夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

死んだ男の残したものは

2009-07-13 10:19:50 | つれづれなるままに

 死んだ男の
 残したものは
 ひとりの妻と
 一人の子ども
 ほかには何も
 残さなかった
 墓石一つ残さなかった

 時々ふと口ずさむ
 この歌
 ドウドウメグリヲスルコノウタハ
 イツマデモリフレインシテイル

 私が死んだとき
 何が残るのだろうか
 一人の妻と
 ふたりのこども
 自宅と
 法人の軌跡

 私は
 それ以上を
 望んではいない
 
 死ぬときに
 私は
 どんな未練を
 感じるのだろうか
 たぶん
 二人の
 ハンディキャップを負った 
 むすめたちへの思いだろう

 すまないという思いだろうか
 娘たちが
 これから死ぬまで
 どんな思いで
 暮らしていくのかを
 見届けるわけにはいかないから
 その不憫さが
 心残りとして
 わたしの
 この世に
 残すものになるのだろう
  

小麦の初収穫

2009-07-13 06:39:26 | つれづれなるままに
 農業の師匠・しらとり農場のオーナーから、小麦の収穫を急ぐように伝言された。雨に当たるとその分貴重なグルテンが減るという。日本の小麦は雨が多い気候なので、グルテンはもともと少ないらしい。オーストラリアのような気候が合っているのだろう。昨夜のテレビでは北海道での栽培を紹介していた。
 今回の小麦栽培は、しらとり農場から種を譲っていただいた。しかし、どうも今となっては、肥料が少なかったような気がする。全体に背丈が低く、中には収穫の対象にならないものも多かった。来年分は少し肥料を多めでも良いのかもしれない。師匠に相談してみようとは思うが、しらとり農場は今年から、まったくの自然農に転換中である。つまりなんにもしない農業だ。耕さず、無施肥、無農薬だ。それでもあんなに威勢の良い野菜が取れるのは、魔法でも見ているようだ。
 小麦は2トントラックに1杯分の収穫だ。昨夜来の大雨で、早く借り切ってよかったと今更ながらの師匠の助言に感謝している。メンバーさんも初めての麦刈り体験に、面食らったようすだった。何しろ草もぼうぼうの中の、小麦刈りだ。それに加えて蒸し暑さが、汗だくの衣類にしてしまう。一時間の作業がやっとなのだ。作業を始めて何分も立たぬ内にI君は、作業の経過時間を気にし始めている。K君は新入りのU君の小麦の置き方が逆方向だと大声で叱り飛ばしている。U君はそのたびにしかられるので、おろおろし始めた。K君に大きな声を出さないように、注意した。U君の一輪車での小麦運搬は、振動するたびにこぼれてしまう。やむなく両腕で抱えてトラックへ運ぶように指示した。U君の加入によって、I君は先輩としての関わり方に変わってきた。俄然張り切り方が違うと、スタッフのMさんが笑いながら報告してきた。「作業はゆっくり、楽しく」が、農耕班の目標だ。
 昨日は日曜だったが全部収穫し切れなかった分を、午前中をかけて刈り取り作業を一人で行った。汗がメガネを濡らすたびに曇りを拭き、痛む腰に手をやった。この畑は岩木山を間近に見ることができる。疲れを癒してくれる岩木山には、いつもながら霊力があると感じている。
 刈り取った小麦はこの後、乾燥脱穀し石臼で挽くことになる。脱穀機は足踏み式なので、結構要領が必要だ。片足立ちでペダルを踏み、回転する脱穀機に両手で小麦を差し込んで穂と種を分離させる。しらとり農場でこれは初めて体験させてもらった。あの時も暑い中での作業だった。そして筋肉痛が夜中に襲ってきたのだった。脱穀機と石臼を購入し、メンバーさんに体験させたいと思っている。一つでも参加できる場面が増えればいいなと、いつもそれだけをイメージしている。U君やI君は石臼が似合いそうだ。