何がトップセールスだ!地震大国トルコに日本の原発を売る狂気(日刊ゲンダイ)
やはりこの男は何も分かっちゃいない。外遊先のトルコで、エルドアン首相と会談し、福島原発事故以来、初めてとなる原発輸出の合意にこぎ着けた安倍首相のことだ。
日本の大マスコミは「安倍首相が自らトップセールス」と持ち上げ、本人も地元通信社のインタビューに「世界で最も高い安全基準を満たす技術でトルコに協力したい」と自信マンマンに答えていたが、福島原発事故は収束はおろか、事故原因の究明さえもほぼ手付かずの状況なのに、一体、どうやって世界最高の安全基準を保証できるのか。
加えて、売り込んだ相手は、よりによって周辺をユーラシア、アラビア、アフリカの各プレートに囲まれた地震大国のトルコなのだ。神をも畏れぬ蛮行だ。
「トルコの地震頻度は日本のおよそ10分の1とはいえ、東南アジアや米国西海岸などと並ぶ世界でも有数の地震国です。最大の理由は、東西約1200キロ以上にわたって横断している北アナトリア活断層で、今も活発に動いています。99年にトルコ北西部で発生し、約1万6000人の死者が出たマグニチュード7.8の大地震もこの断層が原因とみられています」(元東大地震研究所准教授・佃為成氏)
輸出計画は、黒海沿岸に原発4基を建設する内容だが、トルコ公共事業住宅省防災局地震研究部が作成した地震危険度マップでは、黒海沿岸を含む国土の大部分が危険度トップクラス。西側のエーゲ海ではM6前後クラスの地震も頻繁に起きており、大津波が起きる可能性だって少なくない。
そんな日本と並ぶ地震・津波国のトルコに原発を売り込むなんて正気の沙汰じゃない。
<事故が起きれば損失は数百兆円単位に>
原子炉格納容器の設計に携わっていた元東芝技術者の後藤政志氏もこう憤る。
「地震の揺れは非常に複雑で、何がきっかけとなって事故が起きるか分からない。福島原発は地震に耐えた――というが、電源が失われたのは間違いないのです。安倍首相は世界最高基準を言うが、それならなぜ、万全の安全基準を掲げていた福島原発事故は防げなかったのでしょうか。事故が起きたら日本はどう責任を取るのか。トップセールスといっても、たかだか3000億~4000億円。事故が起きれば損失は数十兆、数百兆円単位です。過酷事故を起こし、いまだに事故原因も分からない日本が他国に原発を売るなんて、道義的にも倫理的にも許されることではありません」
その電源喪失の理由も、津波なのか、地震なのかを国会事故調が原子炉建屋の非常用復水器を調べようとしたら、東電側は「暗くて見えない」「危ない」とウソを重ねて妨害した。つまり、本当の事故原因は分かっていない。五輪招致をめぐって暴言を吐いた東京都の猪瀬知事といい、“死の商人”と化した安倍首相といい、親日国で知られたトルコ国民も日本の政治家の“狂乱”ぶりに呆れているのではないか。
主張 原発輸出 東電福島事故の反省ないのか(赤旗)
連休中にロシアや中東諸国を訪問した安倍晋三首相が、アラブ首長国連邦(UAE)やトルコと原子力協定を結び、日本の原発をこれらの国に輸出する姿勢を露骨に示しました。原子力協定は原発輸出の前提です。なかでもトルコとの間では日本の三菱重工業とフランスのアレバ社が共同で原発建設を受注することで事実上合意、政府主導で日本の原発輸出に道を開くことになりました。2年余り前の東京電力福島原発事故で大きな被害を与え、いまだに事故収束のめどもたたない日本の政府が率先して原発輸出を推進するなど、許されることではありません。
大事故に開き直って
見過ごせないのは安倍首相が中東訪問中の記者会見で、「日本の最高水準の(原発)技術、過酷な事故を経験した(ことによる)安全性への期待が寄せられている」と開き直ったことです。これまで世界が経験したことがないような重大な原発事故を引き起こしたうえ、そのことを逆手にとって、「最高水準の技術」「安全性」などと売り込むとは、普通の感覚、普通の発想ではありません。
東日本大震災で外部電源も内部電源も途絶え、炉心が冷却できなくなり、核燃料が溶け落ちて、外部に放射性物質が拡散した東電福島原発の大事故は、日本だけでなく大気や海洋の汚染など世界的にも被害が及んでいます。事故はいまだに原因の究明が尽くされず、収束のめどさえ立ちません。原子炉から漏れ出す放射性物質に汚染された大量の水の処理が大問題になっており、外国のメディアからも「新たな危機」に直面していると指摘されています。万が一汚染水が海洋に流出すれば、それこそ国際的な大問題です。
事故が浮き彫りにしたのは、日本の原発の技術水準の高さどころか、原発自体が技術的に未完成で、冷却能力を失えばコントロールできなくなる致命的な欠陥をもつという事実です。原発では、全ての電源が切れ冷却できなくなるような過酷事故は起きないと、「安全神話」をふりまいて原発建設を進めた東電などの電力会社はもちろん、「国策」として原発を推進し、電力会社への有効な規制さえやってこなかった歴代自民党政権も、重大な責任を問われています。
多少ともまともな政権なら、事故の収束や被災者支援に全力をあげるとともに、原発の危険性を認め、直ちに原発からの撤退をこそ決断するのが当然です。ところが安倍政権は、民主党政権が掲げていた不十分この上ない「2030年代に原発稼働ゼロ」の目標さえ撤回し、国内では原発の再稼働を急ぐ一方、国外へは原発の輸出を推進する姿勢です。東電福島原発の重大性を受け止めるどころか、国民と世界に対し生命と安全を守る基本姿勢に欠けています。
中止求める国民の運動を
安倍政権がこれほどまでに露骨な原発推進の姿勢をとり続けるのは、既存の原発に固執する電力会社や、原発を売り込んでもうけようという原子炉メーカーなどの利益を優先しているからです。文字通り企業さえもうかれば“あとは野となれ山となれ”の態度です。
大企業の利益は考えても、安全については眼中にもない安倍政権は危険です。安倍政権による原発の再稼働や原発輸出を許さないため、国民の運動と世論が急務です。
原発輸出 なし崩しは許されない(5月8日)<道新>
安倍晋三首相はアラブ首長国連邦(UAE)やトルコの首脳と会談し、原発輸出を可能にする原子力協定の締結で合意した。サウジアラビアとも締結への協議入りで一致した。
東京電力福島第1原発事故以後、日本の官民一体による原発輸出が具体化するのは初めてだ。
その原発事故は収束にはほど遠く、原因も究明されていない。原発政策もあいまいなままだ。
そんな現状にもかかわらず政府が原発の売り込みに前のめりになる姿勢は理解できない。なし崩しの輸出拡大は断じて許されない。
トルコとの間では三菱重工業を中心とする企業連合への受注が事実上決まった。総事業費は2兆円を超え、原子炉4基を建設する計画だ。
原発のトップセールスに努めた安倍首相は「過酷な事故の経験と教訓を世界と共有し、原子力安全の向上に貢献するのは日本の責務だ」として、原発輸出を成長戦略に据える考えを強調した。
すでに1月にはベトナムを訪れ、民主党政権を引き継ぐ形で原発計画に協力していくことも確認済みだ。
だが原発の安全性に対する不信は払拭(ふっしょく)されていない。
事故の真相究明はなお途上だ。福島第1原発では最近でも汚染水漏れや停電による冷却システム停止が相次いで起きている。
原子力規制委員会が事故原因をあらためて分析する検討会の初会合も今月になって開いたばかりである。
いまだに多くの不安が残る技術を積極的に輸出するのはあまりに無責任すぎる。政府が原発事故の重大性をどこまで深刻に受け止めているか疑わざるを得ない。
輸出先で事故が起きた場合の賠償責任も懸念材料だ。政府が深く関与することで国民負担が生じる可能性も否定できない。過酷事故の代償がいかに大きいかは福島の事故で鮮明になったはずである。
安倍政権はエネルギー政策の中で原発の位置付けを明確にしていないため、原発輸出との整合性がとれていない点も問題だ。
そもそも国民的議論を経て民主党政権が打ち出した「2030年代の原発稼働ゼロ」目標を白紙に戻したこと自体、大いに疑問だ。
それでも安倍首相は「できる限り原発依存度を低減させる」と施政方針演説で表明したはずである。
原発輸出は自民党と良好な関係にある原子力産業への配慮もあるとみられるが、政府の対応が国内と国外で矛盾しているのは明らかだ。
政府が最優先すべき安全を置き去りにしたままでは、輸出先やその近隣国の信頼も当然得られまい。
ま、日本国内ではもはや原発建設など不可能同然なので、蓄積した技術力を海外へ展開させる、というのは分からなくはない、というか、ま、原発輸出というのは、実は民主党政権時代から考えられてきたことだが、過日述べた通り、他人の尽力があったことを「さておいて」、「俺様のおかげ」とだけしか言わない?安倍首相のことだから、これで日本の「原発復活」の道筋ができた、と思っているかもしれない。
でも、他の欧州の国の反応はどうなんだろうか?特にドイツの話は聞いてみたいところだな。
やはりこの男は何も分かっちゃいない。外遊先のトルコで、エルドアン首相と会談し、福島原発事故以来、初めてとなる原発輸出の合意にこぎ着けた安倍首相のことだ。
日本の大マスコミは「安倍首相が自らトップセールス」と持ち上げ、本人も地元通信社のインタビューに「世界で最も高い安全基準を満たす技術でトルコに協力したい」と自信マンマンに答えていたが、福島原発事故は収束はおろか、事故原因の究明さえもほぼ手付かずの状況なのに、一体、どうやって世界最高の安全基準を保証できるのか。
加えて、売り込んだ相手は、よりによって周辺をユーラシア、アラビア、アフリカの各プレートに囲まれた地震大国のトルコなのだ。神をも畏れぬ蛮行だ。
「トルコの地震頻度は日本のおよそ10分の1とはいえ、東南アジアや米国西海岸などと並ぶ世界でも有数の地震国です。最大の理由は、東西約1200キロ以上にわたって横断している北アナトリア活断層で、今も活発に動いています。99年にトルコ北西部で発生し、約1万6000人の死者が出たマグニチュード7.8の大地震もこの断層が原因とみられています」(元東大地震研究所准教授・佃為成氏)
輸出計画は、黒海沿岸に原発4基を建設する内容だが、トルコ公共事業住宅省防災局地震研究部が作成した地震危険度マップでは、黒海沿岸を含む国土の大部分が危険度トップクラス。西側のエーゲ海ではM6前後クラスの地震も頻繁に起きており、大津波が起きる可能性だって少なくない。
そんな日本と並ぶ地震・津波国のトルコに原発を売り込むなんて正気の沙汰じゃない。
<事故が起きれば損失は数百兆円単位に>
原子炉格納容器の設計に携わっていた元東芝技術者の後藤政志氏もこう憤る。
「地震の揺れは非常に複雑で、何がきっかけとなって事故が起きるか分からない。福島原発は地震に耐えた――というが、電源が失われたのは間違いないのです。安倍首相は世界最高基準を言うが、それならなぜ、万全の安全基準を掲げていた福島原発事故は防げなかったのでしょうか。事故が起きたら日本はどう責任を取るのか。トップセールスといっても、たかだか3000億~4000億円。事故が起きれば損失は数十兆、数百兆円単位です。過酷事故を起こし、いまだに事故原因も分からない日本が他国に原発を売るなんて、道義的にも倫理的にも許されることではありません」
その電源喪失の理由も、津波なのか、地震なのかを国会事故調が原子炉建屋の非常用復水器を調べようとしたら、東電側は「暗くて見えない」「危ない」とウソを重ねて妨害した。つまり、本当の事故原因は分かっていない。五輪招致をめぐって暴言を吐いた東京都の猪瀬知事といい、“死の商人”と化した安倍首相といい、親日国で知られたトルコ国民も日本の政治家の“狂乱”ぶりに呆れているのではないか。
主張 原発輸出 東電福島事故の反省ないのか(赤旗)
連休中にロシアや中東諸国を訪問した安倍晋三首相が、アラブ首長国連邦(UAE)やトルコと原子力協定を結び、日本の原発をこれらの国に輸出する姿勢を露骨に示しました。原子力協定は原発輸出の前提です。なかでもトルコとの間では日本の三菱重工業とフランスのアレバ社が共同で原発建設を受注することで事実上合意、政府主導で日本の原発輸出に道を開くことになりました。2年余り前の東京電力福島原発事故で大きな被害を与え、いまだに事故収束のめどもたたない日本の政府が率先して原発輸出を推進するなど、許されることではありません。
大事故に開き直って
見過ごせないのは安倍首相が中東訪問中の記者会見で、「日本の最高水準の(原発)技術、過酷な事故を経験した(ことによる)安全性への期待が寄せられている」と開き直ったことです。これまで世界が経験したことがないような重大な原発事故を引き起こしたうえ、そのことを逆手にとって、「最高水準の技術」「安全性」などと売り込むとは、普通の感覚、普通の発想ではありません。
東日本大震災で外部電源も内部電源も途絶え、炉心が冷却できなくなり、核燃料が溶け落ちて、外部に放射性物質が拡散した東電福島原発の大事故は、日本だけでなく大気や海洋の汚染など世界的にも被害が及んでいます。事故はいまだに原因の究明が尽くされず、収束のめどさえ立ちません。原子炉から漏れ出す放射性物質に汚染された大量の水の処理が大問題になっており、外国のメディアからも「新たな危機」に直面していると指摘されています。万が一汚染水が海洋に流出すれば、それこそ国際的な大問題です。
事故が浮き彫りにしたのは、日本の原発の技術水準の高さどころか、原発自体が技術的に未完成で、冷却能力を失えばコントロールできなくなる致命的な欠陥をもつという事実です。原発では、全ての電源が切れ冷却できなくなるような過酷事故は起きないと、「安全神話」をふりまいて原発建設を進めた東電などの電力会社はもちろん、「国策」として原発を推進し、電力会社への有効な規制さえやってこなかった歴代自民党政権も、重大な責任を問われています。
多少ともまともな政権なら、事故の収束や被災者支援に全力をあげるとともに、原発の危険性を認め、直ちに原発からの撤退をこそ決断するのが当然です。ところが安倍政権は、民主党政権が掲げていた不十分この上ない「2030年代に原発稼働ゼロ」の目標さえ撤回し、国内では原発の再稼働を急ぐ一方、国外へは原発の輸出を推進する姿勢です。東電福島原発の重大性を受け止めるどころか、国民と世界に対し生命と安全を守る基本姿勢に欠けています。
中止求める国民の運動を
安倍政権がこれほどまでに露骨な原発推進の姿勢をとり続けるのは、既存の原発に固執する電力会社や、原発を売り込んでもうけようという原子炉メーカーなどの利益を優先しているからです。文字通り企業さえもうかれば“あとは野となれ山となれ”の態度です。
大企業の利益は考えても、安全については眼中にもない安倍政権は危険です。安倍政権による原発の再稼働や原発輸出を許さないため、国民の運動と世論が急務です。
原発輸出 なし崩しは許されない(5月8日)<道新>
安倍晋三首相はアラブ首長国連邦(UAE)やトルコの首脳と会談し、原発輸出を可能にする原子力協定の締結で合意した。サウジアラビアとも締結への協議入りで一致した。
東京電力福島第1原発事故以後、日本の官民一体による原発輸出が具体化するのは初めてだ。
その原発事故は収束にはほど遠く、原因も究明されていない。原発政策もあいまいなままだ。
そんな現状にもかかわらず政府が原発の売り込みに前のめりになる姿勢は理解できない。なし崩しの輸出拡大は断じて許されない。
トルコとの間では三菱重工業を中心とする企業連合への受注が事実上決まった。総事業費は2兆円を超え、原子炉4基を建設する計画だ。
原発のトップセールスに努めた安倍首相は「過酷な事故の経験と教訓を世界と共有し、原子力安全の向上に貢献するのは日本の責務だ」として、原発輸出を成長戦略に据える考えを強調した。
すでに1月にはベトナムを訪れ、民主党政権を引き継ぐ形で原発計画に協力していくことも確認済みだ。
だが原発の安全性に対する不信は払拭(ふっしょく)されていない。
事故の真相究明はなお途上だ。福島第1原発では最近でも汚染水漏れや停電による冷却システム停止が相次いで起きている。
原子力規制委員会が事故原因をあらためて分析する検討会の初会合も今月になって開いたばかりである。
いまだに多くの不安が残る技術を積極的に輸出するのはあまりに無責任すぎる。政府が原発事故の重大性をどこまで深刻に受け止めているか疑わざるを得ない。
輸出先で事故が起きた場合の賠償責任も懸念材料だ。政府が深く関与することで国民負担が生じる可能性も否定できない。過酷事故の代償がいかに大きいかは福島の事故で鮮明になったはずである。
安倍政権はエネルギー政策の中で原発の位置付けを明確にしていないため、原発輸出との整合性がとれていない点も問題だ。
そもそも国民的議論を経て民主党政権が打ち出した「2030年代の原発稼働ゼロ」目標を白紙に戻したこと自体、大いに疑問だ。
それでも安倍首相は「できる限り原発依存度を低減させる」と施政方針演説で表明したはずである。
原発輸出は自民党と良好な関係にある原子力産業への配慮もあるとみられるが、政府の対応が国内と国外で矛盾しているのは明らかだ。
政府が最優先すべき安全を置き去りにしたままでは、輸出先やその近隣国の信頼も当然得られまい。
ま、日本国内ではもはや原発建設など不可能同然なので、蓄積した技術力を海外へ展開させる、というのは分からなくはない、というか、ま、原発輸出というのは、実は民主党政権時代から考えられてきたことだが、過日述べた通り、他人の尽力があったことを「さておいて」、「俺様のおかげ」とだけしか言わない?安倍首相のことだから、これで日本の「原発復活」の道筋ができた、と思っているかもしれない。
でも、他の欧州の国の反応はどうなんだろうか?特にドイツの話は聞いてみたいところだな。