ふぇみにすとの雑感

日々の雑感、テレビ、社会、フェミニズムについてなど。モンタナ発信。

Ann ArborのShakey Jake

2007-12-17 09:32:19 | 音楽
私が院生時代に、長年過ごしたミシガン州アナーバー。その街の名物だった人物のひとりに、通称"Shakey Jake"というおじさんがいた。アナーバーの「伝説」だった彼は、不思議な服をきて、あまりうまいとはいえないギターと歌(らしきもの)を路上で歌ったり、近所のカフェで時間を過ごしたりしていた。私が院を卒業する頃には、あまり路上で歌う姿は頻繁には見なくなっていたが、それでも時々カフェで見かけたりしていた。

そんなShakey Jakeが、9月に亡くなっていたということを、今日ネットで知った。(たぶん今頃、、という感じなのだろうが、ミシガンとモンタナは遠い。。)

数回、一言レベル会話をかわしたことはあったような気がするけれど、「知り合い」というにはあまりに知らなすぎるShakey Jake。でも一時期は毎日のように姿をみかけていたし、アナーバーに行けばずっといるような気がしていた。亡くなったときき、なんだか寂しいものを感じる。

Ann Arbor Newsの記事

arborwikiの記事。

youtubeのビデオ。ひどく懐かしい。(今はすでにつぶれてしまってなくなった店もうつっている。)



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Checkerboard Lounge

2007-06-24 01:33:13 | 音楽
昨晩は、家から徒歩3分くらいのところにある、Dixie Kitchenというcajun系レストランに行き、その後Checkerboard Loungeというブルースバーへ行ってきた。来客があると時折行ったこのブルースバーも、引っ越すと行かれなくなるのか。。見かけはまったくミュージシャンに見えない感じだった人たちがステージにあがり、演奏はじめると実はとんでもなくうまかったり。バンドで唯一の白人だった、太ったお兄ちゃん(実はかなり若いのかも)、演奏開始前はブルースとあまりにほど遠い、イリノイの田舎地区の白人青年的な雰囲気に思えたのだが、始まってみるとギターもうまいし、歌わせてもかなり渋い声でびっくり(人は見かけで判断してはいけないな)。ほかののバンドメンバーもかなりのエンターテイナーぶりで、ボーカルもパワフルだったし、とても楽しめた。

このCheckerboard Lounge、かなり著名で歴史的なブルースバーで、私がシカゴにうつって2年目頃にオープンした。以前はBronzevilleという、やはりシカゴ南部地域にあり、そこから引っ越してきたのだ。今の店は、家からとても近いので、私個人的には便利なのだが、この引っ越しをめぐって様々な議論があったらしい。以前あった場所は歴史的にも重要であるばかりか、地域自体も貧しく厳しい状況におかれている。だが、シカゴ大学が大学から近い現在の地域にこの著名店を移させる目的で、場所の賃料を通常より大幅に安く提供したのだそうだ。(シカゴ大学はハイドパーク地域の不動産を多く所有しているらしい。)
http://maroon.uchicago.edu/news/articles/2004/01/13/neighborhood_activis.php

同じシカゴのサウスサイドでも、大学のあるハイドパークは中流地域、それを取り囲むほとんどの地域は貧しい地域だ。文化的リソースがハイドパークに集中し、ほかの地域から奪われて行くことの問題、シカゴ大学の過去の人種差別的だったり、地元コミュニティを切り離そうとするような立場にたってきた歴史、それでもサウスサイドに位置するハイドパークに引っ越させることで、とりあえずこのブルースバーがサウスサイドに残るからいいのだという立場など、様々な意見があり、難しい問題だ。

でも結局、このブルースバーはハイドパークにオープンし、2年が過ぎた。何度か行っているけれど、以前いったときは、大学生のフラタ二ティー、ソロリティー軍団みたいにみえる、若い白人客が大量に来ているときがあった。バンドの真正面に集団で陣取った彼らは、音楽を聞きにきているというより、飲んで友達と騒ぎにきているという感じ。かなり興ざめで、演奏している人たちもこういうお客さん相手に演奏したいのではないんだろうな、、と思えるものがあった。これはハイドパークに越してきたことによるマイナス面なのかと考えさせられた。昨日は地元のアフリカンアメリカンの常連客が多かった感じだ。大学院生と思われるグループもいたが、明らかに違う雰囲気を醸し出していた。(私と私の友人も、違う雰囲気だったのだと思うが、、)私としては、今までブルースなんてほとんど聞いたことなかったが、Checkerboardがハイドパークに越してきてくれたことで、触れ親しむことができてよかったのだが、、難しい問題だ。演奏者側の立場からの意見など聞いてみたい気がする。

しかしながら、こういう文化は、今度の引っ越し先の坊主マンにはまったくないと思われるので、寂しいものがある。音楽はカントリーとかになってしまうのだろうか。バンジョーでも習うべきか、、?

先日の坊主マン滞在では、久々に白人だらけの中にぽつねんといるマイノリティで外人の自分、みたいなものを意識させられ、妙にセルフコンシャスになったりした。これは、マイノリティのコミュニティであるハイドパークでは、あまり意識してこなかった感覚で、以前のアナーバーにいた頃時々感じていたものが戻ってきた感じがした。そして、坊主マンはアナーバー以上に白人社会度が高いと思われる。かなりのカルチャーショックがありそうな予感。

CSOの第九

2007-06-22 13:43:41 | 音楽
今日は、今シーズン最後のシカゴ交響楽団の演目である、ブロムシュテット指揮のベートーベンの第九を聞きに行ってきた。木曜から日曜まで四日間あるのだが、全日売り切れ状態である。売れ行きがずいぶんよかったので、思い切って一番安かった木曜日のlower balcony席を買ってしまったのが、買ってよかった。。
さすがシーズン最後だけあって、CSOはほぼ一軍。なぜかほとんどいつも出ていた、ファゴットの首席奏者が今日はいなかったが、、。金管はいつもながらさすがで、相変わらずオーボエ、フルートなどうまい。第九は低弦がけっこう目立つ曲だが、よかったな=Bそれに比べて第一バイオリンがちょっと目立たない感じで、音量的にも弱い気がしないでもなかったが、、指揮者の指示なのか、今日はセカンドバイオリンが外側で、チェロが真ん中にはいる配置だった。
最後、ホルンの首席ではない人(でも目立つフレーズを吹いた人)を、ブロムシュテットがオケの中で最初に立たせたのは、なかなか粋だった。

あと、コーラスがとてもよかったな。ソロは、バリトンの声量がかなりあって、この歌手は一人なんだかノリノリという感じだった。先日のレクイエムはソプラノが声量があったが、今日は逆でバリトンが一番目立っていたような気がする。

ああ、これでシカゴ滞在中に聞ける、CSOのシーズン演奏も最後かと思うと寂しいものが、、これだけコンサート行きまくると、演奏している人たちが知らない人たちながら、顔も何度も見て、演奏も何度も聴いたことがあるという状況なので、自分の友達みたいな気分に陥ってくるな。またシカゴに来たら、旧友を訪問するような気分で、CSOを聴きにこよう。

これからは坊主マンシンフォニーか、、ううう、シカゴと比べてなんか悲しすぎる。それでも、地元オーケストラをサメ[トするのも重要なのだろうし、たまには聴きに行くべきなのかもな。。

CSOのブラームスプロ

2007-06-03 14:06:05 | 音楽
今日は、シカゴ響のチョン・ミョンフン指揮、オールブラームスプロを聴きにいった。レーピンのバイオリンによる、バイオリンコンチェルトと、交響曲第一番という演目である。このプログラム、大人気で、完全売り切れ状態。シカゴ交響楽団のメンバーも一軍がでてきた。

レーピンは音色も響いていたし、テクニックもすごいなあと思いながら聴いていた。そしてブラ1。木管うますぎ。とくにオーボエの首席のユージン・イツォトフさんは、コンチェルトでもブラ1でも大活躍だったが、ものすごくうまかった。ブラームスというのは、弦楽器にとって一番弾いていて楽しい、といわれるが、まさにそのままに、弦楽器が今日はかなり気合いはいってるなーと感じた。オーケストラ全体としては、ブラ1のほうが気合いはいってよかった気が、、ミョンフンの指揮とあいまってか、ある意味ブラームスっぽく、すごくネチネチした(?)くどさ満載の演奏ではあったが、これは弦楽器奏者にとって楽しかっただろうなー。

シカゴで行かれるコンサートも残り少なくなってしまった。以前いたミシガン州アナーバーにも、けっこう世界の有名オケがきていたが、地元にあるレベルの高いオケの演奏をずっと聴き続けられることの楽しさを、シカゴで実感した気がする。

2晩連続コンサート

2007-05-17 12:49:09 | 音楽
昨晩、今晩と、2日連続でコンサートに行ってきた。昨日はハイティンク&CSOのブルックナーの7番、今日はエッシェンバッハ指揮のフィラデルフィア管弦楽団によるチャイコ5番。実は今週は忙しいのだが、無理して行ってしまった。

昨日はテラスのバイオリン側の席で、管楽器がすごくよく見える席だった。実は音もそう悪くなく、いいほうの席かもしれない。しかし今日は、上部にどーんと屋根があるアッパーバルコニーのいちばん後ろの席。うう、せっかくのチャイコの5番なのだから(私が最も好きな曲のひとつ)ケチって10ドルチケットにせず、もっといいチケットとればよかったのか。。ということで、座席が違いすぎたため、音質もかなり違ってしまった気がする。

そういう事情もあってか、どちらかといえば私は昨日のCSOブルックナーのほうがよかった気がする。金管が目立つ曲だからかなー。ワグナーチューバが4本もはいっている曲なんてなかなか聴く機会もなく、よく見える席だったこともあって、注目してしまった。

フィラデルフィアは、個人的にはティンパニ奏者おじさんの演奏の格好よさに注目。あと、チューバ奏者が女性だったのは珍しいなと思った。エッシェンバッハって、楽章の間の休みを全然とらない人なのね。

しかし、いろいろなオーケストラが来るけれど、どうしてもいつも聴いているシカゴと比べてしまう傾向が、、贅沢なことなのだよね。。