『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

読書感想140  新・古着屋総兵衛7 二都騒乱

2014-08-16 16:29:22 | 小説(日本)

 


読書感想140  新古着屋総兵衛7 二都騒乱

 

著者      佐伯康英

 

著者略歴    1942年生まれ。北九州市出身。

 

        多数の国際謀略小説、ミステリ小説を手がけ、1999年に時代小説「密命」を発表。以降時代小説の人気シリーズを立ち上げる。

出版年月日   2013年12月1日

出版社     (株)新潮社      

 

感想

 

 本書は新・古着屋総兵衛シリーズの第7冊。

 

このシリーズでは大黒屋はその経済力を南蛮交易にまで伸ばし、

 

100年前から薩摩藩と南蛮交易をめぐって争っている。そしてグエ

 

ン・ヴァン・キが10代目大黒屋総兵衛を継いだときから一層薩摩藩

 

との争いは熾烈になってきた。グエン・ヴァン・キはその薩摩藩の

 

妨害を出し抜いて、イマサカ号と大黒丸という大型帆船を南蛮交易

 

に送り出した。一方自分は10代目大黒屋総兵衛として京都に向かっ

 

た。主人公はベトナムの交趾出身のグエン・ヴァン・キこと、鳶沢

 

総兵衛勝臣、つまり10代目大黒屋総兵衛。

 

鳶沢一族は江戸に入府した徳川家康によって影の旗本として、表向

 

きは江戸の富沢町の古着屋大黒屋を営みつつ、幕府の中の影様の指示に

従って秘密の任務を果たしてきた。

 

 江戸から京都に来た勝臣は、許婚の坊城桜子を京都の錦市場で誘

 

拐されてしまう。誘拐犯は不思議な修行僧の一団だ。彼らが通ると、

 

周囲の人々は一瞬虚脱してしまう。彼らは何者なのか。江戸から京

 

都まで続いた薩摩藩との暗闘はどう決着がつくのか。そんな中、川

 

越東照宮で御簾ごしに話した影様、その女人の正体と目的が徐々に

 

明らかになって行く。

 

 このシリーズに登場する人々は戦国時代の有名人の子孫でそのビ

 

ックネームをついでいたり、公家や有力大名家の人々なので、やは

 

りビッグネームをついでいる。それがある種の信用というか、もっ

 

ともらしさをかもし出しているのかもしれない。

 

 異国人のグエン・ヴァン・キとともに年末の京都の行事をめぐる

 

のも楽しい。

 

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