ふぇみにすとの雑感

日々の雑感、テレビ、社会、フェミニズムについてなど。モンタナ発信。

オンライン授業やCOVID-19関連リソース

2020-04-06 01:03:00 | オンライン授業
今回の新型コロナウィルスのためのオンライン授業移行を受けて、いくつか私もwebinarを受けたりしました。自分用メモを兼ねて、いくつかの英語リソースへのリンクを貼っておきます。

アメリカ人類学会 (American Anthropological Association) COVID-19やオンライン授業関係の情報へのリンクがまとまっています。
COVID-19 Resources

Teaching COVID-19: An Anthropology Syllabus Project.

Anth101.com Adapting ANTH101 Challenges for Covid-19

American Sociological Association
COVID-19 Resources for Sociologists

アクセシビリティに関して

MAPPING TIMES "ACCESSIBLE TEACHING IN THE TIME OF COVID-19"

Guidelines for Creating Images Descriptions (helpful to make your online course accessible for student with visual disabilities)

ネットアクセスが困難など様々な問題を抱える学生のニーズに応えるために
Montana State University, "Accommodating Students"



インターネットのアクセス環境が良くない学生への対応

2020-04-01 00:11:00 | オンライン授業
今回のように急にオンライン授業に移行したという状況だと、最初からオンライン授業の場合のように、学生たちにネットへのアクセス確保を条件にして授業が始まったわけではないので、普段のオンライン授業よりも学生がネットへのアクセスが必ずしも良くないかもしれないということは念頭におく必要がある。家にWi-Fiがなくても、大学やカフェならアクセスできたわけだが、それも今は全て閉まっている状況だ。

また、モンタナ州は広大で山がちであり(ロッキー山脈ど真ん中)、人口が少ない過疎地も多い。田舎なので、携帯の電波がうまく入らない地域も多いのだ。COVID-19の影響で授業がオンラインになり、まだ街に残っている学生もいるが、多くは実家に帰っていった。だが実家でのネットアクセスが良いとは限らない。

そして、東海岸やアラスカ、ハワイに実家があり戻った学生、さらには外国人留学生で自分の国に戻った学生もいる。

さらに、突然引越しを強いられた学生、バイトを失った学生、そして家族がコロナウィルス などに罹患してしまった学生などもいるかもしれない。学生も大変な状況にある。

こうした状況について、どう対応したら良いかについて私の大学が文書を掲載した。

Accommodating Students

要点は以下のようなもの。

ー  同時間帯の配信という方法をとる場合でも、必ず同時ではない時間帯に学生がアクセスして勉強ができ、課題をこなせる環境も作ること。
ー  同時間帯配信は保存してあとでダウンロードして視聴できるようにすること。
ー  動画レクチャーなどもMP4ファイルでダウンロードできるようにすること。
ー 可能な場合は、ビデオレクチャーのオーディオファイルも準備すること。オーディオの方が、ネット回線のスピードが遅くてもダウンロードしやすいため。
ー  特定の時間帯、あるいはテクノロジーへのアクセスがない学生のために別の課題を準備しておくこと。
ー  仕事や育児、介護などを抱える学生もいるので、週末にも課題ができて、その後に提出できるように締め切り日を設定すること。


私は今学期は、同時間帯の配信形式は学生のネット接続へのアクセスや時間帯ががあまりに様々なのでやめ、学生がそれぞれ可能な時間にアクセスできる方式で授業を展開している。それでも、ネットアクセスが良くない環境の学生にとっては苦労が多いのではないかと思う。


オンライン授業2週目開始

2020-03-31 12:48:00 | オンライン授業
今日からオンライン授業も2週目に入る。授業全体からしたら11週目。

日曜に、オンライン授業1週目に出していた課題が、2つ教えている授業両方とも締め切り。LMS (私の大学はD2L Brightspace)に提出してもらった。

今週の授業は、Contemporary Japan授業の方はテーマが福島と原発

1)私がパワモgってTechsmith Relayで録画した13分ほどのレクチャー動画
2)youtubeにある福島についての動画
3)教科書の福島についてのチャプターを読む
4)課題になっているe-bookのいくつかのチャプターを読む(どれも短め)
5)最近の福島についてのオンラインのメディア記事を2、3読む

と、ここまでやってもらった後で
6)ディスカッションボードに、まず水曜深夜までに上記を見たり読んだりしたことに基づいて考えたことについてャXト。その後、日曜深夜までに最低2人の他の学生のャXトにレスをつける。(もちろんもっとレスつけても良い)

という流れ。今週は大きな課題はないので、これだけ。

もう一つAnthropological Theoryの方は

1) 課題の論文を3本読む
2) テーマについての要点や考えて欲しいことをパワモノ私がまとめたので、それを読んでもらう
3)火曜の深夜までに、ディスカッションボードに論文への反応についてそれぞれャXトしてもらう。
3)水曜までに、プレゼン担当の学生がPodcastかパワフでプレゼンを作るというので、それをLMSにアップしてもらう。また、他の学生に議論してもらいたいャCントも挙げてもらう。
4)学生たちは担当学生によるプレゼンを聞いたり見たりして、プレゼン担当学生が挙げた議論のためのテーマについて考える。そして、日曜までにディスカッションボードでレスをしたり、考察を追加したりして、議論を展開。

とこんな流れ。こちらも大きな課題は今週は出していない。

途中からオンラインになった今学期は、なんとなくすでに授業としての雰囲気とかやり方みたいなものが確立されている中なので、最初からオンラインでやるときに比べると議論とかがやりやすい面はある。何より学生たちに何度もあっていて対面授業をしてからなので、顔が浮かぶというのは大きい。オンラインだけの授業の時は、実際に会ったことがない学生たちが多く履修する状況なので、難しい面もあるから。

さて、今週はどうなることか。

授業以外に、モンタナもCOVID-19感染が増えてきて、州知事がstay-at-home orderを出し、土曜から大学の建物などは閉まり、なるべく家にいる状態になっている。とはいえ、食料品のスーパーとかはあいているし、そう不便ということもない。
金曜日に本などを取りに大学に行ってきたが、犬を散歩させている人をたまに見るくらいでほとんど人がいなくてゴーストタウン的雰囲気。これだけ人がいない大学キャンパスに来たのも初めてだったかも。








オンライン授業開始

2020-03-24 12:33:00 | オンライン授業
春休みが終わり、今日から授業再開。今日からのオンライン移行ということになる。

結局、私の授業はWebEx(私の大学はこれを使っている。Zoomと似たようなもの)を使ってのライブでの授業は全くやらないことにした。学生が様々なところにいて時差があることや、学生の生活パターンも学期が始まった時とは大きく変わっていることなどが大きい。また、WiFiが自宅になく、今やカフェも図書館もしまっていてWiFiにつなぐことができなかったり、携帯の電波がうまく入らない地域に住んでいるなどの場合もありうる。本来の授業時間帯にネットにつなぐことが困難だったり不可能だったりする学生もいることが予想されるため、学生それぞれが好きな時間に勉強できるasynchronousのスタイルにすることにした。

すでに春休みの期間から、ディスカッションボードでの議論を始めている学生もおり、それぞれのペースではあるが、興味深い議論も展開していくように思う。やはり現在のCOVID-19をめぐる状況については、学生たちも様々なことを考えているようだ。

学期の最初からオンラインでの授業という場合と違い、今回の学期途中の移行で一番対応に悩んだのが、毎週行っていた学生のプレゼンだった。2人のプレゼンをして、議論テーマも出してもらってディスカッションをする、ということをやってきたが、まだ順番が回ってきていなかった学生たちが残っていたのだ。これにはもしかしたらWebExを使った方が良いのではないかと思ったのだが、プレゼンをする学生本人たちに聞いたら、やはりライブだとアクセスが難しい状況の学生もいた。そこで学生たち自身にどういう方法が良いか聞いてみたところ、一つのグループは詳細なパワモ?チてLMSにアップし、そこに他の学生たちに議論してもらいたいテーマも入れ込むという方法、もう一つのグループは、プレゼンをPodcastにして、その録音ファイルをLMSにアップして、他の学生たちに聴いてもらうという方法がいい、と案を出してくれたので、学生たちが良いと思う方法でプレゼンをして良いということにした。それに基づく議論はディスカッションボードで行うことになる。

Podcastは、提出形式自由の課題の場合、近年ちらほらとその形式で提出してくる学生が出てきたなと思っていたところだ。確かに動画よりはファイルサイズも小さくやりやすいのかもしれない。

そんなこんなで、オンライン用にシラバスやLMSのサイトもちょっと手を入れて作り直して、今日から授業開始。すでにLMSは対面授業でも使ってきたので大きな変化という感じでもないのだが、ディスカッションボードでの議論にはより力を入れる必要があり、学生たちが何を書いてきてくれるのか楽しみでもある。

COVID-19と授業のオンライン移行

2020-03-16 02:42:00 | オンライン授業
久々のブログ更新。COVID-19が日本より少し遅れてアメリカにも本格的に広がり、一昨日モンタナでも感染事例が4件報告された。
モンタナ州立大学のシステム全体で、学期の残りの授業がオンラインに移行することに水曜夕方に決まった。そして、金曜日が対面での最後の授業。週末から、翌週の春休み期間にかけて、オンライン授業用に移行作業を行なっている。

「オンライン授業」と言うと、リアルタイムで、ZoomとかWebExなどのツールを使って授業をする、と言うのを想定する人が日本だと多いようで、アメリカでもオンラインで教えたことがない人たちはそれをやるのかと思ったケースがかなりある感じだ。だが、実際、オンライン授業は多くの場合、同時に教員や学生がオンラインで、動画配信ベースの授業をするのではなく、asynchronous、つまり学生がそれぞれ都合の良い時間にオンラインになって、自分のペースで学習できるスタイルをとることが多い。なぜかと言えば、学生の都合や時差などがあり、同時にオンラインになることが難しいこと(学生数が多ければ多いほど困難になるだろう)、また、学生のネット環境は様々なので、全ての学生がハイスピードのWiFi接続環境があるとは限らないこと、などがあるからだ。

オンラインで授業をしたことがない教員はアメリカにもたくさんいると思うので、特に今回のようにいきなり「オンライン授業」への移行を言われて慌ててパニクってる教員もいるだろう。また、学生もオンライン授業をとったことがない場合も多い。今回はそもそもオンライン授業を履修するつもりで学生も登録したわけでもないので、かなり特殊状況で大変ではある。

それでも、急遽オンライン移行と言われて、なんとか移行が成り立つ背景として、アメリカの大学ではLMS (Learning Management System)、例えばMoodle, Blackboard, D2L Brightspace(私の大学はこれ)などを使ってきた教員が多いからだと思う。教員によってどのような使い方をしてきたかには違いはかなりあると思うが、全くLMSを使わずに授業を行うのは昨今は珍しくなりつつあるのではないか、というのが私の実感。オンライン授業は、基本的にLMSを主に使って進行していくので、普段LMSを使っているかどうかで、移行のしやすさにかなり影響が出るのではないか。

LMSには、論文、記事やビデオへのリンク(図書館経由で教材用映画のストリーミングのサービスを使えるのでそれへのリンクを貼るなど)など教材をャXトしたり、短いレクチャー動画を使う場合はそれをャXトしたり、また、ディスカッションボードの機能を使ってそこで議論をしたりするのに使う。また、学生が課題を提出するのも、試験もオンラインでLMSを使って行うことができる。

教員が自らレクチャーをする場合も、長時間のレクチャー動画を必ず学生が見ると考えるのは非現実的でもあり、そもそもネットへのアクセス環境がよくない学生もいるので、レクチャー動画を録画するときには10分程度を目安にするように、というのは、私が今までオンラインティーチングのワークショップなどを受けてきた中で、何度も言われたことだ。長い動画を1本よりは、10分のを数本ャXトしたほうが見やすい。さらに動画があまりたくさんあっても見なくなっていくもので、数も限定する必要があるだろうと思う。
レクチャーのキャプチャには私の大学はTechsmith Relayというのを使っている。パワモゥせながらレクチャーできるし、慣れれば結構楽に使える。

そんな感じで、オンライン授業は授業用のLMSのコースサイトの作り方がかなりャCントになってくるので、それを春休みの一週間でなんとか仕上げる予定。