賛否両論が渦巻くNPB、日本プロ野球機構の怪ともいえるのが、CSと呼ばれるクライマックスシリーズではなかろうか。
セ・パそれぞれ6チームが、ペナントを賭けて1チーム143試合を戦う。その結果勝率の最もいいチームがリーグの覇者となる。ここまでは何の異論もない。ところが、1年間の最強チーム即ち日本一を決めるのはまた別な戦いの方式があるということ。
セ・パそれぞれペナントを制した優勝チームはとりあえず置いといて、日本一を争うのは、セ・パ両リーグの3位以上のチームが改めて戦って、その勝者同士が今一度覇を競うというややこしい方式である。今年のセリーグで言うなら、ファーストステージが2位の広島カープと3位の横浜DNeが3試合制で戦い、先に2勝したチームがファイナルステージに進む。待ち受けている首位の阪神タイガースと7試合戦う。但し、優勝チームへのアドバンテージとして1勝が付与されているので、実質6試合戦って、ファーストステージの勝者は4勝しなければならないシステムである。
そんなややこしいことをせずに、セの優勝者とパの優勝者を戦わせてさっさと日本一を決めりゃいいじゃないの。というのが常識的見解である。
ところがどっこい。プロ野球機構の収益を上げるための絶妙の方策なのである。言うなれば打ち出の小槌と言っても過言ではない。CS制度があれば、完全な消化試合、つまり観客が集まらない、盛り上がらない、収益が上がらない。ないない尽くしの試合は極端に減る。
そこへいくと、CS制度は、ペナントは逃しても上位3チームへの生き残りをかける熾烈な戦いは最終盤まで続く。観客は熱く応援する、盛り上がる、収益が上がるという方式である。高額所得者の多いプロ野球。如何に収益を上げるかがチーム運営のカギとなる。ちなみに今年のカープさん。地元マツスタでファーストステージを戦う。3試合行った場合、素人目算でも4億円の収入は固い。もしも阪神とのファイナルステージを戦えば総額6~7億円の増収が見込まれるではないか。これは美味しいよね~。取らぬ狸の皮算用ではあるが。なかなかの知恵者がいるものではある。