『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

映画雑感8  イミテーション・ゲーム

2015-04-04 17:15:28 | 映画

イミテーション・ゲーム

監督    モリテン・ティルドウム

主演    ベネディクト・カンバーバッチ

助演    キーラ・ナイト

制作国   イギリス、アメリカ

上映年月  2015年3月

感想

 実話をもとにしたフィクション。第二次世界大戦のときにナチス・ドイツの解読不能と言われた暗号エニグマの解読に成功したイギリスの天才数学者アラン・チューリングの物語。物語は3重構造になって進行する。戦後1950年代に入ってアラン・チューリングの家に泥棒が入り警察の捜査の過程でアランの秘密が暴かれて破滅する時期、パブリック・スクールに通っていた子供時代、そして、エニグマ解読にあたっていた時代が交互に出てくる。一見すると対人関係に一切配慮がない「空気の読めない」アランが愚かしく見えるが、解読は機械にしかできないとか、目的に到達するための判断が的確で、その落差に驚くばかりだ。解読チームに加わる唯一の女性ジョーン・クラークが実在したかどうかはわからないが、現代の最先端の女性が飛び込んできたというキラキラした感じで登場する。全体に戦時下の陰鬱なくすんだ感じがなく、人物が明るい。アメリカ映画だなという印象はぬぐえない。50年以上もイギリス政府がエニグマ解読機を秘密にして、アラン・チューリングの功績を明らかにしなかったのも驚きだ。イギリス政府の上層部以上にイギリス情報部が情報戦を仕切っているし、解読チームにも戦後も秘密を守れと命じる怖さ。大英帝国の底力を如何なく発揮している。日本は単細胞でとても太刀打ちのできないと思った。

 

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