中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

おかげさま

2012-10-16 09:46:24 | 音楽
 さて、山形Qの定期本番の翌日の日曜は、家族で早起きをして車に乗り込みました。家族サービスのため・・・ではありません。一路、東京へ。私は山梨に行く道すがらでもありますが、家族は?連休でもないのに。・・・と思うかも知れませんが、この日は夜、大切なイベントが東京であったのです。

 実家に着いて少しだけ仮眠をとってから電車で向かったのは、渋谷。新しくできた(そうでもないのかも知れませんが、私にとっては)ホール、「大和田伝承ホール」へ。渋谷駅の「裏手」の坂(昔は真っ暗でしたが、今はずいぶんいろんな店ができてますね)を上っていった所にあります。


 そのイベントとは・・・14日夜7時から催されたコンサート「男声合唱団『羅漢』第3回定期演奏会~中島はるの世界」を聴きに(見に)行くことでした。

 おわかりかと思いますが、私の母の作品集のコンサートです。この合唱団は以前から母の作品の初演などをしてくれている団体で、この日も一部、母がピアノ伴奏を務めました。

 あまり先の予定がたてられない病状でもある中で、こうして無事に演奏会が成功したのを見ることができて、私も安堵と感謝をもって、満員の客席の端からステージを眺めておりました。


 そして、このコンサートは、私たち家族にとってはさらにもう一つの価値がありました。母のピアノ独奏のための新曲を第二部で、ピアニストである私の義母が演奏したのです。うちの子供たちにとっては、東京の立派なホールで、「両方のおばあちゃん」がステージでピアノを弾いたわけですから、印象に残るイベントになったことと思います。(ちなみにこの作品は「ピアノのための二つの百人一首、~ながからむ、~あひみての」。楽譜も出版されてます。宣伝でした)。

 プログラムのメインは、この日のために作曲した「やさしい般若心経」。編成は、男声合唱・尺八四重奏・英語朗読。イメージできないと思いますが、般若心経を「オラトリオ」風にしたような曲です。母ではありますが、「作曲家というものは、常人には思いつかないことがひらめくものなのだ」ということを、つくづく感じさせられました。かなり独特の世界観ですが、合唱団はじめ、渾身の演奏でした。こんなに一生懸命に取り組んでもらえることは、作曲家にとって幸せな事だと思います。

 母にとっては、病気のこともあり、いろいろな覚悟も無理もあったようですが、こうしてその作品が熱意のある支持者・理解者によって演奏されて、それがまたたくさんの聴衆に親しまれることは、何より活力を与えられたことでしょう。「般若心経」のテーマでもありましたが、すべての「縁」に感謝します。


 ということで、家族は昨日の新幹線で山形へ帰りました。そして私は、ただ今、千葉の松戸駅前のホテルでこれを書いています。そう、また山響の演奏旅行が始まっているのです。昨日は山梨で公演をしてきました。

 忙しい「芸術の秋」は、まだまだ続きます。でもそれは、ありがたいことなのだと思います。

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