ふぇみにすとの雑感

日々の雑感、テレビ、社会、フェミニズムについてなど。モンタナ発信。

間違いだらけの世界日報

2005-03-30 23:57:37 | フェミニズム
いや、まさか私が「世界日報」に載るとは。3月30日付ウェブ版「世界日報」の「袋小路のジェンダーフリー(1)」なる特集に、何と私の名前が登場してしまっているのだ。知人からのメールで知ったのだが、いや驚いた。

何とそこでは、私は「ジャーナリスト・山口智美氏」になっている。本人も知らないうちに、いつの間に私はジャーナリストに?「We」誌に私は自分の「シカゴ大学東アジア研究センター研究員(文化人類学・女性学)」という肩書きを載せているので、世界日報の山本彰記者は、「We」掲載の私の原典を読んでいないことは明らかだ。山本記者によれば、私の文章は「詳しい調査に基づく記事」なんだそうだが、読んでいないんじゃねえ。

そして、「世界日報」は、岩波書店「世界」における汐見稔幸氏の文章にある私に関する引用を挙げながら、アメリカの研究者、バーバラ・ヒューストンは「ジェンダーフリー」ではなく、「ジェンダー・センシティブ」でなければいけないという文脈で使ったと紹介している。

この「ジェンダー・センシティブ」の理解にはぶっ飛んだ。「つまり、ヒューストンの主張は、『女らしさ』が差別の原因になるからと否定するのではなく、『女らしさ』に繊細に対処しながら行う教育が必要ということである」と無理に解釈しているのだ。これは、当然ながら大きな間違いである。ヒューストンの主張は『女らしさ』概念に基づく差別に敏感になるべきであり、その上で性差別をなくす教育をつくっていくべきだ、というものだからだ。敏感になるべきは、社会文化的な性であるジェンダーに基づいた差別であり、「女らしさ」に敏感になれなどとは全くヒューストンは書いていない。これもとんでもない誤読、というより、故意の曲解であろう。

その後に、「どうしてもジェンダー(女らしさ)がセックスと無関係ではないという事実に行き当たり、、」などと書いてあるが、こんなことはヒューストンは全く主張していない。完全な「世界日報」の作り話しである。

こういう書き方を「世界日報」にされるのは少々驚いたとはいえ、十分あり得ることだ。「だから今、こういう批判はすべきではない」という、フェミニズムや女性運動内部の声もあるかもしれない。だが、だからといって「ジェンダーフリー」概念自体を批判的に検証することを自粛していく、というのは、ますますマイナスになると考える。バックラッシュ派の言説に影響されて、自分たちの言論を自粛するということは大きな後退だと思う。ということで、今後もがんがんと主張していくつもりだ。

岩波「世界」のジェンダーフリー特集号は、日本から送ってもらい届いたので、また感想など書いて行く予定。

ジェンダーフリー言説のパターン?

2005-03-18 11:05:22 | フェミニズム
私の「ジェンダーフリー」に関する『We』に掲載した文章が、あちらこちらで引用されているらしい。といっても、ほとんど批判のようなのですが。

ここ1≠Q週間のあいだでも、女性学会ニュース、大阪高教組のニュース、岩波の「世界」など、話題にされているようです。これには書いた本人がびっくり。小さな世界なのだろうけど、これって私、もしかして、日本のフェミニズムなどでよく出てくる、一種の「論争」の渦中にいるのかな?だとしたら、かなり新鮮な体験かも。反響がくるのは批判でも何でも有り難いことだし、こうして議論が起きることこそ重要だとも思うので、今後もいろいろ書いて、「女性学・行政・女性運動」サイトなどに掲載したりしていきます。

さて、ジェンフリ言説なんですが、相変わらず「私はジェンダーフリーは使って来なかったが」枕詞つきの、ジェンダーフリー擁護言説が溢れかえっています。ほぼすべてがこのパターンを踏襲していると言ってもいいくらい。ここまで同じだと、なぜだろう?と興味がわいてきます。
私の今の段階での説は、「自分は使って来なかった」といえば、あくまでも「人ごと」になり、自分の責任を問い直したり、方向性について考え直す必要はなくなる。とにかく、事がどう転んでも、自分だけは悪くない、というふうにもっていかれるからではないかなあというもの。はて、どうなんでしょうか?

さてさて、斉藤正美さんのブログをのぞきにいったら、みどりさんの書き込みで、We2,3月号掲載の橋本ヒロ子さんの文章に重大な間違いが!という情報を見つけました。桑名市の生きている条例を、「廃止」されたと書いてあったとか。(詳細はみどりさんのブログをご参照ください。)

それで、送られてはきたけれど、放置してあったWe2、3月号をようやくぱらぱらと見てみました。斉藤さんと私の関連箇所掲載をお断りさせていただいた、東大ジェンコロの感想文、それにもかかわらず相当長く場所を費やしてあったのね。私への批判と思われる文章もけっこう載っているし、うーん。いろいろ反応していかなくちゃいけないですね。私はWe誌ではなく、ウェブや、他の場所で意見を発表していくつもりです。

ひとつ、この号をぱらぱらと見て思った事。「男女平等教育」=「性別特性論」の歴史があるという思い込み(?)って、かなり強いですね。これもジェンダーフリー擁護派言説の大いなる共通点です。
「男女平等教育」が「性別特性論」である必要性はまったくないし、そのような解釈を否定して「男女平等教育」を進めてきたのがフェミニズムなのではなかったのでしょうか。この「男女平等」概念をめぐる歴史、きっちり押さえないといけないなと考えています。

「『ジェンダーフリー』をめぐる大混乱」記事アップ

2005-03-13 08:45:58 | フェミニズム
女性学・行政・女性運動のサイトに「『ジェンダーフリー』をめぐる大混乱」と題し、2005年2月発行の日本女性学会の学会ニュース第101号掲載の伊田広行さんの論考に対する私の意見をまとめました。ぜひ御覧下さい。(トップリンクからタイトルをクリックすると記事に飛ぶことができます。)

この文、ブログにも載せようかと思ったのですが、AOLダイアリーだと2500字以内ではないと長過ぎて載せられないことが発覚!上記リンクへのご感想など、この記事のコメント欄やメールなどで、ぜひお寄せください。

また、2/5付けでこのブログに掲載した文章「We一月号稲邑編集長の編集後記に関して」も加筆訂正し、「ジェンダーフリーになぜこだわるのか」として、上記サイトに掲載しました。

あわせて、斉藤正美さん執筆の「女性学の権威主義」もぜひお読みください。

「新車情報」終了

2005-03-09 08:35:10 | ノンジャンル
自動車ジャーナリスト三本和彦さんが司会を長年つとめてきたTVKの密かな名物番組「新車情報」があと4回で終了だという。この情報をどこで見たかって?何と2ちゃんねるの「激Xメv板なのですよ。今朝みたらレスが1000を超えて、2番目のスレッドまでたっていた。TVKの番組なのに・・こんなにあの番組のファンって多かったんですねえ。この番組終了情報自体は私は聞いていたのですが、ネットで(それも2ちゃんねるで)ここまで惜しまれていたのか、、と、今更ながらちょっと驚いています。

私の父「京ちゃん」(リンクをご参照くださいな)も数回、この番組には出演させていただいていたことが。最初のうちは緊張しまくって、横浜に向かっていたのを覚えています。しかし、三本さんでもっていたような番組だからなあ。彼を超えるのは無理だろうし、しばらく後番組、やめておいたほうがいいんではなかろうかという気も。どうなるんだろう?

三本さん、長年お疲れさまでした~!


国際女性デー

2005-03-08 09:27:35 | フェミニズム
今日3/8は国際女性デー!そして今月は、アメリカではWomen's History Monthです。女の連帯の歴史に乾杯!

国際女性デーに新規開設の、とてもきれいなデザインのカードと素敵なメッセージのあるmitsuartさんのブログ、紹介します。

70年代のミニコミのように、女たちの間でもブログが広がって、相互発信や交流が広がって行くといいなあ。