夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

別れの清水汲み

2009-07-24 04:24:44 | つれづれなるままに
 7月23日(木)曇りのち晴れ 27.5℃

 娘たちを乗せたままで私は久しぶりに、岩木川沿いのニッカウヰスキー工場裏手の玉田酒造の井戸水を汲みに来た。この日の朝のバイパスは渋滞していた。岩木川はこの数日降り続いた大雨の影響もあって水量も多く、とても汚く濁っていた。岩木川の上流のダムが許容量を超え、放水しているのだろう。岩木山はきょうも下半分程度しか見えない。
 水汲み場には車が3台停車され、3人の年配の男女が水を汲むために番を待っていた。私の顔を知っている女性なのか「ゆいまあるの方ですね?どうぞ先に汲んで下さい」と番を譲ってくれた。井戸水は太いホースからゴーゴーと流れ出ていたので、あっという間に私の水入れはいっぱいになった。
 きょうで会うのが最後の韓国留学生ミンジさんと、できれば美味しいコーヒーを飲みたいと思っていた。あうんに帰る前にパン工房ゆいまあるに立ち寄り、7月末までは試験があるというミンジさんに食パンを依頼した。
 あうんに着くと、玄関先でミンジさんが夏休みの子どもたちと私を待つかのように立っていた。
 「おはようございます。きょうで最後ですね。」と言うと、「ありがとうございました」と彼女は挨拶を返してくれた。
 私はその足で、彼女の送別餅つき会の写真を現像しに写真屋に車を走らせた。みんながそろってあうん正面玄関で映した集合写真とスナップ写真を、彼女に記念として写真立てに入れて贈った。
 夏休み中の子どもたちは、皆彼女が大好きだ。ミンジさんの腕を引き寄せて、自分と遊ぼうと引っ張り合うくらいだ。
 午後はブルーベリー畑で、初めての販売用の果実の摘み取り作業をメンバーさんに指示した。午後からの日差しは思ったよりも強く、日差しが強かった。そしてブルーベリーの果実は、この強い日差しを受けて熟しているのかどうかがわかりにくかった。
 それでも小一時間で3kg程度を収穫して、あうんへ戻った。ブルーベリー祭りに参加できなかったミンジさんにも試食してもらった。
 ミンジさんが「成田さんの一番の記憶に残っていることは、宋さんとあうんで一緒にお酒を飲んだシーンです。二人の楽しそうにお酒を酌み交わしている姿はとても外国人同士に見えませんでした。日本と韓国がこんなに親しく飲んでいる姿を忘れません」そう印象を語ってくれた。
 やがて午後5時30分、ミンジさんとの本当のお別れの時間になった。残っていたスタッフが玄関にそろい、ミンジさんと握手を交わした。ミンジさんの握手は右手の肘に左手を添える韓国式の畏敬の挨拶だ。
 ミンジさんは8月上旬には青森空港から帰国するが、その正確な日は教えないと言う。「皆さんが見送りに来ると、本当になみだがでてしまうから」と・・・。
スタッフのM女はもうボロボロと涙を流していた。彼女があうんとミンジさんのアパートの送迎のほとんどを担ってくれた。
 こうしてミンジさんの姿は車に消えていった。彼女の代わりの韓国留学生・金さんが来月からまたミンジさんの代わりに来てくれる。今度は金さんの韓国語教室が始まるのだ。みんなでハングル語を学習して、永劫に韓国とのフレンドシップを継続したいと思っている。