ふぇみにすとの雑感

日々の雑感、テレビ、社会、フェミニズムについてなど。モンタナ発信。

ボーズマン被爆者証言集会の動画公開開始

2008-09-28 10:41:35 | 原爆・核・原発問題
プロジェクトのサイト Hiroshima-Nagasaki Atomic Bomb Commemorative Experienceにて、9月13日にボーズマンパブリックライブラリーでおこなわれた、被爆者の笹森恵子さんと、広島の平和記念資料館の理事長のスティーブ・リーパーさんによるトークイベントの動画と音声ファイルの公開がはじまりました。(英語です)

サイトの笹森さんの写真でわかるように、すごくライブリー、かつ原爆の経験や記憶の話でありながら、未来にむけてのャWティブなパワーにもあふれたトークですので(笹森さんのパーソナリティはすごい!)、ぜひぜひご覧ください。観客との質疑応答部分も興味深いのではないかと思います。




被爆者証言トークへの批判の新聞コラムがでた

2008-09-27 09:46:29 | 原爆・核・原発問題
今日付けの坊主マンローカル新聞、Bozeman Chronicleに被爆者の笹森さんと平和記念資料館のリーパー理事長を招き行った坊主マンの小学校でのトークイベントに関して、非難する内容のコラムが今日でた。この小学校の親が文句いってきたというのは聞いていたので、新聞に何かレターがくるというのは覚悟はしていたが、コラムできたか。

朝学校にいったら、学部長が通りかかって「新聞に批判コラムのどーしよーもないのがでた。なんか電話問い合わせなどがあったら、大学の広報に連絡しろといって答える必要ないから。下らなすぎるから、まともに対応する必要すらない。スルーしていいよ」みたいなことを言われた。「大学は教員を守るから」とも。ひええ、なんか大事になってるのか?と思い、その記事をもってるか聞いてみたら、スタッフがもっているという。スタッフのところに早速いって、記事があるかきいてみたら、印刷されたバージョンがあったので、早速コピー活動。
コピー最中に読んでみたら、なんとまあ香ばしい内容なので、これは午後の授業で議論のネタにしようと、20部ほどついでにコピーをとった。

Bozeman Chronicleのサイトにオンライン版としてコラムがのっているかと思いきや、どうやらオンライン版は会員用の有料モノだったようだ。というわけで直リンクがはれないのが残念なのだが、内容的には小学校は政治的な陰謀に巻き込まれ、とんでもないトークをさせられて、後処理に苦労しているみたいなこと。「とんでもないトーク」というのは、もちろん被爆体験についてだ。ついでにこのコラムニストはこのトークに来た訳でもないのに、トーク内容について決めつけに基づいて書いている。子どもたちはけっこう盛り上がっていたらしいのだがなあ。詳しい内容は別エントリで紹介しようかな。

そうこうしているうちに、メールでもって学部教員全員に、何か問い合わせがきたら広報に聞け、と対応するように、という指令メールがきていた。で、印刷版をDeanがみたいということで、コピーを一部渡したりした。

このコラムニストは何者?と聞いたら、タマラ・ホールという人で、しょっちゅうローカル新聞にコラムを書く、悪名高いガチガチ共和党のキリスト教原理主義者みたいな人らしい。「ああ、また出た」って印象の人ということだった。

午後の授業で、そのコラムを印刷したものを渡して学生に読んでもらったら、あきれはてている学生、下らなすぎと切って捨てている学生、なんだこれはと怒りをストレートに表明する学生など、、いろいろ。でも(表明していた学生たちの)反応はまともだった。

結局、今日一日オフィスへの文句とか取材電話は一切なかった。そして、別の小学校の教員で、パブリックライブラリーでやった集会にきたという人と、折り鶴をいっしょうけんめい彼女の生徒が折っていて、10月には千羽つくるから!とかいう気合のはいった電話での会話をしたり、大学の学生たちが数人オフィスにきて、「広島のイベントをやってくれてありがとう」といい、Thank you カードと、商品券30ドルぶんをくれたりした。これはうれしかった。

ある意味、リベラル大都市圏ではありえないくらい、被爆者の証言というイベントを素直に受け取って、感動を表して、感謝もしてくれた人たちがいる反面、感情的な反発もある。アメリカの保守的田舎町、けっこうすごいかも。そして、ぜひ、この保守派コラムニスト(運動家らしい)のタマラ・ホールさんとやら、そのうち取材させていただきたいものだと思った。

アジア研究学会パネルプロメ[ザルが通った

2008-09-25 08:56:43 | フェミニズム
来年3月下旬にシカゴで開催される、アジア研究学会のプロメ[ザルが通ったとわかった。内容的には、こんな充実しているのに通らなかったらどうしてくれよう、、っていうものだと思うのだけれど、さてアメリカのアジア研究学会の人たちにの充実ぶりが伝わるかどうかとちょっと不安だったのだが、通って一安心。

で、このパネルだが、"Gender-free Backlash on the Internet and Beyond: National Politics and Feminism in the 21st Century Japan" というタイトルで、ジェンダーフリー論争とインターネットというテーマに正面から取り組む予定。パネリストはシカゴ大学で卒論をジェンフリネタで書いたローレン・コーカーさんと、荻上チキさん、小山エミさん、斉藤正美さんと私。「ジェンダーフリー論争」というテーマで、これ以上のメンバーないでしょ?っていう面子を揃えてみたつもり。

ディスカッサントはちょっと意表をついているように思えるかもしれないけれど、シカゴ大学教授の山口一男さんにお願いした。ジェンダーフリー論争とネット、という側面を把握していながら、国の男女共同参画やワークライフバランス政策にも関わっていらっしゃるので、パネル組んで議論したらかなり興味深いのではないかと思う。日本でやっても面白いと思うのだけれど、これをアメリカであえてやって、どういう反応がくるか楽しみでもある。

これより前、11月には、サンフランシスコで開催されるアメリカ人類学会のほうで、日本の保守主義というテーマで、パネルを組んでいる。こちらには、日本からは川口遼さんにご参加いただけることとなった。ほかのパネリストにはナサニエル・スミスさんとアンドレア・アライさんと私。そして、パネルのチェアには米山リサさん、ディスカッサントにデイビッド・レヒーニーさんの予定。こちらも楽しみ。

これらのアメリカからの学会報告も、ブログなどでしていこうと思う。





原爆展@坊主マンへの反応もろもろ

2008-09-22 06:03:20 | 原爆・核・原発問題
原爆展も、坊主マン公共図書館から大学図書館にようやく引っ越し、一段落である。しかし映画シリーズ(核問題映画をこれでもか、これでもかと上映すること10月末まで続ける)もあるし、大学内の展示も始まったばかり。今後どういう展開があるかといったところ。

保守的な土地柄もあって、この企画に対して抗議がくることはある程度覚悟はしていた。昨年、この大学で一年間教えた経験からいえば、たとえばジェンダーやセクシュアリティ問題などより、戦争問題のほうがよほど「タブー」なトピックだとひしひしと感じていたからだ。軍隊や戦争問題だと「他人事」ではすまないという状況だからかというように思う。たとえばこれはシカゴ大学とは逆であり、シカゴはジェンダー、セクシュアリティ関連のほうが、戦争問題より話しづらい(といっても、モンタナにくらべればたかがしれてはいるが)環境だったと思う。というのは、シカゴ大学のようなエリート大学の場合、実際に軍にはいっている人たちが自分の身近にいる可能性が、皆無とはいわないが、かなり低いからだ。だからある意味、「戦争反対」「軍隊反対」的なコメントをしても「安全」な環境でもある。(反面、大学スタッフや地元コミュニティの人たちにとっては身近な問題だったのだが、学生や教員には一般的に遠い問題という位置づけだった。)だが、今いる坊主マンの場合は違う。まわりの人たちでも、そして学生たちも軍の奨学金をうけていたり、現役で軍で働いている場合もあるのだ。それに加えて、保守的な土地柄がある。

今のところ、受けた主な抗議は2件。電話でいきなりきた抗議と、被爆者の方と平和記念資料館の館長さんがいらしたときに、トークセッションをひらいた小学校の親からの抗議である。小学校の子どもたちも教員たちも、トークをひじょうに喜んでくれていたのだが、後日親から抗議があったらしかった。とはいえ、私のところにまでは直接その抗議がきたわけではない。(新聞投書などその親がしてくる可能性はまだあるが、、)

そのほかに、『ヒロシマ・ナガサキ』の映画上映の後で「でも原爆を落としたという決定は正しかった。アメリカ人の命を多く救ったからだ」というコメントをしていた、年輩の男性がいた。このコメントには、私の同僚(アメリカ人)が「アメリカ人の命と、日本人の命の区別をする、という考え方がおかしい」とすぐさま批判してくれたのだった。

ほか、授業で学生からきいたコメントの中に興味深いものがあった。ひとりの学生は、「授業関係でこんなイベントがあった」と、被爆者の証言集会や原爆展のことを家に帰って、学生のおばあさんに言ったらしい。そのおばあさんは、学生いわく、編み物やキルトをいつもやっているような、絵にかいたような「非政治的」なおばあさんなのだそうだ。しかしながら、原爆の話がでたとたん、「あれはアメリカが正しかったんだ!」と、突然感情的になって言ってきて、学生は驚いてしまったのだそうだ。「おばあちゃんと喧嘩になるかと思った、、びっくりした」といっていた。学生の祖父母世代的なものなのか何なのか、、と考えてしまったそうだ。もう一人の学生は、「授業で今こんなことをやっていて、、」とまわりのアメリカ人に話すと、やはりたいていの場合「あれはアメリカが正しかった」という反応がくるのだと言っていた。だが、アメリカが被爆者たちに対して(自国民も含め)何の補償も医療補助もしていないのだ、と説明すると「それはおかしい」と言いだす人も多いのだという。また、「いろいろ授業で読んだり、実際に被爆者の方に会ってトークをきいたり、映画をみたりしたけれど、それでもまだなぜか「遠く」感じてしまう面がある」と正直な感想をいってきた学生もいた。そのコメントについて、なぜ自分たちが「遠く」感じてしまうのかと、また考えさせられたほかの学生もいたようだった。

被爆者の笹森さん、平和記念資料館のリーパー理事長ともに、過去よりも現在、そしてとくに「未来」に焦点を当てた話をしていた。そうすることで、ひどく感情的な反応を示しがちなアメリカ人の関心を、歴史解釈のディベートから、「今、核兵器をなくすために、私たちに何ができるか」という点にもっていくことが有効だと経験から学んだのだと言っていた。

証言集会自体は、かなり意味がある刺激を坊主マン市民に与えたようで、「知らないことをたくさん学べた」「すばらしかった」「具体的に何ができるのか、どうしていこうか考えている」といった反応をたくさんもらった。市民から私のオフィスに、ペティションについて問い合わせ電話がかかってきたり、折り鶴が送られてきたりもしている。そして、私が個人的に一番印象に残ったのが、軍にはいっている学生(今週からハリケーンの救援活動にいくらしい)が、いろいろ深く考えさせられたというコメントをしてくれたことだ。「ヒロシマ・ナガサキ」の映画に深く感銘し、「これは高校生など若い人たちに必ず見せるべき映画だ」とまで言っていて、リーパー理事長と個人的に会話をする機会があったことで、すごく深く考えさせられているということだった。もちろん、この学生にとってきつい題材だっただろうし、自分の中でいろいろ混乱している面もあり、クリアなわけではない、、ということだったけれど、だからこそ真摯な「思い」が伝わってきた。それだけで、この企画をやってよかったと思った。


モンタナ州知事のスピーチ

2008-09-19 07:41:10 | 日々の出来事、雑感
たまたま図書館にャXター貼付けの件で行ったときに、図書館前の広場で大学の民主党支部による、オバマ支持キックオフラリーなるものをやっており、ちょうどよいタイミングで私が図書館から出てきたときにモンタナ州知事の演説が始まったところだった。そこで、立ち止まって聞いてみた。

「投票しよう!」という呼びかけが主だったのだが(アメリカの若者投票率低いからなー)、やたらとエネルギー政策と環境問題に力をいれた内容。モンタナだからなのか、工学部、農学部が強い大学だからなのか。一番最後におまけのように、健康保険について触れたのと、エネルギー政策のついでみたいにイラクについて触れていた。州知事はこの大学出身らしいが、ここに来る前にモンタナ大学があり、のりさんさんが住むミズーラに行ってきたといったら、ブーイングを浴びていた。(坊主マンでは、「ミズーラ」という言葉が出るだけでブーイングがでるようだ、ということをここ数日間でようやく学んだ。わけわからんライバル意識が強いらしい。)

最後のほうで、とにかく投票のために登録しよう!という呼びかけの中で、「マケインに投票しようと思っている人も、、」といって、いちおう民主党のラリーなのに拍手して叫ぶ人がでていて、さすが坊主マン、、と思ったら、、。次には「ロン・メ[ルに投票したい人も!」とか州知事が言って、マケインのときと同じくらいの拍手と叫び声。さすがモンタナ、すごすぎる。この期に及んでも、ロン・メ[ル人気こんなにすごいとは!そういえば先日、「ロン・メ[ル支持者」という人にもまた会ってしまったし、、

民主党ラリーなので、最後に「オバマに投票したい人も!』といったら、まあ当然ながら拍手も叫び声も大きかったけれど(投票できない私も盛大に拍手してしまったしな)、とにかく一番モンタナらしかったのが、マケインーオバマの間にロン・メ[ルがはいってしまっていることだった。他の地域ではこの展開、あまりなさそうだよな。