( この写真は、単行本に掲載するつもりで撮影した仕事中の私です。 お分かりの事とは思いますが
・・・Jプロの仕事場です。 正面ガラスの奥がJ先生のいる個室になります。《 2008年1月、撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その7
自分が1ページに平均10時間近くかけた漫画作品( 20ページ以上 )が紙屑にな
るのにたったの30分とかかりません。
「 これはダメですね 」
とか、
「 つまらないね 」
で・・・終わり。
編集員だって、そんな事は、言いたくはないのかも知れませんが・・・・・
・・・言われる方はナイフで刺されるのと同じ心境になるものなのです・・
・・・・。
しかし・・・そんな悲哀も・・・10年以上たってしまった過去の出来事とし
て忘れつつある今日この頃・・・・・
よく人から・・・( ホントは極たまに! )
「 なぜ『 漫画家アシスタント物語 』を書いているのですか? 」
とか、
「 『 漫画家アシスタント物語 』とは何ですか? 」
と、聞かれます。
私は・・・
「 重たい泡( アブク )なんです・・・ 」
ってな事を答えたりします・・・・
それは、ボツになった漫画原稿がゴミとして消えていくのと同じ様に、漫画
家アシスタントも誰も知らぬ間に消えていく・・・泡みたいなものだと・・・。
でも、その泡の一つ一つは・・・とても重たいのだと・・・・・
名前の出る漫画家先生の背後で夢だけ食って・・・そして・・・足跡さえ残
さずに黙って静かに消えて行く・・・・・
ホントに・・・泡です。 一つぶの泡です・・・
でも・・・
重たい・・・!
絶対に重たい!
私が描いたギャグ漫画は・・・結局、誰一人笑わせる事もなくゴミ化しまし
た・・・・・・・
前回までに書いたS英社( ※参照 )への持ち込みの後で、J先生からの勧めも
あって「週刊漫画A」( ※参照 )の編集員氏にも見てもらいましたが・・・
「 私もギャグを考えているんですよ・・・」( 編集員自身の漫画ネタ )
・・・と、話し始め・・・
「 ・・・家族のギャグなんか、どうかと思うんですよね・・・お父さんが
ゴルゴ13で・・・ 」
編集員は自分のアイデアを延々と語るのですが・・・私の原稿は机のすみに
押しやったまま見向きもしません。
「 お父さんがゴルゴだからァ・・・それでェ・・・私がずっと前から温め
てきたアイデアなんですがね・・・ 」
なるほど・・・しかし、どうも「 クレヨン○○ 」の延長線上にある様な話で
す・・・・・それを・・・延々と語るわけです・・・・・
私は・・・その話を聞きながら・・・すっかりギャグを描く気をなくし、タ
イ人と日本人との恋愛話でも描こうか・・・以前、タイで知り合った日本人
がその家族によって殺された話でも描こうか・・・・・
すでに頭の中がバラバラで、自分で熱中出来ないネタの尾っぽを必死に掴も
うとているのです・・・・・
描くために・・・描かなくてはいけないために・・・そんな強迫観念のため
に・・・描くものを捜す・・・・・・
もはや・・・ガソリンの切れた自動車のアクセルをガンガン狂った様に踏み
つけている猿の様になっていました。
そんなある日・・・
J先生が、暗い・・・真っ暗い私の顔を睨みながら・・・・・・
とんでもない提案をするのです・・・・・
地獄の底で響く様な・・・
例の低い声で・・・
「 おめィ~よォ~ 」
「漫画家アシスタント 第7章 その8 」 へつづく・・・
★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第7章 その6」へ戻る 】
【 ※参照 】
・S英社・・・・・・・・少年誌、青年誌、発行部数で常にトップを争う大手出版。
1992年当時、「YJ」は発行部数300万以上。「○忍!!空手部」「○氏の隣
人」などが連載。
・週刊漫画A・・・・・・週刊漫画誌の老舗。「ヤング系」に圧されて後に休刊する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ お知らせ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
★ このブログ「漫画家アシスタント物語」が書籍化!
詳しくは・・・ 《アマゾンのネット通販》
★ 拙作、文庫本『 劇画 蟹工船 覇王の船 』も発売中!
○ 送料がかかってしまいますが・・・ 《アマゾンのネット通販》
★ 拙サイト 「WEB漫サイ」 に漫画家志望青年物語「雨のドモ五郎」「壁」
などを「解説」と共に無料公開中!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【 各章案内 】 「第1章 改訂版」 「第2章 改訂版」 「第3章 改訂版」
「第4章 その1」 「第5章 その1」 「第6章 その1」
「第7章 その1」 「第8章 その1」 「第9章 その1」
「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」
・・・Jプロの仕事場です。 正面ガラスの奥がJ先生のいる個室になります。《 2008年1月、撮影 》 )
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その7
自分が1ページに平均10時間近くかけた漫画作品( 20ページ以上 )が紙屑にな
るのにたったの30分とかかりません。
「 これはダメですね 」
とか、
「 つまらないね 」
で・・・終わり。
編集員だって、そんな事は、言いたくはないのかも知れませんが・・・・・
・・・言われる方はナイフで刺されるのと同じ心境になるものなのです・・
・・・・。
しかし・・・そんな悲哀も・・・10年以上たってしまった過去の出来事とし
て忘れつつある今日この頃・・・・・
よく人から・・・( ホントは極たまに! )
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とか、
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と、聞かれます。
私は・・・
「 重たい泡( アブク )なんです・・・ 」
ってな事を答えたりします・・・・
それは、ボツになった漫画原稿がゴミとして消えていくのと同じ様に、漫画
家アシスタントも誰も知らぬ間に消えていく・・・泡みたいなものだと・・・。
でも、その泡の一つ一つは・・・とても重たいのだと・・・・・
名前の出る漫画家先生の背後で夢だけ食って・・・そして・・・足跡さえ残
さずに黙って静かに消えて行く・・・・・
ホントに・・・泡です。 一つぶの泡です・・・
でも・・・
重たい・・・!
絶対に重たい!
私が描いたギャグ漫画は・・・結局、誰一人笑わせる事もなくゴミ化しまし
た・・・・・・・
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あって「週刊漫画A」( ※参照 )の編集員氏にも見てもらいましたが・・・
「 私もギャグを考えているんですよ・・・」( 編集員自身の漫画ネタ )
・・・と、話し始め・・・
「 ・・・家族のギャグなんか、どうかと思うんですよね・・・お父さんが
ゴルゴ13で・・・ 」
編集員は自分のアイデアを延々と語るのですが・・・私の原稿は机のすみに
押しやったまま見向きもしません。
「 お父さんがゴルゴだからァ・・・それでェ・・・私がずっと前から温め
てきたアイデアなんですがね・・・ 」
なるほど・・・しかし、どうも「 クレヨン○○ 」の延長線上にある様な話で
す・・・・・それを・・・延々と語るわけです・・・・・
私は・・・その話を聞きながら・・・すっかりギャグを描く気をなくし、タ
イ人と日本人との恋愛話でも描こうか・・・以前、タイで知り合った日本人
がその家族によって殺された話でも描こうか・・・・・
すでに頭の中がバラバラで、自分で熱中出来ないネタの尾っぽを必死に掴も
うとているのです・・・・・
描くために・・・描かなくてはいけないために・・・そんな強迫観念のため
に・・・描くものを捜す・・・・・・
もはや・・・ガソリンの切れた自動車のアクセルをガンガン狂った様に踏み
つけている猿の様になっていました。
そんなある日・・・
J先生が、暗い・・・真っ暗い私の顔を睨みながら・・・・・・
とんでもない提案をするのです・・・・・
地獄の底で響く様な・・・
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1992年当時、「YJ」は発行部数300万以上。「○忍!!空手部」「○氏の隣
人」などが連載。
・週刊漫画A・・・・・・週刊漫画誌の老舗。「ヤング系」に圧されて後に休刊する。
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