シベリウスという音楽家は、ある「クラシック占い」によると、私にとって一番相性の良い人らしい。多分この相性というのは音楽の事だろうと思うのである。因みに、家内はブリテンで、長女はなんとモーツァルト、次女はストラヴィンスキーだったと思うが、この占いはどうもわが家の面子には余り正解ではないようで、特に娘に関しては次女の方がモーツァルトとの相性が良く、乳児時代の彼女はいつも私の奏でるモーツァルトのメロディで眠りについていたからだ。ところでシベリウスに関してはそもそも私も然程詳しくなく、フィンランドの音楽家であるということぐらい。随分以前にボルボの試乗会に行った際にノベルティとしてこのシベリウスの楽曲集CDを進呈されたのだが、えっボルボってフィンランドのメーカーだったっけと思ったのだが、実際はサーブと同じスウェーデンの自動車で、北欧を代表している自動車メーカーと音楽家という共通項なのだろうかと思った。また、一方でシベリウスという音楽家のイメージは交響曲に名曲の多い人だということで、この楽曲には余り馴染みがなかった。シベリウスのこの曲を知ったのは、諏訪内さまのCDに収録されていたからだということは、ご推察の通りである。
もう一点、この楽曲はブラームスのコンチェルトに刺激され、本来は完成していた作品を書きなおして発表した(現代演奏されているのはすべてこちら)という逸話もあり、ブラームスと晶子さまというふたつの私を取り巻くスペシャル・キーワードが相俟ったということで、そういう意味では改めてシベリウスという音楽家を見直す今後の良いきっかけになれば良い。確かにこのコンチェルトは、ブラームスの影響を受けた点が随所に見られるように非常に似ている。しかし一方でこの人は従来の音楽の技法に捉われない試みを数々の楽曲形式の中でしており、この曲も有名な交響曲第2番ニ長調と第3番ハ長調の間という、彼自身非常に意欲的な時代の作品である。それが、前述したブラームスのコンチェルトを聴いて、更に作曲を僅か1年でやり直し、初稿の演奏を禁止した。ブラームスの楽曲よりも、主役である独奏楽器の個性を引き出し(シベリウスはヴァイオリン奏者を目指して断念したから余計に思いは深いのであろう)、更に、交響曲的スパイスを投じられたこの楽曲は、所謂、四大ヴァイオリン協奏曲に匹敵、もしくはそれ以上のコンチェルトであることは間違いない。そして諏訪内さまも弾いているように、恐らく、ヴァイオリン独奏の境地に至る楽曲なのであろう。メンコン程メロディアスでなく、チャイコ程派手ではないが、こんな楽曲が20世紀に作曲されたなんてことはとても嬉しいのである。これを機会にシベリウス(そもそも相性は良いらしいのだから・・・)の色々な楽曲を聴いてみようと思う。
「クラシック占い」って実は他にも幾つかあって、大概は生年月日と血液型を入れて判明するのだが、私は他の占いで相性が良いとされているのは、ラヴェルとかシェーンベルクとかに当たって、中々ブラームスとかマーラーって言ってくれないので残念だが、もしかしたら食わず嫌いなのかも知れない。音楽、取り分けクラシックは深いことを教えてくれるのだ。それに諏訪内さまもこのアルバムが最高だと思う。
こちらから試聴できます。
返答が遅れて失礼しました。
また、コメントを頂き有難うございます。
諏訪内さまのCDで一般的に評価が高いのは、このアルバムですね。私も、このシベリウスとウォルトンは大好きです。
また、「ツィゴイネルワイゼン~パッション」も個人的には好きです。
諏訪内さまというとやはりチャイコとブルッフなのでしょうが、名器ドルフィンが泣いているのはやはりこの2枚ですね。
一般的に諏訪内さまは、チョン・キョンファ同様出産されてから腕が落ちたと言われていますが、チャイコやブルッフは新しい録音を聴きたいものです。
先日の公演は残念ながら見逃してしまいましたが・・・。
これからも宜しくお願いします。
一枚も持っていないですし、クラッシックもそんなに聴かないんですが、諏訪内さんのアルバムってどれが良いのかな?と思っていたところでしたので。ちょっとコメントさせて頂きました。