ふぇみにすとの雑感

日々の雑感、テレビ、社会、フェミニズムについてなど。モンタナ発信。

「アメリカの大学は卒業が難しい」神話

2006-05-14 17:32:44 | 大学関係
よく日本で聞いたり読んだりすることの一つに、「アメリカの大学は入るのは簡単だが、出るのが難しい」説というのがある。かなり広く流布している説のようで、昨日もそんなことが書いてある留学生のブログを見かけた。

しかし、どう考えてもこれ、本当とは思えないのだ。まず、アメリカの大学は入るのが簡単、ってのは、大学によりけり。アイビーリーグなんか入りたければ、成績もSATスコアもよくて、おまけに課外活動もやっちゃったりしてないといけない。それはそれで、かなり大変だと思うのだよね。

また、大学によっては金持ちでないと入りづらい(とんでもなく学費高い大学多いですからね)し、親が卒業生だったり、寄付しまくれる金持ちだったりすればよりよかったりするわけだ。(某アメリカ現大統領は、頭の出来は怪しくとも、親が金持ちだと有名大学に入れちゃうよい例だ。ちなみに大統領さんがイェール時代にAをとった授業は人類学だけらしい。恥ずかしいぞ、人類学!)

話がちょっとずれましたが、もっとまことしやかに語られるのが、「アメリカの大学は卒業が難しい」という説。そんなことないと思うぞ。出席とるクラスは授業にそれなりに出て(とらない大教室のレクチャークラスは別に出てなくてもさして影響ない場合が多い)、宿題やって、テスト受けれてれば、どんなにとんでもなくできなくても、落ちるということは少ないのではないだろうか。「出席点」とかなんとか加算されて、とりあえず通ることが多いと思う。アメリカの大学でgrade inflation(学生たちに高すぎる成績をあげる傾向)が話題になって久しいし、マークシート式の試験やって、完全に偏差値に基づいて成績つける授業は別として、レメ[トを書くとか、エッセイスタイルの試験があるクラスで、「落とす」ってのは、教員にとっても相当勇気が必要なことだと思う。。

アメリカの学生、成績に文句付けにくるしね。。そして、変に落としたりしたら、訴えられるかもしれないし、あるいは精神的に病んでいる子もかなりいるから、心配でもあったりする。だから落とす前に、ドロップをすすめたり、incompleteをすすめたり、あるいはエクストラの課題を出して、なんとか救ってあげようとしてしまうケースも多いのではなかろうか。

ということで、アメリカの大学は、それなりに授業に出て、宿題やって試験受け続けていれば、卒業はできるものだと思うのだ。日本の大学と比べて、「卒業が困難」とは言いがたいと思うのだけど、、私はふつーの日本の大学に行ってないので (ICU - Isolated Crazy Utopia出身)ズレているかもしれないが。

ついでに、マスターも、コースワークやっているうちにあららら、、と取れてしまうケースも多いし(私がそうだった)、論文が例えあったとしても、マスター論文ってちゃんと教官に読んでもらえないケースも多いはず。

しかし、日本で流布し続けられる「卒業難しい」伝説。留学した人が、「自分すごいだろ~」と言いたいためにこの神話が流され続けるのか何なのか。。