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月と太陽の盤 宮内悠介

作者の本はこれで4冊目になるが、一作ごとに内容が全く違うのでびっくりさせられる。一作目は抒情的なSF、二作目はかなりハードなSF、三作目はユーモアSF、そして4冊目の本書はミステリー色の強い一般小説だ。著者はまだそれほど多くの作品を描いているわけではないのだが、一作ごとに評判になっている気鋭の作家だ。読んだ4冊とも著者の才能が迸り出る様な作品ばかりだが、そのジャンルに固執せずに新しい試みを続けているようで、もしかすると自分のスタイルとかジャンルを模索しているのかもしれない。それをずっと同時的に追いかけている自分が何となく幸せだなぁと思う。個人的には、三作目と一作目が好きなので、そのどちらかに注力して貰いたいと思うが、果たしてどうなっていくのか。新作をこれからも追いかけていきたい。(「月と太陽の盤」 宮内悠介、光文社)

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