怒りのブログ

憤りを言葉にせずになんとしようか。

スーホの白い馬その4

2007-03-09 18:04:32 | 教育
同僚の実践で、話を聞いただけなのだが、いいアイデアで次やるなら使ってみたいなと思ったものがある。

元ネタは、5年生の「わらぐつの中の神様」で用いた方法らしい。
(もしかしたら割とポピュラーな実践かもしれないから、足下見られそうでいやだが、戒めをこめてメモリー)

「スーホ日記という形で、読み込む度に感想をとっていく。」というものだ。

にほんブログ村 教育ブログへ

2年生(低学年)は、読解においてイメージ作りが大事である。

例えば「スイミー」を読めば、スイミーのお面をかぶせてしゃべらせるだけで、心情を考えながら語れるようになる子どもは多い。
また同じく「お手紙」であれば、かえるくんやがまくんの絵に吹き出しをつけるだけで、なりきって会話を楽しみ、読み取りが深まるのである。

そういった意味で、リアリティがありながら異国情緒もある話の「スーホの白い馬」では、なかなか主人公に感情移入することは困難なのかもしれない。

私は、スーホと自分たち(2年生)の年齢がそれほど違わないのだというイメージでせまったが、日記ならば、もっと主体的な取り組みとして読みの世界に入れた可能性がある。

また2年生をうけもつ機会があって、そのときまでこの作品が教科書で扱われていたらそうすることもあるだろう。
(もちろん、今年度のように、教科書の単元を離れて実践をすればいいのだろうが・・・。)
その時には用いてみたい手法だ。

とりあえず今は方策を変更せず、今ある形式を大事に読み込んでいくのみ。

スーホの白い馬その3

2007-03-09 17:52:43 | 教育
>子ども達からの課題設定としては、
>「とのさまは、なぜスーホに対し、約束を反古にし、たたき出したのだろう。」
>というものが出た。

と書いた。

その後をメモリーしておく。

まずは子どもに聞いてみた。
すると、
A「スーホは結婚させるには若過ぎるから嫁の代わりに銀貨三枚でおっぱらい、白馬を奪い取ったのだ。」
という意見と、
B「殿様は娘をまずしいみなりのスーホのもとへ嫁入りさせたくないと思ったので、その代わりに銀貨三枚でごまかし、白馬は欲しいので奪ったのだ。」
という意見と、
C「白馬と銀貨三昧を交換したのだ。競馬は馬を手に入れたい方便だったのだ。」
という意見が出てきた。

Cは、そういう読み取りができなくはないが、それでは「知らんふりをした」というレトリックに引っかからなくなってしまうので無理な読みということになる。
よって、それは後々気づく点でもありそうなので棚上げして、AとBを比較することにした。

ポイントは「スーホは銀貨と嫁とを交換するよう強要されたのか、銀貨でごまかされようとしたのか。」

ここで重要なのは、殿様が、
「スーホを婿となることを認めなかった。」
という事実確認と、
「銀貨三枚は何の対価か。」
という疑問に対する答えのイメージ作りだ。

にほんブログ村 教育ブログへ

まず、「殿様」と「スーホ」の比較から、それぞれの印象を想像させた。

因に、子どもから出てきた「殿様像」は、
「偉ぶってる、強い、金持ち、大人、我がまま、しつけができていない、親が悪い、自分に甘い、家来が甘い、性格が悪い・・・。」
(燦々たる有様。ちょっと同情した。)

一方、殿様は「銀貨三枚くれてやる。」という言葉遣いをしている。
これは身分の違いを利用したパワハラなのだが、そこはなかなか子どもにはイメージしづらい。
「くれてやる。」という言い方自体に新鮮味をもった子どももいた。

ただ、「くれてやる。」は「あげる。」を偉そうに言った言葉というイメージはなんとかできた。

そして、その理由が、スーホの「貧しい身なり」であり、殿様にとっての「競馬の1等をとった者の印象」との落差を感じさせるものだったということ。

そこまで子どもたちから、比較や関係性を考察している内に、印象が出て来ると話は早い。

次にやったのは、殿様の望む婿像作り。
これにより、AかBかの議論は収束していく。(実際には単純な二項対立ではないのだ。)

以下次回。

スーホの白い馬その2

2007-03-09 06:46:47 | 教育
前任校で「スーホの白い馬」をやったときは、ラッキーな事に、馬頭琴の名手と懇意の先生がいて、その音源や民族衣装など現物資料が豊富にあったので、それだけで子どもたちには説得的で興味を換気した状態で読み進めることができた。

ラッキーなことに、馬頭琴もあった。
(これは調べたが、安いもので6万円くらいする。3万円くらいなら買ったかもしれないが・・・。)

馬頭琴を組み立てるスーホがいる。
馬頭琴の弦は馬のしっぽの毛であり、それを触りながら、また音を確かめながら考えるイメージは鮮烈だった。

にほんブログ村 教育ブログへ

最近、光村図書ではウェブで写真や解説などの資料を見れるようになったようだ。
子どものためのリンク集

こういうのは必要だね。