最近更新したらしい、
「日本ジェンダー学会」のHP。
トップページに、日本語と英語で、以下のような学会についての記載がある。
日本語版
日本ジェンダー学会は男女両性の研究者によって1997年に創設された学会であり、男女の共同参画によって学際的・国際的なジェンダー研究を進めている。日本学術会議の学術研究協力団体としての認定も受けている。
会員の性比は女性対男性が6対4、意思決定にかかわる役員の性比は5対5である。研究誌「日本ジェンダー研究」を年1回、情報誌を年2回刊行するほか、 2000年4月には冨士谷あつ子・伊藤公雄監修、日本ジェンダー学会編『ジェンダー学を学ぶ人のために』(世界思想社)を刊行した。
毎年9月に学会大会を開催しており、その他にもさまざまな研究会やセミナーを企画・実施している。2001年9月23日(日)には国立京都国際会館において『世界女性文化会議・京都2001』を、2005年11月25日(金)、26日(土)にはローマ大学において『欧日ジェンダー研究フォーラム』を、開催した。
英語版。
Japan Society for Gender Studies (JSGS) is the first academic society for gender studies and women's studies in Japan which accepts a male researcher as a member of the organization.
Founded in 1997 under the purpose of creating new perspectives, JSGS is getting widely known to those who have interests in gender issues.
Male members consists almost forty percents of the body now, and seats for board of directors are held equally by both sexes.
It has recently published a book titled Introduction to Gender Studies.
Global Forum on Women's Cluture Kyoto 2001 was held in Kyoto International Conference Hall on 23 September 2001 by Japan Society for Gender Studies.
こういう状況で日本語版と英語版が掲載されている場合は、英語版は日本語版と同じ内容である、というのが普通だと思うのだけれど、盛大に内容がずれているんだよなあ。
もちろん、面白いのは英語版のほう。英語がうまくない、ってのはとりあえず置いておくとしても、、
Japan Society for Gender Studies (JSGS) is the first academic society for gender studies and women's studies in Japan which accepts a male researcher as a member of the organization.
ええーっ、1997年にこの学会ができるまで、日本のジェンダー研究や女性学の学会は男の研究者をいれていなかったって~?私は97年より前に日本女性学会にはいっているけれど、男性研究者たちたくさんいたけどなー。事実と著しく異なることをここまで堂々と書くってのはどうかと思うが。
”Male members consists almost forty percents of the body now"と、日本語版が「女性対男性」としているのに対して、英語版は主語男性で、男性数値のみを提示。あくまでも「男」にこだわるようだ。
ついでだけど、 Global Forum on Women's Cluture Kyoto 2001ー"Culture" のスペルミスしてるな=iトップページなんだから気をつけたほうが、、)
と、日本語版と英語版がズレズレで、トップページからなかなかのぶっ飛びぶりなのだが、「マニフェスト」ってのをクリックしたら、これがまたすごい。
日本ジェンダー学会は千年紀の変わり目に「世界女性文化会議・京都2001」 を開催し、約千年前の日本の文化創造において、世界に類をみないほど優れた女性たちが登場する一方、 生産活動・経済活動においても女性の果たした役割が大きいことを検証しました。 また男性も女性の創造的な文化や生活文化に親しんできたことも明らかにしました。 これを私たちは、 日本の本来のジェンダーでありジェンダー観であると考えます。 ところが、 近世以降の武家政治の確立、 近代以降の帝国主義的な国民国家の形成によって、 男性支配の社会機構が構築され、 女性の社会的地位が著しく低下しました。
平安時代オタクが集う学会なんでしょうか、ここは。歴史観、あまりに単純すぎ。
「日本の本来のジェンダーでありジェンダー観」って何なんだ?日本本質主義者の集まりなのだろうか。
昨今の世界的な動向として、他民族の多様な価値意識を理解し共生を図ることを怠ることによって武力行使に及ぶ苛烈な紛争を招き、地球と人類の未来への危惧を抱かざるを得ないほどの状況にあると言えましょう。これらの行為は、一方の性に偏した意思決定機関によって招かれたものでもあります。
「一方の性に偏した意思決定機関」はそりゃマズいとは思うけれど、「世界的な動向」の原因、それだけじゃないと思うよ。。
女性の生物学的な不利を克服する社会的な環境整備は大きく進展しました。
う、うわっ。「女性の生物学的な不利」ときましたか。。
人類を構成する男女両性の人間として幸福な、尊厳ある暮らしを実現するには、男女両性が社会のあらゆる意思決定の場に平等に参画することが必要であるからです。そのことによってこそ、少子高齢社会の諸問題や環境問題の克服、平和の保持などが可能となると考えるからです。その前提として、社会的・文化的性(ジェンダー)に関する歴史的・比較文化論的な適確な認識を必要とします。
「的確な認識」ってのがこれなのか、、うーん。
ほかにもつっこみどころが満載で、とてもじゃないけど書ききれない。。
誰かが個人サイトやブログにこういうこと書くならいいけれど(それでもすごい内容ではあるけど)、学会としての「マニフェスト」がこれってのは、、、すごすぎだ。