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ロマンチックウォリアーが日本制圧!G I 5連勝V!:安田記念2024回顧

2024-06-03 02:00:59 | 大レース回顧集




ロマンチックは海を渡っても止まらない!!春の最強マイラー決定戦「第74回安田記念」が2日、東京競馬場で行われた。香港から参戦したロマンチックウォリアーが1番人気に応え、昨年のコックスプレート(オーストラリア)から続くG15連勝(通算8勝目)を達成。安田記念の外国馬Vは、06年の香港馬ブリッシュラック以来18年ぶり。香港馬のJRA・G1制覇は6度目。鞍上のジェームズ・マクドナルド(32=ニュージーランド)は日本初勝利をG1で成し遂げた。
 強い、強過ぎる。ライバルの脚色が明らかに苦しくなった直線。ロマンチックウォリアーだけが真一文字に伸び続ける。これでオーストラリア、香港、日本を渡り歩いてG15連勝。18年ぶりに香港馬が安田記念を制した。シャム師は「最後までナーバスにはならなかった。馬、騎手、チームそして私にも自信があった」。力強く「コンフィデンス(自信)」というワードを4回繰り返した。

 3つの逆風をはね返した。初の日本遠征。遠目でも分かるほどに発汗していたが、いつも通り好位をゲット。久々のマイルG1の流れでも問題なく追走した。そして、最大の逆境は4角から直線にかけての攻防。先週のダービーを制した日本が誇る名手・横山典が外から馬体を併せ抑え込む。「外からの圧力が強く、4、5歩分は(仕掛けが)遅れた」と鞍上。それでも前の馬が内に進路を取り開けたVロード。一瞬で最大速度に達して抜け出すと、迫るナミュールを半馬身差で退けた。「ラスト1Fで彼が本気を出すと、なかなか付いてこられる馬はいない。私のキャリアの中でもベストな馬です」。ゴール後、右手を高く突き上げた鞍上は相棒を絶賛した。

 シャム師にとっても格別な1勝となった。調教助手時代はフェアリーキングプローン(00年安田記念V)、インディジェナス(99年ジャパンC2着)などを手がけたアイヴァン・アラン厩舎に所属し、何度も日本遠征に同行した。「かつての経験が生きた。当時は競馬学校(千葉県白井市)で検疫を受けさせられたが、今は(国際厩舎の完成で)直接東京入りできるので調整がしやすくなった」。師匠に肩を並べた喜び、そして整えられたJRAの環境に感謝を述べた。

 日本の調教施設に学び、18年8月、中国本土の広東省に従化区(ツォンファー)トレーニングセンターが完成。若駒時代から立派な坂路で鍛錬を積んできた。昨年末の香港国際競走、今年4月のチャンピオンズデーと日本馬は勝利なし。着実につけた実力を、アウェーでも存分に見せつけた。

 今後についてシャム師は「10月まで走らせない。前哨戦を使うかは未定だが、次戦は年末の香港ミーティング(国際競走)になると思う」と語った。延べ30頭の日本の精鋭馬に一度も先着を許していない香港の雄。暮れの大一番でも日本勢の高い壁として立ちはだかる。

 ロマンチックウォリアー 父アクラメイション 母フォークメロディ(母の父ストリートクライ)18年3月18日生まれ セン6歳 香港・シャム厩舎所属 馬主・パッファイ・ラウ氏 生産者・アイルランドのCorduff Stud 戦績20戦15勝(重賞9勝目) 総獲得賞金約27億6808万円 香港馬名は浪漫勇士。



2024年 安田記念(GⅠ) | 第74回 | JRA公式


11 レース 第74回 農林水産省賞典 安田記念(GⅠ) 3歳以上オープン 1,600(芝)定量 15時40分

天候・小雨 芝・稍重 本賞金:18000,7200,4500,2700,1800万円

  1 1 カテドラル 牡8 58.0 斎藤新 池添学
★ 1 2 ガイアフォース 牡5 58.0 長岡禎仁 杉山晴紀
  2 3 レッドモンレーヴ 牡5 58.0 横山和生 蛯名正義
  2 4 ジオグリフ 牡5 58.0 北村宏司 木村哲也
△ 3 5 ナミュール 牝5 56.0 武豊 高野友和
  3 6 ドーブネ 牡5 58.0 菱田裕二 武幸四郎
〇 4 7 ロマンチックウォリアー せ6 58.0 J.マクドナルド シャム
  4 8 エアロロノア せ7 58.0 幸英明 笹田和秀
  5 9 パラレルヴィジョン 牡5 58.0 C.ルメール 国枝栄
◎ 5 10 ソウルラッシュ 牡6 58.0 J.モレイラ 池江泰寿
  6 11 ウインカーネリアン 牡7 58.0 三浦皇成 鹿戸雄一
  6 12 フィアスプライド 牝6 56.0 坂井瑠星 国枝栄
X 7 13 ステラヴェローチェ 牡6 58.0 横山典弘 須貝尚介
  7 14 コレペティトール 牡4 58.0 岩田康誠 中竹和也
  7 15 ヴォイッジバブル せ6 58.0 Z.パートン イウ
☆ 8 16 エルトンバローズ 牡4 58.0 西村淳也 杉山晴紀
▲ 8 17 セリフォス 牡5 58.0 川田将雅 中内田充


11 レース 第74回 農林水産省賞典 安田記念(GⅠ) 3歳以上オープン 1,600(芝)定量 15時40分

1 枠4青 7 カクガイ ロマンチックウォリアー せん6 58.0 J.マクドナルド 1:32.3 6 5 33.4 522(-12) C.シャム 1
2 枠3赤 5 ナミュール 牝5 56.0 武 豊 1:32.4 1/2 13 13 32.9 450(-2) 高野 友和 4
3 枠5黄 10 ソウルラッシュ 牡6 58.0 J.モレイラ 1:32.4 ハナ 10 11 33.1 510(-2) 池江 泰寿 2
4 枠1白 2 ガイアフォース 牡5 58.0 長岡 禎仁 1:32.6 1 8 7 33.5 494(0) 杉山 晴紀 5
5 枠8桃 17 セリフォス 牡5 58.0 川田 将雅 1:32.7 1/2 15 15 33.0 494(-4) 中内田 充正 3
6 枠2黒 4 ジオグリフ 牡5 58.0 北村 宏司 1:32.8 1 1/4 4 4 34.0 510(+4) 木村 哲也 12
7 枠6緑 12 フィアスプライド 牝6 56.0 坂井 瑠星 1:32.8 ハナ 3 3 34.2 474(+4) 国枝 栄 13
8 枠8桃 16 エルトンバローズ ブリンカー 牡4 58.0 西村 淳也 1:32.9 1/2 12 11 33.6 520(-3) 杉山 晴紀 14
9 枠7橙 13 ステラヴェローチェ 牡6 58.0 横山 典弘 1:33.0 クビ 4 5 34.1 506(+2) 須貝 尚介 7
10 枠4青 8 エアロロノア せん7 58.0 幸 英明 1:33.2 1 1/4 15 15 33.5 484(-4) 笹田 和秀 16
11 枠2黒 3 レッドモンレーヴ 牡5 58.0 横山 和生 1:33.2 ハナ 18 17 33.2 512(0) 蛯名 正義 10
12 枠7橙 14 コレペティトール 牡4 58.0 岩田 康誠 1:33.2 クビ 17 17 33.3 482(-4) 中竹 和也 17
13 枠5黄 9 パラレルヴィジョン 牡5 58.0 C.ルメール 1:33.3 クビ 8 9 34.1 492(+6) 国枝 栄 6
14 枠6緑 11 ウインカーネリアン ブリンカー 牡7 58.0 三浦 皇成 1:33.3 ハナ 2 2 34.8 510(-8) 鹿戸 雄一 9
15 枠8桃 18 ダノンスコーピオン 牡5 58.0 戸崎 圭太 1:33.6 1 3/4 10 9 34.4 470(+6) 福永 祐一 11
16 枠1白 1 カテドラル 牡8 58.0 斎藤 新 1:33.6 クビ 14 14 34.0 494(+2) 池添 学 18
17 枠7橙 15 カクガイ ヴォイッジバブル せん6 58.0 Z.パートン 1:33.6 アタマ 6 7 34.5 544(-7) P.イウ 8
18 枠3赤 6 ドーブネ 牡5 58.0 菱田 裕二 1:33.8 1 1 1 35.4 476(+6) 武 幸四郎 15

ハロンタイム 12.1 - 11.0 - 11.4 - 11.9 - 12.0 - 11.3 - 11.2 - 11.4
上り 4F 45.9 - 3F 33.9
コーナー通過順位
3コーナー 6,11,12(4,13)(7,15)(2,9)(10,18)16,5,1(8,17)-14,3
4コーナー 6,11,12,4(7,13)(2,15)(9,18)(16,10)5,1(8,17)(14,3)
払戻金
単勝
7 360円 1番人気
複勝
7 160円 2番人気
5 300円 5番人気
10 150円 1番人気
枠連
3-4 2,100円 10番人気
ワイド
5-7 1,260円 15番人気
7-10 350円 1番人気
5-10 920円 9番人気
馬連
5-7 2,850円 12番人気
馬単
7-5 4,220円 11番人気
3連複
5-7-10 3,280円 4番人気
3連単
7-5-10 17,740円 26番人気



・7 ロマンチックウォリアー・・・5番手ぐらいの位置で構え、直線では満を持して坂上からスパートをかけた。ナミュールとの着差は半馬身だが、それ以上の強さを感じた。過去の海外遠征は、2023年10月の豪州・コックスプレートしかなかったが、この点も問題なくクリアできていた。中央競馬G I 競走において、外国馬が1番人気に支持された事例はとんとご無沙汰していたが、この馬ならば納得できる、という印象。また、その期待に応えた。

安田記念では、過去に2度、香港馬が勝利しているが、2000年のフェアリーキングプローンも、2005年のブリッシュラックも、ともに、マイルまでの短距離に特化した馬だった。しかし、ロマンチックウォリアーは違う。2000mが主戦場だ。

とりわけ、2023年、2024年のクイーンエリザベス二世カップ連覇と、2023年の香港カップでは、日本のG II を3勝しているプログノーシスをすべて負かして勝っている。また香港カップでは、2022年の愛チャンピオンステークスを勝ったルクセンブルクも破っているだけに価値が高い。残念ながらセン馬なので、自身の後継馬を誕生させることはできないが、おそらく、香港歴代屈指の最強馬の一頭として名を連ねることになるだろう。

・5 ナミュール・・・スタートの出はあまりよくなかったが、道中落ち着いていた。後方から5頭目に位置していたので、馬ごみを捌くに少々苦労したが、お終いの脚は確かだった。やはり、前年のマイルチャンピオンシップ優勝は伊達ではなかった。

・10 ソウルラッシュ・・・折り合いはついていたと思うが、直線での伸びが今一つ。G IIで見せるような切れ脚は感じられなかった。

・2 ガイアフォース・・・この馬なりの走りではできたと思うが、上位3頭との差は大きい。

・17 セリフォス・・・後方待機策だったが、上位3頭にうまく乗られ、結果、出番が回ってこなかった印象。
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