ふぇみにすとの雑感

日々の雑感、テレビ、社会、フェミニズムについてなど。モンタナ発信。

Stuck in Seattle

2009-12-22 13:27:00 | 日々の出来事、雑感
今朝は3時起き、4時半に家を出て、坊主マン空港へ。朝一番のデンバー行きの飛行機に乗るためだ。出発が6時の飛行機で、空港までいちおう30分はみておいたほうがいいので、こういう時間になる。

スタンドバイ切符ということは、毎便自分が乗れるのかどうかがわからない状態が続くということだ。とくに坊主マンからは経由が2回もあるので、計3回も、乗れるか乗れないかドキドキするということになる。いや、3回ですめばいいが、乗れないことが続くと、何度も何度もどきどきしては、ああやっぱり乗れなかった、、の繰り返しになることもありうる。(実際、過去には何回もそういうことがあった。)

とんでもない早朝の飛行機にしては、ゲートに人がけっこういるなあ、と思ったら、、しょっぱなからその飛行機は満員になってしまい、乗れなかったのだった。しかも運が悪いことに、次の便に乗るはずだった女性がひとり、急遽前の便のスタンドバイということにして、その人に最後の席をとられてしまった。まあ、その人は普通の値段払ってチケット買ったのだろうから、優先されるのは仕方ないことではあるのだが、、なんて運が悪いのかしら。航空会社のひとが、「東京に今日中に行くのは難しいかも、、」と申し訳なさげに言ってきたので「ああ、それはこの最初の便がダメだった時点で、覚悟してるから大丈夫。どこか途中地で泊まるから」と答える。「そうか、じゃあちょっと待ってね、状況調べてみるから」ということで、再度調べてもらう。結局、坊主マン発の次の便は乗れるという事で、その場合、予定どおりに東京行きのシアトル発便に乗れる可能性はゼロではないが、コネクションはかなりきついとのこと。でもまったく無理とはいえないので、やってみる?と聞かれたので「じゃあやってみます」ということになった。

まあしかし、次の便はそんなに都合よく早めにはつかず、結局コネクションには間に合わなかった。デンバー空港のひとに聞いたら、次のシアトル便はオーバーブック状態だという。まあでも、デンバーからシアトルまでは数本でてるから、どれかにのって、今晩中にシアトルにつけば万々歳だろう、と考えることにした。で、ご飯食べたりして次のシアトル便のゲートに戻り、待っていたら、最後の最後になって、なんと乗れることになってしまった。何度もコールされた人が、結局こなかったため、私がかわりに乗れることになったみたいだ。たぶん、コールされた人、乗り換え間に合わなかった人なのかもしれない。

というわけで、シアトルに来て、今晩は空港ホテルに一泊ということに。しかしこのホテル、悪くはないがかなり古いまま、改装をたいしてせずに使っているとみえ、天井とかアスベスト疑惑がある気がしないでもない。まあ仕方ないな。夕食は、この近所は空港とほかのエアメ[トホテル以外何もなさそうなので、ホテル内のおいしくなさそうなコーヒーショップですませた。グラスワインも頼み、ようやくちょっとリラックス気分。

しかし、私の便ならず、東海岸が天候のせいでめちゃくちゃになっていること、東ではなくても、ところどころ悪天候の地域があるらしいこと、そういったせいで、旅客機の到着が遅れたり、キャンセルになるなどして、他の地域にも影響がでていること、などがあり、とにかく空港のカスタマーサービスが混んでいること!皆さん、自分が乗るはずの飛行機がキャンセルされたり、盛大に遅延したためコネクションが間に合わなかったりという理由で、次の方法を探していた。だが、運悪くもクリスマスシーズン。この後2≠R日の飛行機はどれも満員というのが多く、とくにデンバーからワシントンDCに行くのは、今週中はひじょうに厳しいということだった。そして、シアトルについてみたら、今度はシアトルからデンバーへの便が盛大に遅延して出発する予定のため、コネクションが間に合わなくなる人たちが盛大に行列をつくっていた。その中にまぎれる私、という構図だったのだが、とにかく行列で並んだ時間が長く、それで疲れた。しかし考えてみたら、去年(このときは飛行機チケットちゃんと買ったのに!)も私は似たような目にあっており、デンバーに泊まったんだよな。

しかし、もとはといえば天候というどうしようもない理由でこうなっているのに、めげずに盛大に航空会社の社員さんたちに文句言い続ける客がけっこういるんだよな。しかも、その後ろには長大な行列ができているというのに。文句言うにしても、そもそも天候だからどうにもならない理由だし、それに自分の後ろで待っているたくさんの人たちのことを考え、せめて簡潔にいってほしいものだ、と思った。ひとり、女性が、「このせいでDCで行われるミーティングにいかれなくなった。どうしてくれるんだ!』と燃えてずいぶん長時間文句いっていたが、この人は、飛行機代はフルに払い戻すといわれているのに、それでは満足いかないらしい。「ミーティングに出られなかったことに対する損害」といいたいようだが、そんなこと言われてもねえ、と第三者の私でさえ思う状態。仕方ないじゃん、としか言えない。

このほか、シアトル空港内で荷物が所在不明になって、探してもらい、それをもってきてもらうのに時間がかかったりということもあった。まあそれでも、なんとかシアトルまでたどりついただけ、ラッキーだとは思う。明日、シアトルから東京便に乗れるかどうか、またまたスリル満点な状態となりそうだ。

白人至上主義団体の出没が引き起す「恐れ」

2009-12-19 22:35:00 | 坊主マン
10月のはじめ頃の日曜日、坊主マンの裁判所の前をクルマで通りかかったところ、ネオナチかKKKか、という怪しい雰囲気の人たちのグループが、デモンストレーションをしていた。クルマだったのであまり注意を払えなかったのだが、顔には覆面をしている人たちが多く、もっていた旗がいかにもネオナチとかKKKを彷彿とさせる雰囲気で怪しかった。保守的な坊主マンで、ウヨク団体が頑張っちゃってるのかなあと思ったりしたのだが、、

翌日の地元紙Bozeman Daily Chronicleの記事に、このデモのことが載っていた。そして、雰囲気そのままで、これが白人至上主義団体だったということがわかった。また、このサイトに、デモの様子の写真が掲載されている。なんとなく雰囲気はわかると思う。

このグループは、Montana Creativity Movementという白人至上主義団体だった。デモの翌日、学校にいってみると、学生たちも話題にしていた。「昨日のデモみた?」「みたみた、何あれ?」「え、知らない。何のこと?」「なんか白人至上主義団体らしいよ」「先日から、ビラとか配ったりしているらしい」「街のあちこちに落書きもされているようだ」「政治的にリベラルな内容のバンパーステッカーを貼ってあるクルマのタイヤがパンクされたりという事件が起きている」などなどの会話が。

普段、地元紙はたいしたニュースがないためとっていないのだが、ネットで地元紙サイトを検索してみたら、8月くらいから、この白人至上主義団体のビラが配られていたという記事があった。私がたまたまそのビラをみていなかっただけで、けっこう広範囲に配布されていらしい。大学の寮でも配布されていたということだ。

記事によれば、そのビラには、以下のような文句が書かれているという。

The fliers, including one that calls for a “white revolution” because “the white race has been targeted for death,” are from the Creativity Movement, an Illinois-based group that believes “the white race is the finest and noblest creation of nature.”

要するに、「白人は殺戮のターゲットになっており、そのため白人革命が必要である。白人という人種は自然がつくりだした、最も素晴らしく、高貴なものなのだ」みたいなことだ。

この団体、ウェブサイトもあると学生から聞いたので、早速みてみたのだが、昨今の白人至上主義団体にしても珍しいというような、あまりにトンでもないことがたくさん書いてある。世間への広いアピールなんてまったく考えてないとしか思えない内容だ。

サイトのURLはwww.montanacreators.webs.comだったのだが、笑っちゃうことに、無料スペースを使っていて、規約違反とされたようで、ページが数週間前からなくなってしまっている。つい最近までキャッシュは見れたのだが、もうダメになったかも。
サイトには、盛大にメンバーの覆面状態写真が載っていたりして、その内容のあまりのとんでもなさとともに、かなりすごいことになっていた。
だが、この団体の本部サイトはまだ健在なので、主張をみてみたい方は、ぜひ本部サイトへ(笑)

もとはといえば、イリノイの団体のようだが、ビリングス、カリスペルなどモンタナでもいくつかの都市で、今年のはじめあたりから活動を活発化させていたようだ。そして、ついに坊主マンにきた、ということのようだった。

ちょうどよいタイミングで、人類学の授業のほうで「人種」がテーマになる週がきたので、授業のほとんどをこの白人至上主義団体のディスカッションにあててみた。(いくつか、私のクラスのほかにも、このテーマで議論をした授業があったらしい。)人類学の授業を選んでとっている学生ということで、こういう多様性に関わる問題で典型的な学生とは言いがたいかもしれず、もちろん明らかにマイノリティである私が教えている授業で、この団体主張を支持するようなコメントが言えないという事情もあった可能性もあるが、それでもさすがに、いくら保守的なモンタナとはいえ、この団体に関しては誰もが批判的だし、主張も最悪にとんでもない、というコメントだらけ。さすがにこの団体の主張はあまりに強烈すぎて受け入れられないらしい。「白人至上主義」ではあるが、ネオナチ的な価値観もあるので、ユダヤ系も滅亡すべし、みたいな主張だし、白人女性は白人男性を喜ばせ、子どもをつくるために存在しているというような記述もあることから、女子学生も怒っていた。もちろん、少ないとはいえ、マイノリティの学生もいるわけだ。

そして、モンタナなので、自分を「保守」であると自認する学生もけっこういたりする。でも、その場合でも、「こういう人たちがでてくると、ただでさえ今、苦しい状況にある保守のイメージがますます落ちてしまいかねず、迷惑だ」というような反応があった。

でも、「この主張は地元でアピールをもちうるのか」と聞いてみたら、、「高校生とかの若い子たちにはアピールもってしまいそう」「だから浮「」というような反応がけっこうあって、それに同意していた学生が多かったように思う。とくにモンタナ出身の学生たち。「生まれてこのかた、マイノリティなんて見たこともないという環境に育つ人はモンタナの田舎にはけっこういる」「あまり知識がない若者なら、こういう主張にだまされ、惹かれてしまうかも、、」という。とくにモンタナ北部のカリスペルのほうは、白人至上主義活動が盛んだった、という発言もあった。高校で、白人至上主義の歌を歌うバンドを組んでいたクラスメイトもいたとかいう学生も。

確かに、2006年の記事に、白人至上主義がまたモンタナで盛んになっている、と報道されていた。そして、2005年には、白人至上主義者が、坊主マンの教育委員会の選挙に立候補したということもあった。この候補者は、National Allianceという、今回話題になっているMontana Creativity Movementとは別団体から出てきたらしいが、主張は「白人だけの社会をつくり、ほかの人種やユダヤ人を排除すること」と、ほぼ同じようなものだ。結果、もちろん落選したものの、157票(全体の3.6%)とったという。157人も彼の主張に同意した人たちがいたと考えるとちょっと浮「。

Montana Creativity Movementがデモをしてから、政治的にそうアクティブだったとは言いがたい、私の大学の学生たちが動き始めた。今まで、ネイティブアメリカン以外のマイノリティ学生の動きというのがあまりに見えず、埋もれてしまっていたのだが、ここであっという間にグループを立ち上げ、ほかの団体と組んで11月1日には100人規模のデモを行うなど、アクティブに活動してきている。この素早さと行動力はすごかった。

その学生団体 We Are The Dreamの紹介記事。写真にうつっている中には、数名私の学部の学生さんが。

デモの記事。私は残念ながらこの日行かれなかったんだよなあ。
Hundreds gather in Bozeman to advocate tolerance

こういう、市民の動きがあり、白人至上主義団体の動きに関する報道が最近なくなっていたし、白人至上主義側のデモがあったということも10月以降聞かないし、動きが収束しつつあるのかなと思ったが、、甘かった。まだ、嫌がらせのビラをまいたり、落書きをするなどの活動は続けていた。そして、水曜の地元紙の記事に、韓国レストランのオーナーである韓国系女性のクルマに、白人至上主義の内容の落書きがされてあったというのだ。しかも、これが2回目だという。

同じく水曜の記事で、地元コミュニティはターゲットにされた韓国系女性および彼女のレストランへのサメ[トが広がっている、と書かれている。しかしこの記事のコメント欄をみると、最初はサメ[トのコメントばかりだが、途中から「ヘイトクライムというけれど、ウソをいっているに違いない」というようなャXトがいくつかでてきている。これが白人至上主義者によるものかどうかわからないが、「人種」問題に関して、このコミュニティが実はやっぱり割れている、ということのひとつの表れなのかもしれない。

いづれにせよ、私自身も含め、この白人至上主義運動のターゲットでもある「人種」的マイノリティ、およびユダヤ系の人たちにとっては、普段の生活レベルでは明らかな影響はでていないとはいえ、恐れの感情を引き起こしたり、安全ではないという雰囲気を醸し出すという影響力があり、看過はできない。そして、恐れの感情を引き起こすことこそを狙っているようにも思われる。(ミステリアスにみえる白人至上主義者たちの覆面姿などが、より恐れを引き起す要素でもある。)とくに、この団体の場合、アフリカ系アメリカ人とユダヤ系にこだわっている様が、ウェブサイトなどからは見受けられる。しかし韓国系の女性も明らかにターゲットになっているところからして、アジア系だろうが、ラティーノだろうが、そしてモンタナで最大のマイノリティであるネイティブアメリカンだろうが、同じことなのだろう。
アフリカ系アメリカ人の大学生が、この白人至上主義運動が顕在化したことで、大学をやめてしまおうとしたという話しもきいた。
もちろん、こんなどうしようもない動きは恐れずに、反対運動をバリバリすべきでもあるのだが、それでも、とくにターゲットになっているマイノリティ当事者として「恐れ」の感情を抱いてしまうというのは、どうしようもないことでもある。とくに弱い立場にあるマイノリティであればあるほど(例えば不法滞在状態にある移民などは警察の助けもあおげないし、合法でも外国人であれば、アメリカ人よりは立場が弱いだろう)影響を受けてしまうことでもある。


しかし、この白人至上主義団体の動き、日本で今起きている在特会がらみの動きと共通するものを感じる。
東京新聞記事 「朝鮮学校で「スパイの子」 “抗議行動”を告訴へ」
しかもこの場合、ターゲットは子どもだ(もちろん、子どもじゃなくてもとんでもないわけだが)。さぞかし浮ゥったことだろう。そして、直接ターゲットにされた子どもたちは当然ながら、在日の人たちは皆、底知れない恐れのようなものを感じているのではないか、と、私の住むコミュニティで現在起きていることからも、なおさら感じる。こういう動きが人々に引きおこす、日々の生活を送る上での恐賦エというのは、本当に看過できない大きな影響を及ぼすと思う。

今後坊主マンでの白人至上主義運動と、それへの抗議運動の展開がどうなっていくのか、このブログでもレメ[トしていきたいと思う。(本当はもっと早くレメ[トしたかったのだが、最近忙しかったのですっかり遅くなってしまった。)

追記:この団体の新たなサイトが作られていたのを発見。このサイトで目立っているRAHOWAというのは、この団体用語でRacial Holy Warの略だそうで、"We gird for total war against the jews and the rest of the goddamned mud races of the world -- politically, militantly, financially, morally and religiously." 「ユダヤ人およびそのほかのすべての"goddammed mud races"(忌まわしい呪われた人種、忌まわしい無価値な人種、みたいな感じか。要するに白人以外のすべてといいたようだ)に対して、政治的、軍事的、経済的、道徳的、宗教的な全面戦争を起こす覚悟を決めている」と宣言している。モンタナ支部サイトにもこのことは盛大に書いてあった。(同じ文章だろう。)
現在のところ、モンタナ支部へのリンクはアメリカ本部サイトになっているが、そのうち再開するのかもしれない?



氷点下30℃の世界

2009-12-09 04:42:00 | 日々の出来事、雑感
日曜深夜にフィラデルフィアの学会から坊主マンに戻ってきたのだが、それ以来坊主マン、華氏の0℉を下回る状態から抜け出せていない。今このエントリを書いているのは、日中1時ちょっと前なのだが、それでも外の気温は摂氏で≠Q0℃くらい。夜になると≠R0℃くらいという状態になっている。寒過ぎる。というか、外に出るととにかく顔が痛いのに参る。

この状態でクルマのバッテリーがあがってしまい、エンジンかからなくなるのではないかと、ひじょうに不安なのだが、しゅるしゅるいって数回トライしなくてはいけない状態にここ2日ほどなってはいるものの、なんとかかかっている。去年までのクルマだったら、エンジンかからなかったり、それ以前にクルマのドアが凍り付いてあかない状態になってただろうから、やっぱり思いきって買い替えてよかったのだとひしひし思う。オートエンジンスターターをオプションでつけたのは、大正解だった。

氷点下20~30℃の坊主マンの寒々しい写真を撮ってみたのでアップ。きれいに晴れてはいるのだが、気温はこの写真を撮った段階で≠Q0℃だ。





道路は雪が解けるような気温にならないため、雪が固まってスケートリンクのようになっている。



クルマのエンジンがかかった!


永遠に溶けなさそうなつらら。


明日からフィラデルフィア

2009-12-03 11:21:00 | 日々の出来事、雑感
今日は最低気温≠Q0℃、最高気温≠P0℃の坊主マン。けっこう冷えてます。

さて、明日の朝からフィラデルフィアのアメリカ人類学会にいってきます。フィラデルフィアは最高気温10℃くらいみたいなのだけど、それって今の坊主マンからするとすごい暖かい?でも行きは早朝、帰りは深夜の便なので、やっぱり暖かいダウンコート着ていった方がいいよな。フィラデルフィアで目が出そうになりそうだけど、まあ仕方ないか。

フィラデルフィアは初めて行く街なので、どんなところか楽しみにみてこようと思ってます。