆい部分にステロイド外用薬を、痛い部分に抗菌作用のある外用薬を使用し、抗生物質を数日飲むことで、赤いブツブツは消えました。でも、ブツブツの部分がシミになってしまい、ヘパリン類似物質の外用薬とビタミンCの内服をしてもらっています。少しずつ薄くなってきていますが、元通りになるには時間がかかります。正しくお手入れをして、夏に向かってキレイをキープしましょう。(野村有子 皮膚科医)
暑くなると、肌を露出する機会が増えます。そうなると気になるのがムダ毛です。肌に負担をかけない正しいムダ毛処理の方法はあるのでしょうか。
毛穴と一致した赤いブツブツ
お風呂でムダ毛処理した10歳代女性は…… 色素沈着させないためのケアは どのくらいの頻度で剃ればいい?
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暑さが気になり始める季節、「すねに急に赤いブツブツができて、痛がゆい」と10歳代の女性が来院しました。診察してみると、赤いブツブツができている場所は、すねの毛穴と一致しています。一部分はニキビのように 膿うみ をもって腫れていました。これはかみそり負けだろうと思い聞いてみたところ、案の定、数日前に、すねのうぶ毛を 剃そ ったとのことでした。
「どうやって剃りましたか?」
「お風呂場で、せっけんの泡をすねに付けて、お風呂場に置いてあったかみそりで剃りました」
「剃った後はどうしましたか?」
「ゆっくり入浴をしました」
この女性と同じように、入浴の時間を利用してムダ毛処理をしている人は多いのではないでしょうか。でも、実はムダ毛処理に最適なのは、入浴後なのです。
水分はしっかり拭き取って
ムダ毛処理は、肌を清潔にしてから行うのが基本です。処理する部分を軽くせっけんで洗い、肌の汚れを落とすのが大事です。でも、肌が濡れたままだと皮膚に傷がつきやすく、処理した部分には雑菌が付きやすくなります。そのため、入浴中は避け、毛が水分を含んで柔らかくなっている入浴後に、水分をしっかり拭き取ってから行うのがおすすめなのです。
ムダ毛を剃る場所にシェービング・クリームやコールド・クリームを塗って、肌のすべりをよくしてから毛の流れにそってゆっくりと剃ります。石けんは刺激で肌荒れしやすくなるので、使用しない方が無難です。新しいよく剃れるかみそりを使い、クリームを刃でそっとなでとるようにゆっくり動かします。かみそりは利き手で、強く握りしめないで軽く持ってください。反対側の手で、剃る部分の肌を軽く引っ張って伸ばしながら剃ると、きれいに剃れます。かみそりにクリームがつきすぎると剃りづらくなるので、ティッシュで拭き取りながら使いましょう。さらに深く剃りたい場合は、毛の流れと反対の方向に1~2回やさしく剃ります。
除毛クリームやワックスでムダ毛の処理をする方法もあります。それぞれの薬剤の使用方法を守って使用してください。肌の弱い人は、うぶ毛剃り用や顔そり用、Vライン用などの部位に合わせた専用のかみそりを使用するといいでしょう。
明るい部屋で丁寧に
では、ムダ毛処理はどのくらいの頻度で行えばよいのでしょうか。おすすめは2~4週間に1回です。皮膚のバリア機能を担う角質の細胞が生まれ変わるのは2週間とされており、2週に1回がひとつの目安です。口周りなど気になる部分は、週に1回くらいでもOKです。
ただし、生理直前から生理中にかけて、寝不足の時や疲れがたまっている時、日焼け直後など肌が敏感になっている時期は避けてください。また、気持ちが焦りがちな朝やお出かけ直前ではなく、時間に余裕のある時がおすすめです。明るい照明の下で、小さな肌荒れや肌のでこぼこ、ほくろなどにかみそりの刃があたらないように気をつけて丁寧に行いましょう。鏡は大きめの置き鏡などを使って、両手を使えるようにすることも大切です。
また、処理後の肌には目には見えない細かい傷がついていることが多いので、すぐに入浴したりせっけんで洗ったりしないでください。剃った後は濡れタオルなどでやさしく皮膚に残っているクリームなどを拭き取ります。そして、保湿クリームで肌を保護し、数日間はパックやエステ、日焼けは避けてください。赤い傷やぶつぶつがある場合、放っておくと傷跡が残ったりシミ(色素沈着)になったりするので、傷薬を使用してください。
かみそり負けで来院した前出の10歳代女性は、かゆい部分にステロイド外用薬を、痛い部分に抗菌作用のある外用薬を使用し、抗生物質を数日飲むことで、赤いブツブツは消えました。でも、ブツブツの部分がシミになってしまい、ヘパリン類似物質の外用薬とビタミンCの内服をしてもらっています。少しずつ薄くなってきていますが、元通りになるには時間がかかります。正しくお手入れをして、夏に向かってキレイをキープしましょう。(野村有子 皮膚科医)