夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

次女の災難

2008-04-02 07:00:04 | つれづれなるままに
 わが娘マミ(次女)はてんかんによる脳性麻痺があり、言葉は話せない。しかし、彼女の気持ちは言葉以外の彼女の表情や、声の抑揚、気持ちを表す態度などで推し量る以外にはない。そういう意味では、彼女のコミュニケーション能力はそれなりに磨かれ育ったと思うようになった。たとえばお腹が空けばそれなりの欲求を表す声を出しているし、態度でも表現しようとする。態度とは何かと言えば、たとえば指を吸ったり、食事のテーブルの席に座って早くしてよと言わんばかりに待っている。しかしなんと言っても顔の表情ほど気持ちを表してくれるものはないかも知れない。目の輝きなどはその際たるものであり、嬉しいとき楽しいときなどは誰もがあー喜んでいるんだと納得できる笑顔が見える。なんたって本当にピアノの前のマミは時には空中浮揚でもしているんじゃないかと思うくらいに椅子からはねているし、ベートーベン張りにその鍵盤に身体ごとぶっつけるかのような激しい曲想の時さえある。そして私たち両親やそのケアを引き受けるスタッフの悩みは、彼女の体調不良時のその部位探しとその痛みの程度などがわからないことだろう。両親はそういう意味では30年間一緒に暮らしているので、少しの変化でも「おや?」と感覚的にその片鱗をアンテナに察知する。たとえば大腸が生まれつき短いというマミにとって、空気も一緒に飲み込みながら食事をするので、ガスが充満しやすく腹部が膨満する。そしてそれはマミの最大の敵でもある。ご飯中でも苦しいのかごろんと横になり、食事どころの騒ぎではなくなるのだ。そんなときあうんスタッフも理学療法士のAさん直伝による排ガスマッサージや、トイレ誘導を行ってその苦しみを解放してくれるのだ。
 さて、このマミの体調が2,3日前からおかしくなった。カミさんも[「最近マミの表情が暗くておかしい。目を合わせなくなった。泣き声が耳につく。」などと言いだした。そして一昨夜はマミが食事前に、激しく顔を叩いて泣き出したという。昨日あうんから車に乗車し家に帰る際に、右の顔と左の顔のバランスが崩れ、左頬から鼻にかけて腫脹していることに気付いた。おたふく風邪?いやすでに彼女は幼いころ体験済みだし、それに耳の下から腫れ上がるということを考えればそれは違う。そして「!」と気付いたのは、虫歯から膿がたまって腫れたのではないかということだった。家内にもそれを話して二人で納得した。そして歯科と重症児者の入所している国立病院に電話をかけて、なんとかきょう受診することになったのである。それにしても、痛みを表現できないということはなんとも痛々しいことである。想像するにも余りある。早く回復して欲しいと願うばかりである。
そんなわけで、今朝は天気晴朗なれど、波高しという気分である。