去年、25年ぶりに私の声のトレーニングを希望した荻野目洋子さんが、今日はお休みなので娘さん三人を連れて発声教室に現れた。
荻野目さんは14才のとき、A氏に連れられて私の教室に参加した。当時、所属の社長は貧乏で、「すまない、これで頼む」と万札2枚ほどを出して、必死の形相だった。私も貧乏のどん底をのたうちまわったので「いいですよ」と引き受けた。
「荻野目がこけたら俺は夜逃げだ」の社長の意気に負けず荻野目さんは努力した。
さて今日の話だが、稽古場の備品室に折りたたみの中型のトランポリンがあったので 、三人娘さんに提供した。
みんなトランポリンが好きで大はしゃぎになった。
立ってジャンプ、次に正座して着地、そして再び立ってジャンプ・・・・・を一人ずつ行う。
しかし、しかしである。正座が出来ない。ほら正座してと私が言うと荻野目さんは「正座などさせない」と抗議っぽく言われた。
「私は書道を習っていて、正座したので足がおうきゃくになったので、娘には絶対させない」と。なるほど娘さんは見事にまっすぐな細い足をしていた。普通は膝のとこれで出っ張りがあるのだが、鉛筆のようにまっすぐだ。随分子育てには気を配っておられるようだ。
今でも芸能活動をして三人の娘さんを立派に育てている。14才のときから、並みの女性ではないと思っていたが、母親になっても優秀だ。
なんだか私の生徒さんはみんなそれぞれ、誇れるものを持っている。26年間在籍の女性は「病気知らずだ」。同窓会で自分だけ若くて、健康だと言っていた。
優秀な生徒に囲まれ私は幸せだ。