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いとみち~三の糸 越谷オサム

津軽三味線を奏でる女子高生の奮闘を描いた本シリーズの第3作目。前作が2年前くらいに文庫化されて、それ以来なのでブランクはちょうど2年くらいだと思うが、本シリーズは何といっても設定が面白いし、主人公のキャラクターも新鮮なので、それほどブランクを感じないで読める気がする。しかも本書の冒頭に、前作で本シリーズの舞台である町から引っ越していった人物が「皆どうしているかなぁ」という内容の手紙が掲載されていて、それが前作までの話の復習の役割を果たしている。ちょっとした工夫だが、読者にやさしい有難い趣向だと感心してしまった。一応本作でこのシリーは完結ということのようだが、成長した主人公の姿とか、二代目の話でも良いので、是非とも続きを読みたいと思う。まあこれだけ面白いので、読者の声に押されて続編刊行という確率は低くないと思うが。(「いとみち~三の糸」 越谷オサム、新潮文庫)

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