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関西経済の今後 竹田 徹氏講演録

2010-09-20 04:56:04 | Weblog
「関西経済の今後」

【竹田 徹氏】産経新聞社経済部担当部長
2010年6月21日講演 【第1部】

大阪湾岸にグリーン産業関連工場、集まる!

大阪商工会議所と関西経済連合会がまとめた
2010年4月~6月期の経営・経済動向調査によると
国内景気が「上昇している」と答えた企業の割合から
「下降している」と答えた企業の割合を引いた
判断指数は「プラス4,5」と前回調査と比べて
「14,4ポイント」改善した数字が出ている。」

これからの「関西経済」の行方を左右する
大きな要素として、いわゆる「グリーンベイ」と
「2011年問題」が挙げられます

今日はこの二つの話題に焦点をあてながら「関西経済」が
復活する為の方向性を見通してみます

グリーンベイとは、「太陽電池」や「リチウムイオン電池」などの
「グリーン産業関連工場」が集まる地帯で、
大阪の港湾エリア一帯を指します

この一帯は、つい最近まで「未利用地」でした

1960年代から70年代にかけて、大都市への人口集中や
郊外の深刻化に、歯止めをかける目的で「工場等制限法」や
「工業再配置促進法」「工場立地法」が制定され、
規模の大きな工場の新設置が制限されました。

そのために多くの工場が地方へ移転を余儀なくされ
関西の産業に「空洞化」をもたらしました

ところが「2000年代」になって規制が廃止されたり
緩和されたりし、大規模な工場が建設されるようになりました

折りしも「薄型テレビ」の成長期と重なり、主力メーカーの
「パナソニック」と「シャープ」が大阪に本社を置き
「湾岸地帯」に「プラズマディスプレイ」や「液晶テレビ」の
「巨大工場」を建設しました

それに伴い「太陽電池」や「リチウムイオン電池」の
「製造工場」も集まって生産期拠点化したことで
「グリーンベイ」と呼ばれるようになりました。

関西地区の「太陽電池」は国内生産の「約7割」を占め
「リチウムイオン電池」は「約8割」となり、世界の
生産量でも「太陽電池は8%」「リチウム電池は23%」
(日本政策投資銀行09年調査)
となっており、シェア占有率は高いのです。

「電池製造」が「地場産業」のような様相を呈している背景には
「太陽電池」や「リチウムイオン電池」を製造するメーカーが
古くから「関西」に集積していたことが大きな要因でしょう

電池メーカーに「部材」や「製造・検査装置」を供給する
「サポーティング・インダリストリー」が多くあることや
「先進的な電池研究」を続けてきた「京都大学」が
あることも大きな原因であります。

「関西国際空港」を利用する旅客数は一時期より減ったが
「貨物の取り扱い」は堅調に伸びており「グリーンベイ」で
生産された製品の一部が世界へ運びだされているからです

今年4月に稼動を始めた「堺市のシャープ工場」の
「グリーンフリロント堺」の規模は圧巻である

敷地面積127万㎡は、同社の「亀山工場」の「約4倍」もあり
総投資額は「1兆円」で、「液晶パネルを年間1500台分」、
「太陽電池パネルを年間480メガワット分(家庭12万件分)」を
製造する能力を有し、同じ敷地内に「旭硝子」「岩谷産業」
「コーニングジャパン」「大日本印刷」などをはじめとする
「19社」の企業も進出しています。

シャープは「亀山工場」では「敷地内」の「工場間」での
「液晶パネル搬送」に「50台」ほどの「トラック」を使用していたが
「グリーンフロント堺」では「棟間搬送システム」が整備され
「クリーンルーム」にされた専用の道路を「自動搬送」されている。

そして「工場内」で使用される「水」「電気」「ガス」などは
「エネルギー管理センター」で「一括制御」する
「システム」になっており「シャープ」はこうした環境を
「バーチャルワンカンパニー(仮想的な単一企業)」と
呼んでいます。

「建物内」の「照明や街路灯」にはすべて「LED」が
使われるなど、その設備はあらゆる面で進んでいます。

では、シャープ以外の「他企業」や
他国はどうしているのでしょうか
今からお話いたします

続きは 「第2部」に投稿