【随時更新】イスラエル パレスチナ 中東情勢(8月8日) NHK 2024年8月8日 18時48分
イスラム組織ハマスの最高幹部が訪問先のイランで殺害されたことを受けて開かれたOIC=イスラム協力機構の緊急会合で、イランによるイスラエルへの報復に言及しない共同声明が採択され、紛争の拡大を懸念する周辺国の意向を反映した形となりました。
一方、イランのペゼシュキアン大統領は報復の必要性を改めて訴え、予断を許さない状況が続いています。
※中東情勢に関する日本時間8月8日の動きを随時更新してお伝えします。
OICの緊急会合 イランによる報復に言及しない共同声明
イスラム圏の国や地域で作るOICは、7月、ハマスのハニーヤ最高幹部が訪問先のイランで殺害されたことを受けて、7日、サウジアラビアのジッダで外相級の緊急会合を開きました。
採択された共同声明では、殺害はイスラエルによるものだとして強く非難するとともに、「国際法に違反しイランの主権を侵害した、この凶悪な攻撃の責任を取らせる」と強調しました。
その上で、国連の安全保障理事会に対し、速やかな介入を求めています。
ただ、イランが理解を求めたイスラエルへの報復については言及せず、紛争の拡大を懸念する周辺国の意向を反映したものとみられます。
こうした中、イランの大統領府によりますと、ペゼシュキアン大統領は7日、フランスのマクロン大統領と電話で会談し「欧米が本気で地域の不安定化を防ごうとするなら、イスラエルに武器を売るのをただちにやめ、ガザ地区への攻撃と虐殺をやめさせるべきだ」と述べました。
その上で「自国の利益と安全に対する攻撃に直面したときは、国際法の枠内で決して沈黙を守ることはない」として、イスラエルへの報復について改めて理解を求めたということです。
一方、同じく報復を行う構えを見せるレバノンのシーア派組織ヒズボラとイスラエルとの間では攻撃の応酬が続いていて、イスラエル軍は8日にかけてもヒズボラの拠点を空爆したと発表しています。
アメリカのCNNテレビは当局者の話として、イランよりも先にヒズボラがイスラエルに対する攻撃を行う可能性があるという見方を伝えるなど、現地ではヒズボラの出方にも警戒が高まっています。
イラン報復の構え 米仏 地域の緊張 拡大させないよう求める
サウジアラビア西部のジッダで7日、中東やアフリカ、アジアなどイスラム圏の57の国や地域が加盟する、OIC=イスラム協力機構による外相級の緊急会合が開かれ、この中で、イランはイスラエルに報復する考えを改めて強調し、理解を求めました。
アメリカ国務省のミラー報道官は7日、記者会見で、OICの緊急会合に出席した国々と対話したことを明らかにした上で、「各国は『緊張がさらに高まれば問題を悪化させるだけだ』というわれわれの意見に同意している。各国が、イランにそれを認識させることを期待している」と述べました。
また、フランスのマクロン大統領は7日、イスラエルのネタニヤフ首相とイランのペゼシュキアン大統領と相次いで電話会談を行いました。
フランス大統領府によりますと、会談の中で、マクロン大統領は、双方に地域の緊張が高まっていることへの懸念を示し、報復の連鎖を止めるよう求めたということです。
これに対し、イランの大統領府によりますと、ペゼシュキアン大統領は「自国の利益と安全に対する攻撃に直面したときは、国際条約や法律の枠内で、決して沈黙を守ることはない」と述べたほか、地域の情勢を悪化させないためには、欧米諸国がイスラエルが虐殺をやめるようにすべきだと強調したということで、イラン側の今後の対応が焦点となります。
イラン OIC緊急会合でイスラエルへの報復に理解求める
OICは中東やアフリカ、アジアなどのイスラム圏の57の国や地域が加盟する組織で、ハマスのハニーヤ最高幹部が7月に訪問先のイランで殺害されたことを受けて、7日、サウジアラビア西部のジッダで外相級の緊急会合を開きました。
イラン外務省によりますと、会合でバゲリ外相代行は「イランには自衛権を行使する以外に選択肢はなく、さらなる主権侵害を防ぐための行動は適切な時期に適切な方法で行われるだろう」と述べて、イスラエルに報復する考えを改めて強調し、理解を求めました。
地元メディアなどによりますと、各国からはイスラエルへの非難とともに、紛争が地域に拡大することを懸念する声もあがったということです。
ヒズボラ イスラエルに攻撃 イスラエル“ヒズボラ指揮官を殺害”
イランと同様にイスラエルに報復を行う構えのレバノンのシーア派組織ヒズボラは、7日もイスラエルに対してロケット弾による攻撃を続け、これに対してイスラエル軍はヒズボラの指揮官を空爆で殺害したと発表しました。
空軍基地を視察したイスラエル軍のハレビ参謀総長も「攻撃と防衛の両面で万全の態勢が整っている。レバノンやガザ地区、そして中東のどこであっても迅速な攻撃を行うことができる」と述べるなど、緊張状態が続いています。
エジプト 航空会社に一定時間帯のイラン領空飛行回避求める
エジプトの航空当局は7日、イラン当局からの通知に基づき、エジプトのすべての航空会社に対して、一定の時間帯に限り、イランの領空を飛行しないよう求めたことを明らかにしました。
発表によりますと、飛行を回避すべき時間帯は、イラン時間で8日午前4時30分(日本時間8日午前10時)から3時間だということで、軍事演習が行われるため、航空の安全に影響を与える危険を回避する必要があると説明しています。
アメリカ国務省 “OIC各国がイランに認識させることを期待”
イランがイスラエルに報復する構えを示す中、アメリカ国務省のミラー報道官は7日、記者会見で、中東地域で戦闘を拡大させないため、アメリカとして外交活動を続けているとして、「われわれは地域のすべての関係者に対し、紛争をエスカレートさせるような行動をとってはならないというメッセージを伝えている」と述べました。
そして、OIC=イスラム協力機構の緊急会合に出席した国々とも対話してきたとした上で、「各国は『緊張がさらに高まれば問題を悪化させるだけだ』というわれわれの意見に同意している。各国がイランにそれを認識させることを期待している」と述べました。
イスラエルの救急当局 報復想定し備え進める
イスラム組織ハマスの最高幹部が訪問先のイランで殺害され、イランなどが報復を宣言する中、イスラエルの救急当局は、報復によって多数のけが人が出る事態を想定し、備えを進めています。
このうち、ミサイル攻撃などに備え、地下3階に設けられた指令室では、報復が行われた場合、直ちに駆けつける職員を待機させているということです。
また、全土に配備している370台の車両に加えて、7日は通常の2倍以上にあたるおよそ700台の車両をいつでも出動できるようスタンバイさせていました。
救急当局では、去年10月にハマスとの戦闘が始まって以来、救急車など500台の車両を新たに購入し、体制を強化してきたということです。
救急当局の担当者は「ヒズボラやイランからの攻撃を懸念していて、高い警戒レベルで備えている」と話していました。
このほか、輸血用の血液を準備している部署では、およそ1万回分の血液を用意しているほか、さらに1日で5000回分の血液を新たに確保できる体制を整えています。
担当者は「備えはできているが、輸血は病気の人や出産の際に必要とする女性のためのもので、けがをした兵士のためであってほしくない。平和であってほしい」と話していました。
イスラム組織ハマスの最高幹部が訪問先のイランで殺害されたことを受けて開かれたOIC=イスラム協力機構の緊急会合で、イランによるイスラエルへの報復に言及しない共同声明が採択され、紛争の拡大を懸念する周辺国の意向を反映した形となりました。
一方、イランのペゼシュキアン大統領は報復の必要性を改めて訴え、予断を許さない状況が続いています。
※中東情勢に関する日本時間8月8日の動きを随時更新してお伝えします。
OICの緊急会合 イランによる報復に言及しない共同声明
イスラム圏の国や地域で作るOICは、7月、ハマスのハニーヤ最高幹部が訪問先のイランで殺害されたことを受けて、7日、サウジアラビアのジッダで外相級の緊急会合を開きました。
採択された共同声明では、殺害はイスラエルによるものだとして強く非難するとともに、「国際法に違反しイランの主権を侵害した、この凶悪な攻撃の責任を取らせる」と強調しました。
その上で、国連の安全保障理事会に対し、速やかな介入を求めています。
ただ、イランが理解を求めたイスラエルへの報復については言及せず、紛争の拡大を懸念する周辺国の意向を反映したものとみられます。
こうした中、イランの大統領府によりますと、ペゼシュキアン大統領は7日、フランスのマクロン大統領と電話で会談し「欧米が本気で地域の不安定化を防ごうとするなら、イスラエルに武器を売るのをただちにやめ、ガザ地区への攻撃と虐殺をやめさせるべきだ」と述べました。
その上で「自国の利益と安全に対する攻撃に直面したときは、国際法の枠内で決して沈黙を守ることはない」として、イスラエルへの報復について改めて理解を求めたということです。
一方、同じく報復を行う構えを見せるレバノンのシーア派組織ヒズボラとイスラエルとの間では攻撃の応酬が続いていて、イスラエル軍は8日にかけてもヒズボラの拠点を空爆したと発表しています。
アメリカのCNNテレビは当局者の話として、イランよりも先にヒズボラがイスラエルに対する攻撃を行う可能性があるという見方を伝えるなど、現地ではヒズボラの出方にも警戒が高まっています。
イラン報復の構え 米仏 地域の緊張 拡大させないよう求める
サウジアラビア西部のジッダで7日、中東やアフリカ、アジアなどイスラム圏の57の国や地域が加盟する、OIC=イスラム協力機構による外相級の緊急会合が開かれ、この中で、イランはイスラエルに報復する考えを改めて強調し、理解を求めました。
アメリカ国務省のミラー報道官は7日、記者会見で、OICの緊急会合に出席した国々と対話したことを明らかにした上で、「各国は『緊張がさらに高まれば問題を悪化させるだけだ』というわれわれの意見に同意している。各国が、イランにそれを認識させることを期待している」と述べました。
また、フランスのマクロン大統領は7日、イスラエルのネタニヤフ首相とイランのペゼシュキアン大統領と相次いで電話会談を行いました。
フランス大統領府によりますと、会談の中で、マクロン大統領は、双方に地域の緊張が高まっていることへの懸念を示し、報復の連鎖を止めるよう求めたということです。
これに対し、イランの大統領府によりますと、ペゼシュキアン大統領は「自国の利益と安全に対する攻撃に直面したときは、国際条約や法律の枠内で、決して沈黙を守ることはない」と述べたほか、地域の情勢を悪化させないためには、欧米諸国がイスラエルが虐殺をやめるようにすべきだと強調したということで、イラン側の今後の対応が焦点となります。
イラン OIC緊急会合でイスラエルへの報復に理解求める
OICは中東やアフリカ、アジアなどのイスラム圏の57の国や地域が加盟する組織で、ハマスのハニーヤ最高幹部が7月に訪問先のイランで殺害されたことを受けて、7日、サウジアラビア西部のジッダで外相級の緊急会合を開きました。
イラン外務省によりますと、会合でバゲリ外相代行は「イランには自衛権を行使する以外に選択肢はなく、さらなる主権侵害を防ぐための行動は適切な時期に適切な方法で行われるだろう」と述べて、イスラエルに報復する考えを改めて強調し、理解を求めました。
地元メディアなどによりますと、各国からはイスラエルへの非難とともに、紛争が地域に拡大することを懸念する声もあがったということです。
ヒズボラ イスラエルに攻撃 イスラエル“ヒズボラ指揮官を殺害”
イランと同様にイスラエルに報復を行う構えのレバノンのシーア派組織ヒズボラは、7日もイスラエルに対してロケット弾による攻撃を続け、これに対してイスラエル軍はヒズボラの指揮官を空爆で殺害したと発表しました。
空軍基地を視察したイスラエル軍のハレビ参謀総長も「攻撃と防衛の両面で万全の態勢が整っている。レバノンやガザ地区、そして中東のどこであっても迅速な攻撃を行うことができる」と述べるなど、緊張状態が続いています。
エジプト 航空会社に一定時間帯のイラン領空飛行回避求める
エジプトの航空当局は7日、イラン当局からの通知に基づき、エジプトのすべての航空会社に対して、一定の時間帯に限り、イランの領空を飛行しないよう求めたことを明らかにしました。
発表によりますと、飛行を回避すべき時間帯は、イラン時間で8日午前4時30分(日本時間8日午前10時)から3時間だということで、軍事演習が行われるため、航空の安全に影響を与える危険を回避する必要があると説明しています。
アメリカ国務省 “OIC各国がイランに認識させることを期待”
イランがイスラエルに報復する構えを示す中、アメリカ国務省のミラー報道官は7日、記者会見で、中東地域で戦闘を拡大させないため、アメリカとして外交活動を続けているとして、「われわれは地域のすべての関係者に対し、紛争をエスカレートさせるような行動をとってはならないというメッセージを伝えている」と述べました。
そして、OIC=イスラム協力機構の緊急会合に出席した国々とも対話してきたとした上で、「各国は『緊張がさらに高まれば問題を悪化させるだけだ』というわれわれの意見に同意している。各国がイランにそれを認識させることを期待している」と述べました。
イスラエルの救急当局 報復想定し備え進める
イスラム組織ハマスの最高幹部が訪問先のイランで殺害され、イランなどが報復を宣言する中、イスラエルの救急当局は、報復によって多数のけが人が出る事態を想定し、備えを進めています。
このうち、ミサイル攻撃などに備え、地下3階に設けられた指令室では、報復が行われた場合、直ちに駆けつける職員を待機させているということです。
また、全土に配備している370台の車両に加えて、7日は通常の2倍以上にあたるおよそ700台の車両をいつでも出動できるようスタンバイさせていました。
救急当局では、去年10月にハマスとの戦闘が始まって以来、救急車など500台の車両を新たに購入し、体制を強化してきたということです。
救急当局の担当者は「ヒズボラやイランからの攻撃を懸念していて、高い警戒レベルで備えている」と話していました。
このほか、輸血用の血液を準備している部署では、およそ1万回分の血液を用意しているほか、さらに1日で5000回分の血液を新たに確保できる体制を整えています。
担当者は「備えはできているが、輸血は病気の人や出産の際に必要とする女性のためのもので、けがをした兵士のためであってほしくない。平和であってほしい」と話していました。