中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

湿感

2012-06-09 13:39:12 | ヴァイオリン
 また近々、東京(正確には横浜)で予定しているサロンコンサートの伴奏合わせのために、東京に来ています。


 と思ったら、関東は今日から梅雨入り。一足先にこのイヤな季節を体験することになりました。梅雨は嫌いです。特に都会では。

 雨が降ることより、傘を持ち歩くのが嫌いなんです。電車に乗る時とか…濡れた傘が「ぴとっ」とズボンにくっつくと、なんだか情けないような気持ちになります。


 しかしそれよりも不快なのは「梅雨入り宣言」。いつもはっきりしない。今日の気象庁の発表も「梅雨入りしたと見られる」。なんですか「見られる」って。まだわからないなら、きちんとわかってから発表してくれてちっとも困らないんですけど。

 考えてみれば「梅雨、入りましたっ!」みたいに、カラッと宣言してしまうより、「梅雨…かどうかはわからないけど…そんな風に見えないこともなくなくはない…かもね」とジメシメと湿っぽく宣言して、季節感を出しているのかも知れませんね。


 なんだかつまらない事を愚痴ってしまいました。…これも季節のせいでしょう。
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つつしんで

2012-06-08 11:28:14 | 雑記
 塾講師をしていた頃の話です。その日の授業を終えて、教室の清掃などの後片づけをして、帰り支度をしていると、
「中島先生、送って行きますよ。」
と、契約社員の英語のI先生が声をかけてくれました。急げば終電に間に合う時間でしたが慌ただしいので、車で来ている先生にこう言ってもらえるのはありがたい。

 契約社員というのは我々のような社員講師とは違って、アルバイトのようなものです。「この人、昼間は何やってるんだろう?」と、しげしげ見てしまうような、素性のよくわからない人もいて、興味深い人種です。I先生は少しも「くずれた」ところが無く、知的で姿勢が良い。「何かの研究をしてる人なのかな」と思っていました。

 車に乗り込むと「エンジンが温まるまで、ちょっと待って下さい」と、まず一服。当時は教員室は禁煙ではありませんでしたが、やはり社員ではないので遠慮していたのでしょうか。リラックスした雰囲気で深々と味わいつつ、I先生は話し始めました。

「最近、世の中、なんだかおかしくなってきてると思いませんか?」
「そうですね。オウムの事件もありましたしね。」
「日本中が暗いですよ。どうしてだと思います?」
むむ・・・教育論でも始まるのか?と思いつつ、
「さあ・・・やっぱり世紀末だからですかね。」

「お世継ぎがお生まれにならないからですよ。」
「・・・オヨツギ?」
「皇太子殿下に元気なお子様がお生まれになれば、国民も元気になります。お世継ぎが日本を明るく照らして下さるはずです!」

 ・・・これには驚きました。私は別に、皇室の方々に特別な感情を持ったことがありませんが、その後は家まで、教室の近くの定食屋の話とか、無難な話題を選んで帰りました。


 これは極端な例だとは思いますが、やっぱり皇族は大変ですね。子供ができる時期とか、そういうプライベートなことまでが、社会不安の一因のように語られてしまうことすらあるんです。大変な重圧でしょう。


 寛仁親王がお亡くなりになりましたね。去年、東京でのチャリティーコンサートに山響を招いて下さって、ホテルオークラで懇親会まで催して頂きました。

 帰りに並んで一人ずつお辞儀をして退出しましたが、さすが常に人から恭しく頭を下げられる人生を送ってきただけあって、独特の鷹揚な威厳がありました。


 つつしんで御冥福をお祈りいたします。
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しあわせ

2012-06-06 10:06:39 | 音楽
 昨日、二人の老婦人(といっても米沢の町中なので「おばあちゃん達」と言った方がしっくりくるか)が、しみじみとつぶやいているのが耳に入りました。

「いまの子供達はしあわせだねぇ~。○○○○○○○て。」

 さて、○にはどんな言葉が入ったでしょう?(字数は関係ありません)


 「地デジでアニメが見られて」・・・違います。確かに映像がきれいなのは快適ですが、それを「しあわせ」とまでは思いません。

 「インターネットでショッピングができて」・・・これも違います。確かに便利ですが、「しあわせ」という言葉には、便利以上の価値があるはずです。

 「世界中の美味しいものが食べられて」・・・これは確かに幸せなことでしょう。でもどちらかというと、それは大人にとってだと思います。しかも昨今はちょっと過剰なんじゃないでしょうか。

 「戦争のない時代に生まれて」・・・これは文句なし。真面目に答えるとするなら、私もこれを選ぶと思います。


 さて、正解は・・・?

「本物のオーケストラが学校に来てくれて」

でした。学校に停められている「山形交響楽団」のバスを見つけて言っていたのでした。


 ・・・これにはグッときましたね。吸っていたタバコを投げ捨てて駆け寄り、むりやり背中に乗せて横断歩道を渡ってあげたくなりました。しかし、もちろん思いとどまりました。吸い殻のポイ捨てはよくないですからね・・・(そっち?)。


 しかしこんなふうに思ってもらえるのは、我々にとって「しあわせ」なことです。特に戦争を生き抜いた世代の方にまで(もしかしたらすごく失礼なのか?)、そう言って頂けるのはもったいないくらいです。

 音楽とは関係の無いところで、少し気分が下がっていた最近でしたが、救われたような気持ちになりました。
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夢は枯れ野を

2012-06-05 08:00:17 | 雑記
 昨日と一昨日は久々の連休。これは嬉しい。・・・さて、何をしようか。せっかくなので、日頃したくてもできない事がいいでしょう。


 たとえば、天気が良い爽やかな季節なので、仕事と関係なく、のんびりと自然にふれる。

 よく、コンサートの日にホールに到着して、外の喫煙所で一服している時に「ああ、こんなに天気が良いのに、締め切ったホールにこもってチマチマと、音程を合わせたりリズムを合わせたりしているのは、なんともったいないことか・・・」という気持ちになることがあります。こういう時間がある時に、いつも通過するだけの月山道で車を降りて森林浴などしてみたい。

 たとえば、体を動かしてみる。

 日頃、不自然な姿勢で緊張を強いられるばかりの体は、なまり放題、ゆがみ放題。しかし、慣れないスポーツなどして筋肉痛を残したりすると、次の演奏に差し障る。こういう連休の時こそ絶好のチャンス。若さを取り戻すべく、良い汗を流すような事をしてみたい。

 たとえば、映画を観たり絵を鑑賞してみる。

 音楽は芸術です。しかし、目の前の演奏のために、だんだんとミクロな技術上のことばかりを追いかけてしまうような日常を過ごしがちです。芸術的な感性を干からびさせないために、他の分野の芸術に触れて、みずみずしい創造力を取り戻したい。

 ・・・などなど。夢はひろがりますね。


 そして結局、無限の可能性を秘めた連休の行方は・・・

 ・・・風邪で寝込んでおりました。疲れが出たんでしょうかね。珍しい。そしてなんとも情けない。ああ・・・連休・・・もどってきておくれ。


 まあまあ、休息も有意義だということにしておきましょう。おかげですっかり回復しました。今日は暑くなりそうですが、涙をふいて元気にスクールコンサートに向かうことにします。
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花よりくどき

2012-06-03 15:47:19 | お酒の話し(山形県)
 昨日の山形Qの明治ホール演奏会の後に、「花束」代わりに頂いたものです。前回の鶴岡のサロンの時もそうでしたが、私の気持ちが通じているのか、演奏直後のステージ上で「今一番欲しいもの」を頂けるとは、嬉しい限りです。

 しかも今回は日本酒。地元の銘酒「くどき上手」の純米大吟醸、藤島オリジナルラベルです。・・・見るだけで、心がなごみますね。


 この明治ホール、正確には「東田川文化記念館」です。昔の議事堂なのは文翔館と同じですが、旧県庁の文翔館よりこじんまりとした木造の建物です。面白いのは現在、ホールとして使われているのは二階で、一階は「図書館」。それも畳敷き。天井の低い、古い日本家屋にいきなり書架が並んでいる感じで、不思議な落ち着きのある空間になっています。

 狭いながら、書架の隙間にはゆっくり閲覧できるスペースもあります。こういう所は本当に好きです。時間があったら一日じゅういたい。

 ところで、村上春樹の「海辺のカフカ」という小説に、主人公が身を寄せる図書館が出てきます。地方都市の一角にある、元貴族の屋敷かなんかを再生した施設で、訪れる人も少なく、時間の流れに取り残されたような、古い思い出がそのままになっている世界です。小説は詳しく覚えていませんが、その図書館は印象に強く残っています。この藤島の図書館が、まさにイメージそのままなので、ふと思い出しました。

 
 その書架の間を奥に進んで行ったところにある、ちょっとミシミシいう階段を上っていくと、そこはいきなりステージ袖。もちろん正面は正面に大きな階段がありますが、出演者はこの「からくり屋敷」みたいな経路でステージに出ます。こういう所も面白い。

 漆喰の壁にシャンデリア、四角い木の枠の窓・・・ホールの内装はやはり文翔館に似ています。ステージ上で演奏しましたが、イスを並べた客席との距離は近くて、アットホームな雰囲気のコンサートになりました。演奏しやすい響きのホールです。5年前より楽しむことができました。


 終演後は主催者の方数名が、打ち上げを催して下さいました。翌日が町の運動会だということで短い時間でしたが、忙しい中、もてなして頂いたことに感謝します。その他、スタッフ、ご来場の皆さんにも深く感謝。ありがとうございました。
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藤島明治ホール演奏会終了

2012-06-02 18:49:24 | 山形弦楽四重奏団
 ただいま打ち上げ後。やや酔っておりますので、余計な事は書かないでおきます。最近、飲んだ後の事を全然覚えていないので、注意が必要です。


 さて、快晴の爽やかな午後、たくさんのお客様にご来場頂きました。明治ホールでの演奏会は5年ぶりですが、相変わらず木造建築の柔らかい響きが素晴らしい。良い空間になりました。


 さあ、気分が良いので二次会へ行きますか。(スイッチが入ってしまっている)。
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その時、歴史は

2012-06-01 13:52:08 | 雑記
 「朝型人間」の自分のはずが、今朝はどうにもだるかった。息子を送り出してから、スクールコンサートのために出かけるギリギリの時間まで「二度寝」をしてしまいました。めずらしい・・・五月病かな。と思ったら、今日からもう六月なんですね。


 ここ最近は朝晩、息子の初めての「中間テスト」の勉強につき合っていました。何事も「最初が肝心」ですから・・・というわけでもありませんが、まわりの子達はみんな塾に通っているらしいので、あまり落ちこぼれても良くないだろうと。「元塾講師の意地」もないわけではありません。


 しかし「歴史」は、ずいぶんと様変わりしているのに驚きました。まだ「古代」のあたりだから特にそうなのでしょうが、知らない名前の「新しい遺跡」が、〈最重要〉だったりします。逆に「大和朝廷」「大和時代」という言葉は消えてなくなってる。

 最近の説では、「聖徳太子」もその立場が危なくなっているそうですね。なんだか寂しいです。

 でも、せめて「~年頃までは・・・といわれていた」というような「註」が欲しいです。常識とされていたことが、ある日突然フッと消えて、「太古の昔からそんな事実は存在しない」のが当たり前みたいになっていると、自分の頭がおかしくなったような気になって怖くなります。


 あともう一つ驚いたのは、朝鮮の昔の国名。「高句麗」とか「新羅」とか「百済」とか。懐かしいですよね。もちろん読み方は「こうくり」「しらぎ」「くだら」です。

「は?・・・何言ってんの?ちがうよ、ほら!」

何をバカな。酔っててもそんな事ぐらい間違えるわけない。どれどれ・・・あっ!

 正解は・・・「コグリョ」「シルラ」「ペクチェ」。

 ・・・まあ、そりゃ昔からそうなんだろうけど。今さらそんなこと言われても・・・。マッコリでも飲みますか。


 ということで、試験は今日で終わり。私も少しホッとします。
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