そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

1月25日(月)天理へ行く

2016年01月25日 | 公開

  天理大学附属図書館へ閲覧に行った。京都駅から近鉄線で天理へ。途中、某駅にて、ホームアナウンスが「トイレが詰まります、ご注意ください」と言うので、訝しめば、「扉が閉まります、ご注意ください」と言っているのであった。

  さて天理にたどり着けば、明日が天理教教祖130年祭ということで、信者の方が続々と押し寄せている。タクシーに乗ったら、知らないお婆さんが乗り込んで来ようとなさる。そうか、信者さん同士なら行く先は同じだから、乗り合いにするのか!と気が付いたけれども、ちょっと吃驚したわい。

  図書館は他に特別本の閲覧者は無く、鎌倉中期の写本をじっくり拝見できた。やはり実物を見なければ分からないことは多い。調査はさくさくと進んで、早めに辞去する。係の方に、もう帰るのか?という顔をされてしまった。

  少し時間に余裕ができたので、竹田で地下鉄に乗り換え、丸太町で降りて買い物…というか紙屑の物色をする。2枚ほど購入。後で振り込ませていただくことにしたら、ずいぶん安くしてくださった。伝浄弁の古今集切が1万円ちょっとじゃ、これはこれは(しかも、実によい歌の部分)。もう1枚は、ものすごく下手くそな定数歌の断簡だが、こういうのも可愛いと思ったので…。

  店を出ようとしたら、大阪のO先生が入って来られた。T先生がおいでではありませんか?と、古書肆の御主人に尋ねておいでだ。 なんでも王朝継紙の展示を見にお出ましのはずだとか。別のお店では、中国人客が古筆切を爆買いするという話をうかがった。手鑑でもなんでも、丸ごと、ふっかけた言い値で買って行くのだそうである。漢籍は知らず、仮名のものなどは興味を示さないのではと思っていたが、さに非ずということらしい。

  あちこちで少し買い物をして、「ぎぼし」から吹き寄せを松江の老母に送り、新幹線に乗った。雪のせいで結局12分遅れで東京帰着。まあ、あんまり疲れなくて、収穫の多い旅であったよ。