中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

他生の縁

2013-09-23 10:41:24 | 危機管理
 「袖すり合うも他生の縁」。人間がこんなにたくさんいるこの世界で、「めぐり逢う」というほどの出逢いでなくとも、服がふれるほど近くをすれ違うというだけでも、確かにすごい偶然なわけで、そこに何かの因縁を感じたくなるのが人情というものです。出逢いというものは素晴らしい。だから単なる偶然だと思うのが寂しいわけですね。もちろん、だからといって袖を長くしてブンブン振り回すのもどうかとは思いますが。


 さて実は昨日、バラ公園でのコンサートの後、急いで向かったのは山形テルサ。今回は弾くためではありません。久しぶりに客席に入りました。「ヤング・アメリカンズ」山形公演を観るためです。

 昨年の冬にもありました。小中学生のためのワークショップとショーをして世界各地をツアーする若いアメリカ人ボランティアによる活動です。前回は息子が、今回は娘が参加しています。

 ということで、一昨日から我が家は再び「ホストファミリー」。山響の旅行から帰った日から、家には「ヤング」が一人、滞在しておりました。

 今回は20歳のイギリス出身の女の子。ブロンドの元気いっぱいのかわいい子で娘は大喜び。私は、自分より身長が低いのがひと安心。

 
 平たく言うと、彼女たちは「青年海外協力隊」の音楽バージョンのようなものです。世界を回りつつ、短いオフの期間にはアルバイトをする。今、日本の「東北」といえば、支援の対象です。実際に、今回のツアーも福島や宮城の沿岸部が中心。学校を回って、元気をなくした子供たちと一緒に、ノリノリのショーを創り上げることで、パワーを与える活動をしています。そういう意味で、高い志を持った彼らに、同じ東北人である私たちは深く感謝しなければなりません。

 これは是非とも、東北が世界に誇る銘酒の数々で手厚く接待せねば・・・というわけにはいきません。彼らは非常に志が高いので、アルコールは一切禁止。やはり私には務まらない。


 そして、昨日のショー本番。私のような者には大音量がやや辛いところもありましたが、実にエネルギッシュで爽快なものでした。シャイな山形の子供たちがすっかり巻き込まれて、激しく歌う踊る・・・感動的でした。娘は終演後も興奮が収まらずに、いつまでもステップを踏み腰を動かして、突然倒れて寝ました。

 我が家にステイしていた子は「歌担当」で、びっくりするような表現の幅のあるパワフルな歌声には驚かされました。できれば将来はミュージカルの世界に行きたいと言っていましたが、充分才能があると思います。・・・おじさんも陰ながら応援させて頂きます。目の前で酒ばかり呑んでごめんなさい。


 夢に向かう情熱と、見知らぬ土地の子供たちにパワーを与える姿に、私も元気をもらいました。


 旅のはざまに旅人と逢い、他生の縁を感じる週末でした。彼女はノースリーブだったので袖はすり合いませんでしたが…。今日、彼らは仙台へ向かい、私はこれから岩手へ向かいます。
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