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寿歌~ほぎうた~

2012年01月18日 20時02分28秒 | 演劇
今日は「寿歌」というお芝居を観に行きました。
(「ほぎうた」と読みます)
会場の新国立劇場 小劇場は東京オペラシティの並びにあり
新宿から歩くこと、20分で到着しました。
着いたときには開演10分前でゆっくり場内を見ることはできなかったのですが
お祝いのお花はたくさん届いていました。
堤さんと戸田恵梨香ばかりなんですけど
やっぱりこういうのを見ると
テレビで認知度を得るというのは大切なことだなぁと感じます。

席は2階のバルコニー席で、ステージに対して正対していないので
終始身体を斜めに向けている形になります。
それ以上に難点なのが手すりで
役者さんがステージの端っこに来ると
その手すりが邪魔になってよく見えなくなります。
そんな短所をひっくるめても4000円というのは格安だと思いました。
7500円払って後ろの方なら絶対こちらの方がおススメです。

客層は男女2:8ほどで断然女性の方が多く
どうも堤ファンが多数を占めていたようです。
普段はもっと大きな劇場で舞台に出演することが多く
こんなに小さい劇場に出るだけで
価値はあるのでしょう。


あらすじ

核戦争の末、人影もまるでなくなった荒野を行く
旅芸人のゲサク(堤真一)とキョウコ(戸田恵梨香)。
そこにいきなり現れるのが不思議な芸を持ったヤスオ(橋本じゅん)である。
ゲサクとキョウコのあてのない旅路にヤスオが加わり、3人はまた荒野を行く。


最初あらすじだけ聞いた限りでは
シリアスで分かりにくい内容になりそうで不安でしたが
そんなことはなく面白かったです。
客席にファンが多いせいか堤さんがちょっと面白いことをいうと
場内もそれに応えて笑う感じで
橋本さんも受け入れられているみたいで
コミカルな演技で笑わせてましたが
戸田恵梨香は、あなた舞台でお芝居できるの、
って感じで試されているような感じで
面白いことを言っても、
あきらかにこの2人よりも笑い声が少ないのが気の毒でした。

自分が戸田恵梨香目当てで観に行ったせいかもあるかもしれませんが
これが天海 祐希だったら違ってだろうなぁと、
女性ファンが多いイメージはあまりないし。
ただ最近は「ライアーゲーム」に出ていたときのような
アイドル的な立ち位置から本当の意味での女優に
脱皮しようという意識が見えて
このお芝居でも下ネタを結構していたけど
方向性としてはいいのだと思います。

堤さんと橋本さんはさすがで
セリフを噛んでもそれを笑いに変える余裕もあるし
存在感はすごいですよね。
たった3人だけのお芝居なんでほとんど出ずっぱりで
実力がないと如実に見えてしまいますから、
贔屓目なしでも彼女は結構良かったと思うんですけどね。

正解はこれと決めつけないで
各自で色々解釈してください、というお話のように感じました。
はしもとさん演ずるヤスオは神様を象徴しているんじゃないでしょうか。
ヤスオはポケットに入れたものを
コピーして増やす能力があって
例えば米粒1粒だけで飯ごう一合分のお米にできたりして
いわゆる神様の特別能力を示しているのかと。

そしてある街で大道芸を見せるシーンで
十字架を例の能力で増やして、それを町民に配るのですが
その十字架に雷が落ちてみんな死んでしまうくだりがあって
これは神という存在が死を招くことがあるというメタファを感じました。

歴史を遡って、現代でも
自分たちが信じている信仰のために
他の信仰をしている人と戦争したりしています。
元来、幸せになる為の信仰なのに
それが元で殺しあうことがおかしいことだって
簡単にわかる道理です。
こういうところに人間の限界が見えるし
やはり一動物なんだなぁって感じてしまいます。

また哲学的な話も挟んであって
ゲサクが死にかけたときにヤスオに
「人食いトラの穴に落ちたときに勝つ方法はなんだ」と問題を出して
その答えが「(トラに)食われるんじゃなくて、(自ら)食わせるんだ」
ってセリフがあって、これは深いなぁと思いました。
要は、起こった事象ではなく
その事象に対して自分がどういう意識でいるかが大事だ、ということで
お金を持っていないのに、お金がない、って嘆いていたら
一生、あらゆる意味でお金持ちには敵わないわけで
その思考法を転換させなければなりません。
そうはいっても世の中的な勝ち負けは崩せないから難しいのですが
他人の評価なんていい加減で移り気なものだから
それに囚われなくなったら全然違った景色が見えてくると
思うんですけどね。

もう一つ、うさぎが飼い主に恩返ししたくて
自分を焼いて、食べてもらうって話もあって
エセ動物好きの人は、可哀想って言うかもしれないけど
これも一番いい選択じゃないかと思います。
飼い主もそれを美味しく頂くというのが
うさぎに対しての最大の愛情で
可哀想っていう人は
自分が鳥や豚、牛の肉は平気で食っている事実に目を背けてはなりません。

上演時間は80分と決して長くはありませんでしたが
充実した内容で、
今年初の舞台鑑賞でしたが楽しめました。


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