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知の進化論 野口悠紀雄

歳を取ってくると最近のIT関連の進歩についていくのはかなり難しい。それで曲りなりにも使えるようになれば良いが、その基本すら理解できず、セキュリティ面の怖さだけが頭に入ってきて、結局自分から遠ざけてしまうことも多い。遠ざかっているとその間にさらに進歩してしまってますます理解するのが難しくなる。そうした悪循環を和らげてくれるのが本書だ。自分よりも一回り年齢が上の著者が、現在のそうした進歩の歴史からみえる本質を丁寧に解説してくれるので、なんとなくこれまで遠ざけれてきたものにもう一度関わってみようかと思うことができる。また、昔一斉を風靡したソフトなども歴史的な文脈の中に登場し、それを使った時の興奮が蘇る記述もあって、あの時の興奮をもう一度という気分にしてくれる。色々な意味で中高年に勇気を与えてくれる一冊だ。(「知の進化論」 野口悠紀雄、朝日新書)

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