濱田淑恵らに「会社乗っ取られそう」：自殺「させられた」オーディオ機器の会社社長

占い師 自殺教唆疑い 死亡の元会社社長「会社乗っ取られそう」
2025年3月13日 19時15分

5年前、和歌山県内の海岸で死亡した元会社社長の男性など2人に自殺をそそのかしたとして、占い師として活動していた62歳の容疑者が逮捕された事件で、男性が9年前に会社の社長を辞任し、その後 容疑者とともに逮捕された女の信者が社長に就任していたことが捜査関係者などへの取材で分かりました。

占い師として活動していた大阪 河内長野市の濱田淑恵容疑者（62）は、5年前の2020年、和歌山県広川町の海岸で死亡した60代の元会社社長と、50代のアルバイトの男性に「命を捨てて悪いものを取り除く」などと伝えて自殺をそそのかしたとして逮捕され、13日に検察庁に送られました。

元社長は2014年にオーディオ機器の会社を設立し、2年後の2016年に社長を辞任しましたが、その後 濱田容疑者の信者で元社長の遺書を偽造した疑いで逮捕された寺崎佐和子容疑者（47）が社長に就任していたことが、捜査関係者などへの取材で分かりました。

男性は会社を設立する前の2008年ごろから信者となり、献金などを行っていたということで、警察は濱田容疑者らが男性を精神的に支配していた疑いがあるとみて調べています。

容疑者らの認否については明らかにしていません。

亡くなった元会社社長の知人「様子がおかしいと感じた」
亡くなった元会社社長の男性と同じ業界で会社を経営する知人は、NHKの取材に対し「男性は2016年ごろ、『売り上げが上がらず、社長をクビになった』と言っていました。社長なのになぜクビになるのかと尋ねると、『寺崎という女性に会社を乗っ取られそうだ』と話していたので驚きました」と証言しています。

この知人は、男性が社長だった当時、イベント会場で会社の受付をしていた寺崎容疑者を社員として紹介され、話をしたこともあるといいます。

当時の様子については「社長だった男性に対することばづかいが非常に『上から目線』で、様子がおかしいと感じていた」と話しています。

知人が男性と出会ったのは2015年でしたが、オーディオ機器のイベントで初めて会った日に「スピーカーの原価の支払いなどがあり、1000万円を貸してほしい」と頼まれるなど、常に金に困った様子だったということです。

男性が死亡したことはおととし知ったということで、知人は「最後に電話で連絡を取った時も『商品のスピーカーを買ってほしい』と頼まれていたので、お金の関係で苦しくなり亡くなったのかと思っていました。事件に巻き込まれたと知って本当に残念です」と話していました。