ふぇみにすとの雑感

日々の雑感、テレビ、社会、フェミニズムについてなど。モンタナ発信。

「卒業難しい」神話その2

2006-05-16 20:25:31 | 大学関係
ひゃあ、先日の「アメリカの大学は卒業が難しい」神話エントリに対して、気合いはいった反論のトラバが。

まあ学校によって違う面は確かにあると思うので、個々人の経験は否定はしませんが、、、私はアメリカの大学、今いるところで3校目。たぶん、今まで行った大規模州立大学(UC サンタバーバラとミシガン)に比べると、今いる学校(シカゴ)がいちばん、学部生の教育レベルは高く、リベラルアーツにわりと近い形の少人数クラスが行われていると思うのだけど(もちろん、教員の教育へのやる気に関しては、リサーチ大学の常で、いまいちなところがあると思いますが)、それでも学生はそう簡単には落としませんよ。。っていうか、教員側からみれば、よほどさぼっていない限り、落とせないし、落としたくない、ってのが現実か。まじめに授業でて、宿題出しているのに、あまりにできてない学生がいたら、オフィスアワーに来てもらって、なんとかしようと対策練るしなあ。

アメリカでリベラルアーツカレッジは行った事ないので、これに関しては何ともいえませんが、リベラルアーツは教育に気合いをいれている反面、もっとスプーンフィーディング(至れりつくせり)系教育になっているとも聞くしなあ。少なくとも、総合大学系に関しては、さぼって課題こなさないとかではない限り、教員は簡単には落とさないって現状になっている大学、多いんじゃないだろうか。(マークシート試験で、カーブで成績つけるクラスは別ね。それでもそう簡単には落とさないような気がするが、、平均的にできなければ、カーブ自体がずれるわけだし)

マスターってのも、マスター論文がしっかりあるのは、たぶんターミナルマスターのところが多いと思うのですよね。そうじゃない場合もあるかもしれないが、、Ph.D. programの場合は、たぶん試験か、試験+プロメ[ザルとかの場合が多いんじゃないかな。で、少なくとも人文、社会科学系(ドクターがある分野ね)のターミナルマスターってのは大学にとって、残念ながらあまり重要視されておらず、入れては出し、入れては出しってパターンで、奨学金出さない場合はとくに、実質金儲けの手段的に見られてしまっている面があると思う。ビジネス、法律などのプロフェッショナルディグリーか、教員資格とかの何らかの資格がとれる学位じゃないと、ターミナルマスターは、次にドクターにはいるためのステップとしてくらいにしか使えないような。。マスター論文を「まったく読んでない」とまでは言えないけど、丁寧に読んで指導しているかというとどうだろうか。。マスタープログラムしかない大学は別として、ドクターの学生を多く抱える教員の場合、マスター論文を丁寧に指導してくれるって、すごーくいい先生だと思いますですよ。(ちなみに私は、ターミナルマスター経験者)

ドクター院生の場合、教授が気に入るかどうか、それなりに成績とれているかどうかで途中で首になっていったり、ファンディング打ち切られてやめざるをえない状況に陥ったりする場合もあるから、ちょっと違うといえるかもしれませんが、、それでも、なんとかずるずるとついていっていれば、ドクターもいづれは終わるもの。かえってかしこい人たちは、途中でやめていったような気も、、?

プリンストンはグレードインフレーション対策をとることになった、ってニュースがあったけど、他の大学は今、どうなっているんでしょうね。
http://www.usatoday.com/news/education/2004-04-26-princeton-grades_x.htm
まあ、プリンストンくらいなら、ちょっとくらい成績が悪くても院にはいったりする上で、そう不利にはならないでしょうが(それでも学生からかなり反対の声があったと聞くが)。通常は、GPA低いとやっぱり不利になって、いい院に学生はいれないと大学自体の評価にも響くだろうし、、

あまりにさぼりまくって、試験もできてない学生を、前にいた大学でTAしてたクラスで落とそうとしたら、教授のほうにストップかけられた経験も、、。結局私がさぼり過ぎのために落とそうと思ってたその学生は、Bですよ。中間試験も受けてないし、宿題もほとんどやってなかったし、もちろん授業なんか半分以上休んでいたのに。まあこれは、例外的にひどいケースだったと思うが、やってられないよねえ。