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日本演技、韓国に完全敗北。

2005年10月21日 21時04分35秒 | 韓国ドラマ
 女房が韓国ドラマにはまり、時々、韓国ドラマのDVDを借りに行かされる。たまに横で見ていると韓国俳優の演技はレベルが高い。私は俳優座とアメリカの大学院で本格的に演技を学び、渋谷で教えたりした、経験から演技の種類を見分ける目はある。
 
 「日本のドラマや映画は見る気がしない、嘘の演技が多すぎる」と妻は言う。なるほど韓国演技はリアリテー、本当の感情が内部で動いているのだ。一方、日本の俳優は力でねじ伏せるか、自分の表情を鏡に映して見ているように作っている。つまり殆どが嘘で塗り固められているわけだ。これを1時間も見せられるとワンパターンの連続で耐えられなくなり、苦痛となるのだろう。

 韓国俳優の演技には何もないと思われる表情でも内部に動きがある。これを専門用語で「行動」と言う。行動には肉体的、精神的、生理的、衝動的、無意識的などがあり、演技の全てにはこれらが色々な形で埋め尽くされている。日本の演技は隙間だらけけで、しかも力で埋め尽くしているので、見ていて疲れる。この疲れは韓国ドラマにはない。

 劇団四季の浅利慶太氏は主演俳優に「その三分の一の力でやって」と注文しておられた。さすが名演出家である。しかしその男性俳優は声の出し方がクラシック風で、力を抜くと声の響きが極端に落ちて、聞こえなくなるので力を抜けないのだ。日本のオペラは殆どがこれで緩急が付けられない。だから演劇愛好家でもオペラはごめんだと言う観客が多い。

 行動を学ぶのは簡単ではない。韓国俳優の多くは大学で専門に演技を学んでいる。しかし日本の大学で行動を教えられるところは一つもない。歌手やお笑い芸人、タレント、モデルが簡単に主役を張れる日本のドラマは完全に敗北である。