ウクライナ停戦で合意 実現は不透明か NHKニュース
2月12日 19時17分
ウクライナ情勢の政治的な解決に向けたロシアとウクライナ、それに調停役のドイツとフランスの4か国による首脳会談が、日本時間の12日夜に終了し、ウクライナと親ロシア派は、2月15日からの停戦に合意しました。
しかし、焦点だった停戦ラインなどの問題は先送りされ、停戦が実現するかは不透明です。
ベラルーシの首都ミンスクで行われた首脳会談には、ロシアのプーチン大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領、それにドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領が出席し、11日夜から12日にかけて16時間近く協議したすえ、日本時間の夜終了しました。
ロシアのプーチン大統領は会談が終わったあと、「非常に困難な協議だったが、われわれはなんとか合意に達した」と述べ、今月2月15日午前0時からの停戦で合意したことを明らかにしました。
これを受けて、首脳会談と並行して協議を行っていたウクライナ政府と親ロシア派、それにロシア政府の代表などが合意文書に署名し、今後、双方は戦闘地域に50キロ以上の緩衝地帯を設け、重火器を撤収することなどが定められました。
また、首脳らは合意を実行に移すため、4か国の外務省の高官が定期的に接触することでも一致したということです。
しかし、双方がこれまで対立してきた停戦ラインは明確に示されず、ウクライナ東部の2つの州の地位についても「対話を継続する」と先送りされました。
ウクライナ東部では、去年4月に戦闘が始まってから、すでに5300人以上が犠牲になっていることから、戦闘の拡大を食い止めるため、対立点を先送りにしたものとみられ、停戦が実現するかは不透明です。
ウクライナ大統領「無条件で停戦を」
会談のあとウクライナのポロシェンコ大統領は記者団に対し、「東部の停戦は、15日に効力を発揮する。合意の主な内容は、無条件で停戦が宣言されることだ」と述べました。
そのうえで「大砲などの重火器は2週間以内に撤去される」と述べ、停戦が履行されれば、ウクライナ東部で武器や兵力の撤収も着実に進めていく考えを示しました。
仏オランド大統領「確かな希望」と評価
合意を受けて、調停役を務めたフランスのオランド大統領は記者団に対し、「停戦や紛争の政治的解決に向けた包括的な合意が得られた。まだ課題は多く残っているが、ウクライナの状況を改善するための確かな希望が生まれた」と述べて合意を評価したうえで、12日にベルギーのブリュッセルで開かれるEU=ヨーロッパ連合の首脳会議の場で今回の合意に対する支持を求める考えを示しました。
独メルケル首相「実現に大きな課題も」
合意を受けて、ドイツのメルケル首相は「われわれはかすかな希望の光を手に入れることができた」と述べ、会談の成果があったことを強調しました。
その一方で、「停戦の実現にはまだ大きな課題が残されている。やるべきことはたくさん残っている」と述べ、フランスなどとともに停戦が着実に実行されるか監視していく方針を示しました。
この会談の中に、「黒幕」であるアメリカが入ってないのは何とも奇妙。
そもそも、ヤヌコヴィッチが放逐されたのは、米ネオコンの仕業だというのがもっぱらだし。
したがって、「当事者」であるアメリカが入っていない以上、「形だけの停戦合意」ということになりかねない。
但し、ホワイトハウスは「あくまでも」、『与り知らぬこと』で通すと思うけど。