『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

読書感想69  花崗岩の街

2013-04-29 22:00:54 | 日記・エッセイ・コラム

 

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著者     :  スチュアート・マクブライド<o:p></o:p>

 

居住地    :  スコットランド<o:p></o:p>

 

翻訳出版年  :  2006<o:p></o:p>

 

出版社    :  (株)早川書房<o:p></o:p>

 

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感想<o:p></o:p>

 

 著者のデビュー作。スコットランド第3の都市アバディーンが舞台で季節はクリスマス前、いつも冷たい雨が降っている。3歳の男の子の遺体が水路から発見される。そして次々に幼児の行方不明の報告が入ってくる。変質者による連続幼児殺人事件かと警察は色めき立つ。一方警察の情報がリークされスクープ記事が出る。情報をリークしているのは誰なのか。スクープ記事を書くコリン・ミラー記者は情報源を明かさない。ミラーの記事が捜査妨害になってくる一方、無能で怠慢といった批判を鎮静化させるためにミラーの協力を必要とする警察はジレンマの中にある。そして新しい被害者の遺体がゴミ袋の中から発見される。<o:p></o:p>

 

登場人物は一癖も二癖もあるが、特に捜査を担当する警官たちは個性的だ。主人公のローガン・マクレイ部長刑事は1年前に被疑者にナイフで腹を刺され、復職したばかりだ。頭がよくナイーブで格闘する際には腹がウィークポイントになる。彼を助けるジャッキー・ワトソン婦警は美脚ながら「ボールブレイカー(玉つぶし)」と呼ばれる強面ぶりを発揮する。溌剌としている。ローガンの上司のインスク警部はいつもキャンディやゼリーを頬ばり、アマチュア劇団に出演しているが、頼もしいボス。ローガンの元恋人の検死医イソベル・マカリスターはスターのような衣装に身を包みながら、現場検証に臨み、警官ですら吐いてしまうような死体の解剖を常に冷静沈着にやり遂げる。氷姫と呼ばれている。<o:p></o:p>

 

風土の陰鬱さと殺人事件の陰鬱さが重なる。そしてその陰鬱さを圧倒するほど体当たりで犯人と闘う警官の奮闘が光っている。事件が一つ一つ解決されていくので読者にとってわかりやすい。面白くて読みやすい、お勧めのミステリーだ。

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