夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

ひとり~Only one

2008-04-16 06:52:36 | 創作(etude)
 僕の書棚には一葉の写真がある。昨年の晩秋に係累が集まって、北海道を旅した折に撮られたものだ。支笏湖を背景にみんなが笑っている。母がいる、兄の一家がいる、妹夫婦がいる、そして私の家族がいる。みんながいるのにそこには僕はいない。なぜなら、写真を撮ったのはその僕だから・・・。
 僕の撮った写真の中には、みんなが笑っている。その笑顔から楽しさが伝わってくる。みんながそこにいる。みんなが一緒に旅を楽しんでいる、その瞬間なのだ。支笏湖の周辺の山並みの紅葉と湖面の波が夕日に輝いて、その一瞬の幸せに拍手をしているように輝いている。ぼくはその一瞬の笑顔を日々の励みに暮らしている。いつかやってくるのだ。この写真の中の一人ひとりと、ぼくが永遠に別れるときが。ひとりでも笑っているに限る。笑ってさえいれば、みんなが気持ちいい。今度ぼくも笑っている顔を撮っておこう。かけがえのない最高の笑顔を。

汗を流すのは

2008-04-16 06:35:01 | 創作(etude)
 ぼくが
 汗を流すのは
 どうしてだろう
 それは
 ぼくの
 夢のため

 それでは
 その夢の
 ためにかく
 汗というのは
 どんな
 汗なの

 はじめは
 息が苦しく
 次第に
 足がもつれて
 息が弾んで
 腕も重たい

 だけど
 そんなとき
 ふっと見上げれば
 その汗の向こうに
 青空バックに
 岩木のお山だ

 林檎畑からは
 すーっと
 いい風吹いてきて
 もう少しもう少しと
 思う気持ちも
 湧いてくる

 林檎の小枝には
 もう若緑色の
 葉っぱが広がり
 畑一面に広がるのは
 黄色いタンポポ
 モンシロチョウも飛んだ

 ぼくの夢は
 大地から生まれる
 それは
 野菜だったり
 果実だったり
 夢そのものだったり

 町の中で
 一人の大人になって
 胸を張って
 暮らせるように
 この畑の中に
 君たちの夢がある

 きみたちの
 明日の夢が
 この畑にも
 根付いて欲しいと
 ぼくはきょうも
 耕している

 みんなの汗が
 額からもうなじからも
 光り輝いて流れるとき
 みんなの笑顔も
 こぼれていてほしい
 それが生きる楽しさだから

 辛いことのむこうに
 いつもあってほしい
 きみの人生
 きみの暮らし
 きみの生き方
 きみの夢