掘りたてのタケノコ 押し切り(現代でいうギロチンカッター)
ぐらぐら煮えたぎるお湯で茹で上げる(直径1mの平釜)
今年はいずこの竹藪でも豊富なタケノコが目につく。どこにでも見られる普通の竹藪は、先ずは孟宗竹の群生と思って間違いない。その次に多いのが、節間が比較的長く成竹の大きさが直径6~8cmの端正な本竹である。その他にも破竹、黒竹などこの季節はタケノコオンパレードである。そんな中で、私たちの食用として気軽にお口に入るのが、完全に成長すると直径が20cmにもなる孟宗竹である。
昨年は何が災いしたのか、タケノコらしいタケノコがほとんど見られなかった。毎年2度や3度はプレゼントとして必ず手に入っていたものが、昨年の場合、竹藪の持ち主の同級生からでさえ1度だけ、それもホンの少々を食べさせてもらった程度であった。団地公園に接する放置に近い竹藪にも新たなタケノコを1本も見ることのない珍しい年だった。
今年はまるで様子が違う。団地公園に接する大きな竹藪から、文字通りにょきにょき、ものすごい勢いで生えてくる。
今日は、藪の持ち主の同級生から2年ぶりとなるタケノコ掘りを誘われた。喜び勇んで馳せ参じた。
駆けつけたときには、朝の早い彼はすでに数本を掘り上げていた。私は皮むき役を頼まれた。穂先から10cm根元に下がった部分を斜めに押し切りで切り落とす。次に根元からタケノコの皮の部分に包丁を入れて、皮だけをそっくり剥がして、中身を上手に取り出す。ちょっとテクを要する作業を約1時間。そして、直径1mの平釜で2時間。ぐらぐら茹で上げる。どうして始末しようかというほどのタケノコはもちろん、ワラビ、タラの芽、サトイモ、新タマまで出来立て取れたて、旬の味のプレゼントは、野菜価格高騰に悩む我が家の家計を応援してくれる。有難いタケノコ豊作の年。持つべきものは友である。