怒りのブログ

憤りを言葉にせずになんとしようか。

6年生を送る会

2007-03-06 00:56:32 | 教育
のんびりとした話を一つ。

前任校のことです。

6年生を送る会は重要な行事です。
全校児童を前に、6年生から5年生へ児童会の引き継ぎを行ったり、卒業式に出られない学年へむけて、卒業式に唄われる歌を聞かせたり、たてわり活動の総決算であったりします。

学区域の外なのですが、柵で囲まれた比較的安全な公園があるので、そこまでたてわりの5年生を中心に全校児童が歩きます。
コースを複数にしないと、安全面や時間面で困難なのですが、公園に到着すると集合して「送る会」をします。

会の後半、先生方の多くが公園の森に消えます。

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実は、たてわりで公園内に散らばった先生方を捜し、パズルのピースをゲットするオリエンテーリングなのです。

会が終了すると、5年生は急いで班を集結、公園内の地図を片手に出発します。

しかし、とんでもないのはここからで、先生方は変装しているのです。

工事現場の人のようなかっこうをしてタバコをふかす。
顔や腕に包帯をまいて、松葉杖をつく。
腰を屈めてちゃんちゃんこをひっかぶって老人になる。

変装が下手な人は仮装をします。
ゴジラのぬいぐるみで草影にひそむと、気づいた1年生はこわくて他の人に言えません。
なぜか公園内でイチローのユニフォームを着て素振りをしている人もいます。
公園内はあちこちおかしな人が見られる状態になります。

のりきれない人はマスクにサングラスぐらいでごまかしています。
かくれんぼのように木にのぼる人、擬態ポーズをとる人。
やっぱりへん。

子ども達はそんな困難を乗り越えて、あるときはいきおいよく、あるときはおそるおそる教員達を見つけて声をかけるのです。

オリエンテーリングが終わると学校に帰り、たてわりで給食を食べます。
みんな高学年の合唱の美しさ、「児童会のかぎ」の大切さ、おかしなオリエンテーリングの話題で持ち切りです。

このクソ忙しい学期末に、教員一同が子ども達のために一生懸命下準備をするのは不思議といえば不思議な結束です。
そしてこの日のために、教職員が声を掛け合い、仕事をなんとか早めに終わらせるよう協力し合うのです。

愚痴ですが、今はこういった行事が負担で、時間をけずり、行事をけずりという時代。
特別活動や行事は「余暇」といわれてはそれまでですが、それが大事なひと時を作るきっかけになっている。
また、それが見えない特色となり、伝統となっている。
そんな場合も学校には多くあると思います。

私はそういった時代に逆行するように頑張っていた前任校の教師集団が好きでした。