そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

1月22日(金)修士論文口述試験

2016年01月22日 | 公開

  修論の口述試験日である。メトロの乗り換え駅ホームに、露文のI教授が立って論文を読んでおられた。後ろから、ワッと脅かせば、主査の論文の最終チェックをなさっていたらしい(まさか、ぎりぎりまで読み終っていないなどということは…)。I教授、サバティカル中であらせられるが、主査たるは仕方がないのである。おいらは副査1本のみで、E研究科で頼まれている本数のほうが多い。

  主査のT教授から5~6分遅れると連絡があり、やや遅れて主査1名、副査2名で試問を始める。私は、結構いい論文だと思ったが、もう一人の副査O教授も、より大きな視野で見るとうんぬんかんぬんと仰ったけれども、評価は高かった。専門分野の沽券に関わると、和歌関係の細かいことがらを2点ほど指摘しておく。

  口述試験が事も無く終わったので、昼飯を食いに出る。さて、どこへと思案して、面影橋の「いもや」が復活してから訪れていないことを思い出して、坂道を登り、ブー通りを西へ。お店は昔と変わらずご主人はまあ年をめされたなという感じなるも、黙々と天麩羅を揚げておいでだ。隣と1つ席を空けて座ったら、女将にたちまち叱られてしまった。えび定食に、あなごを付けて、御飯は少なめ…とお願いする。

  客は全部男性だった。女将が怖いので、ぴりぴりしているのが可笑しかったが、それがまさしくこの店の空気感である。私はMy箸持参なので、割り箸をお返ししたら、久しぶりなので忘れちゃったわ…と女将に言われた。思い出してくださったみたい。

  しかし、こんなコスパのよい天麩羅屋が今どきこの世に存在するとは、信じられない。席は空くことなく、ご繁盛、ご同慶のいたりだ。えび天定食800円に、あなご200円を付けたから、英世1枚ぴったりのはずだが、勘定の段で女将は釣りを渡そうとなさる。ちと耄碌されたか? 安くしていただく謂われはありませんよと申し上げて、ニヤッと笑ったら、じゃあこれをと、塩飴玉を二つ、掌に載せてくださる。お箸持参の褒美なのだが、ずいぶん得をした気分である。


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