ふぇみにすとの雑感

日々の雑感、テレビ、社会、フェミニズムについてなど。モンタナ発信。

大学でのオンライン授業

2012-01-02 18:49:00 | 大学関係
私の今の大学では、今まで大学院(とくに修士レベル)はオンラインの学位を出し始めていたようだが、学部はまだまだ。だが、どうやら昨今のアメリカの大学では、オンラインのコースを増やすと儲かるということになっているらしい。とくにペンシルバニア州立大学は、オンラインで学位を出すことに積極的で相当儲けているという噂。そんなこんなで、私の大学でももっとオンラインのコースを増やすようにという方向になってきている。

儲け主義はどうかとも思うのだが、オンラインで授業を教えるということ自体には興味がある。せっかく大学が奨励してサメ[トもしてくれるようなので、来年あたり挑戦しようかと思い始め、この冬休みからオンラインティーチングのサメ[ト担当者に会い、情報収集を始めたところ。

オンラインで授業を教えると、モンタナ州のように面積が広くしかも田舎が大部分という州においては、高等教育にアクセスをもちづらかった地域に住む人たち、家族を抱え仕事をもっている人たちで、週に2≠R度大学に通うのが難しい状況の人たち、そして身体に障害があるなどで、移動が困難な人たちでも大学のコースをとれるという利点がある。サメ[ト担当者によれば、おそらくオンラインでコースをとる人たちの平均年齢は3≠S0代くらいだと思われ、何らかの事情で大学を中退せざるをえなかったり、大学に行かれなかったりしたが、仕事上でもステップアップを目指すなどの理由で大学での学位をとりたい層が多いという。キャンパスで授業をとる学生よりも真面目に勉強することが多いと思う、とのこと。

最初のオンラインでのコースは、人数を15-20人くらいにおさえたほうがいいといわれた。LMS(Learning Management System: Moodle, Desire 2 Learn, Blackboardなど)上での掲示板機能などを使ってのディスカッショんがかなり重要でもあり、さらにはオンラインの場合はキャンパスでの授業にもまして、頻繁なフィードバックが必要だという。そのためには、人数が多過ぎると難しいからだということだった。これを聞いて正直ほっとした。オンライン=人数が多い、という印象を私はもっていたからだ。

さらに、オンラインの授業という言葉でイメージする、ビデオ授業的なものは、とくに行う必要はないという。逆にインターネットのストリーミングを使うと、学生のネット環境に著しくアクセスが影響されてしまうので、それはむいていない。何らかのビデオやオーディオでのレクチャー的なものが必要な場合でも、せいぜい10?5分程度のもので十分(それすらとくにしなくてもかまわない)。50分のレクチャーなどは全く必要ないし、逆にやらないほうがいいということだった。これも英語のネイティブスピーカーではない私にとっては安心材料。

結局、いかにLMSのインタラクティブな機能をうまく使い、オンラインですでにある情報ソースをうまくひっぱり、授業をつくっていかれるかなのかなという印象を今のところもっている。LMSについては私は今までも授業で使っては来たので、機能などについてはほぼわかっているし使える状態。ネットでのやりとりや発信にもそれなりに慣れてもいるし、思ったよりは大変ではないのかもしれないと思った。逆にLMSを使う授業をした事がない人、個人としてもネット上での発信をしたことがない人などにとってはハードルが高いのだろうとも思う。

教科書については、学生が登録をする際にかかるコストがわかるように、掲示する必要があるとのこと。学生はAmazonなど好きなところからそれらのテキストを購入するそうだ。映画については、近隣ビデオ屋やNetflixで手に入れられるものについては、requiredということでその情報をやはり掲示すればいいとのこと。ただ、近隣で手にはいらないようなマイナーな作品などを、著作権問題をクリアして使う方法があるのかについては、現在問い合わせ中。
ラボがあるオンラインのクラスなどでは、実験道具などの郵送貸し出しを行ったりはしているらしい。

ぼちぼちオンラインのティーチングについて情報収集をして、ブログにも書いていこうかと思っている。目標は来年秋学期に1クラスオンラインにすること。それが難しそうだったら春学期。さてどうなるか。