両陛下が半世紀ぶりに思い出の地、インドへ
紘一郎雑記張
インドは大歓迎ムード、
即位後初めてインド公式訪問に赴かれる天皇、皇后両陛下が
30日、羽田より出発された。
53年前の訪印と同様、今回も地元では「歓迎ムードが高まっている」
(外務省)という。
約半世紀前の縁をたどる訪問先もあり、親日国とされる同国との絆を、
一層深められる旅となりそうだ。
ご滞在先は北部の首都ニューデリーと、かつてマドラスと呼ばれた
南部の主要都市、チェンナイ。
ニューデリーでは、大統領夫妻主催晩餐会(ばんさんかい)などに臨席し、
国賓として公式歓迎をお受けになる。ゆかりのある国際的な文化交流拠点
「インド国際センター」を再訪されるほか、当時、両陛下を迎えた初代首相の名を冠した「ネール大学」では学生とのご交流などが予定されている。
12月4日にチェンナイへご移動され
芸術学院や障害者の職業訓練を視察される。
両都市では住民と交流し、在留邦人もねぎらわれる。
ただ、日本と異なる環境だけに、ご体調への影響も心配される。
鹿児島・奄美大島とほぼ同緯度のニューデリーは東京の秋頃の気温だが、
北緯13度と赤道に近いチェンナイは最高気温が30度に迫る。
53年前の帰国直後、陛下は風邪のため行事を休まれている。
宮内庁は、お出ましは晩餐会などを除き午前10時から夕方の間に
収めたほか、空調のある室内でのご休息時間をできるだけ取り、
徒歩移動も長くなりすぎないようにしたという。
現地の水事情については、外務省によると、要人接遇は
ミネラルウオーターが使われるが、念のため日本側の検査で
水質に問題ないことを確認。
日本からも予備を用意する。陛下が心臓手術を受けられたことなど、
基本的な医療情報はインド側に伝えており、薬も随員が持参するという。
宮内庁は「ご帰国後も含めた健康維持に、万全を尽くす」としている。