音楽は語るなかれ

音楽に関する戯れ言です。

リターン・トゥー・フォーエバー (チック・コリア/1972年)

2010-11-27 | ジャズ
ジャズ音楽の中でもっとも人気の高いのがピアノである。そしてその中で現代の三巨匠と言われているのが、ハービー・ハンコック、キース・ジャレットとこのチック・コリアであることは言うまでもない。そのチック・コリアの人気と知名度をジャズ音楽分野以外にも広く流布するきっかけになった作品がこの「リターン・トゥー・フォーエバー」である。だが、この作品はただ単にチック・コリアの名前を広めたり、ジャズ音楽の裾野を広 . . . 本文を読む

ゴールデン・サークルのオーネット・コールマンVol.1 (オーネット・コールマン/1965年)

2010-11-24 | ジャズ
アルト・サックスという楽器はジャズの世界でもビッグ・バンド時代の後半、及びスイング・ジャズになってからバンドに加わるようになったが、そもそもがテナー・サックスも同様、ジャズの世界では楽器とは考えられていなかった。しかも、参加するようになった始めの頃は、派手で豪快なテナーに比べると地味な楽器であり、ソロ楽器として認知されるようになるには随分時間がかかってしまった。 チャーリー・パーカーは別格とし . . . 本文を読む

カム・アウェイ・ウィズ・ミー (ノラ・ジョーンズ/2002年)

2010-11-12 | ジャズ
2003年グラミー賞の盛り上がりぶりは今でも覚えている。米国の、いや世界の注目はただ一点、このノラ・ジョーンズが一体何部門にノミネートされるのか、そして、何部門を受賞するのかという事がこのアワードの最も注目された事であった。結果、ノミネート時点で全8部門(最優秀シングル、アルバム、楽曲の三冠、及び最優秀新人賞も含まれていた)、そして、その8部門をすべて受賞した。新人賞も含めての四冠達成は、19 . . . 本文を読む

クールの誕生 (マイルス・デイヴィス/1948年)

2010-10-07 | ジャズ
マイルスを語ることはとても難しい。そもそも私はジャズに関してはきちんと体系的に聴いたことがない。モンクやドルフィー、バド、コールマン、そしてコルトレーンやブレイキーというところをまるでブッフェで好きなものだけを取るようにして聴いてきただけだ。そして、食べ物に関してはクサヤが苦手なだけで殆どの食物に「食わず嫌い」は無いが、こと、音楽に関しては実はかなりの食わず嫌いならぬ「聴かず嫌い」が存在してい . . . 本文を読む

ソニーロリンズVol.2 (ソニー・ロリンズ/1957年)

2010-10-03 | ジャズ
ソニー・ロリンズというと、真っ先に思い出すアルバムは「サキソフォン・コロッサス」だと言う人が多いと思う。実は私もそうだ。だが、一瞬、このアルバムのジャケット、シルエットのパックの色は何色だったっけ、と考えてしまうこの作品よりも、ジャケットのインパクトで群を抜いているのが、このブルーノートレーベル盤である。だからこのアルバムはジャケットも含めると一番好きなアルバムなのだ。 ソニーはサックス奏者 . . . 本文を読む

処女航海 (ハービー・ハンコック/1965年)

2010-09-20 | ジャズ
ハービー・ハンコックとの出会いは意外に早かった。というか、私はそもそもピアノ出身だから、ジャズのアーティストでも、然程抵抗なくピアノ音には馴染めたのだと思う。所謂、クラシック漬けになっていて、ジャズの即興やプレイスタイルは全く受け付けないというレベルに至っていなかったのが不幸中の幸いだったのかもしれない。だから、所謂、ピアニスト三巨匠と言われるこの人と、チック・コリア、キース・ジャレットには早 . . . 本文を読む

バードランドの夜 Vol.1 (アート・ブレイキー/1954年)

2010-09-19 | ジャズ
学生時代のバンド仲間だったジャズに浸透していた先輩に、当時、フュージョン程度しか分からず理解の出来なかったジャズ音楽をどのような゜したら分かるかという質問をしたら、そんなのは自分で聴きこむしかないよと言われた。彼はバイトでセッション・ミュージシャンもやっていたし、大卒後アメリカの大学院に進んだが実はジャズ音楽を極めたかったからだという程、クラシック出身、ロック音楽経由の人に珍しく、まさに私の師 . . . 本文を読む

ポートレイト・イン・ジャズ (ビル・エヴァンス/1959年)

2010-09-18 | ジャズ
ビル・エヴァンスがジャズ音楽でその活動を通して残してきた事は大変大きいと思う。そもそもピアノ楽器というのは、取り分け他のジャンルの音楽に比べ、その用途も人気も圧倒的にジャズ音楽においては高いパーセンテージにある。 有名なデューク・エリントンの言葉を出すまでもなく、このブログでもピアノ楽器の優位性に関してはなんども書いて来た。しかし、それ故に使われ辛いシーンも当然あるわけで、特に、クラシックで . . . 本文を読む

ブルー・トレイン (ジョン・コルトレーン/1957年)

2010-09-16 | ジャズ
このブログでは、ここまでジャズレコードのレビューが他のジャンルに比べると少ないが、それは私自身がジャズという音楽にきちんと対峙できるほどきちんと経験がないからなもしれない。そのことに関しては何れ書くとして、だからジョンコルトレーンに関してもこれが最初の記事である。しかしながらこのミュージシャンも一体どの作品から手をつけて良いかわからないほど、名盤揃いである。でもやはり、ブルーノート時代のこの作 . . . 本文を読む

モーニン (アート・プレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ/1958年)

2010-09-10 | ジャズ
音楽が生まれてこのかた、数多くの名曲が生まれているが、名曲の定義というのはやはり音楽であるのだから、誰もが一度は聴いたことのあるフレーズを持っていることがその第一条件であると思う。そう考えると、やはりジャンルとして多くの名曲を持っているのは圧倒的にクラシックである。クラシックミュージックに至っては、音楽芸術後進国(西洋芸術が正しいかな?)の日本でさえ、一度は聴いたことのあるフレーズという点でも . . . 本文を読む

アス・スリー (ホレス・パーラン 1960年)

2009-11-12 | ジャズ
私のアルバム衝動買いは2パターンあって、ひとつは店頭で流れている場合。特に、以前に新宿や神田界隈に多く存在した輸入盤専門店は店内のオーディオシステムのクオリティも高く、予定していた購入プラスワンでついつい買ってしまったものだが、もうひとつはジャケット買いである。しかし、これが不思議と当たることが多く、特にジャズを聴きだした頃は、高い的中率だったが、今になって冷静に考えてみると、その殆どがブルー . . . 本文を読む

セロニアス・ヒムセルフ (セロニアス・モンク 1957年)

2009-11-11 | ジャズ
音楽に関する会話で結構頻繁に出てくるのが、あるミュージシャンが好きだと言うと、一番好きなアルバム(曲)は何かという質問。良く、初対面から少し親しくなりつつあり、お互いの共通性のある話題を探している時などにあるごく普通の会話なのであるが、この質問は実に無意味であると私の経験から申し上げる。例えば、ビートルズの様にごく一般的なアーティストであれば、或いはひとつの共通性のある集まり、三国志を愛する人 . . . 本文を読む

キャンディ (リー・モーガン 1957年)

2009-10-28 | ジャズ
ジャズで花形楽器といえば、なんといってもトランペットであろう。トランペットという楽器が花形なのか、それともこの楽器を駆使してきたプレイヤーが花形だったのかという点に関しては、両方とも「正しい」。特に、ジャズの歴史と共にもトランペットとトランペット奏者はジャズ界を牽引してきたといっても過言ではない。そして、なんといってもこの楽器の代表者といえば、マイルス・ディヴィスであるのも、衆目の一致するところ . . . 本文を読む

クール・ストラッティン (ソニー・クラーク 1958年)

2009-10-27 | ジャズ
一般的な音楽鑑賞の変遷として、邦楽から洋画のポップスからロック(ポップスという大きなジャンルにロックを入れる場合もある)にから入り、ジャズという流れがあるのだが、ロックからジャズに進むパーセンテージはそんなに高くない(データを取っている訳ではないから明言は避けたいが、あくまでも経験値として)。ロックで止まってしまうリスナーは多い。ジャズ音楽というのは結構、特有のもので、寧ろ、この音楽鑑賞に入っ . . . 本文を読む

サムシン・エルス (キャノンボール・アダレイ&マイルス・ディヴィス 1958年)

2009-10-26 | ジャズ
キャノンボール・アダレイは良く、チャーリー・パーカーの生まれ変わりと言われるが、これは丁度、パーカーがアルトサックス奏者のみならず、ジャズ・ミュージシャンの多くに多大な影響を与えながら、忽然とこの世を去った直後にジャズ・ミュージック・シーンに登場したからである。しかし、注目はされたものの、中々レコードセールスには繋がらなかったために、彼の取った行動はマイルス・ディヴィスのセクステットに入団し、 . . . 本文を読む