ハイドン・セットのみならず、モーツァルトの弦楽カルテットの中でも、最も一般的に広く親しまれているのがこの第17番であろう。旋律も、まずこの曲を聴いて、クラシックを余りご存知ない方でも「モーツァルトの作品」だと分かるのではないかと、彼のもつ旋律の特色を大変分かり易く表現している楽曲であると同時に、良いか悪いかは別として「狩」という表題がついているのは、一般的には広く認知されやすい要因でもある。し . . . 本文を読む
久しぶりにモーツァルトの鑑賞文を書く。そうそう、ハイドン・セットが途中で止まってしまったまま入院をしてしまったので。でも、病室で最低2回はこの曲を聴いたと思う。なんといっても本当に退屈な日々であったから。だが、自宅にいるのと違い、モーツァルトに関する文献や譜面が直ぐに手に入る訳ではないから、結構聴きっ放しで消化不良な部分もあった。それでも、ハイドン・セットとか、モーツァルトのピアノコンチェルト . . . 本文を読む
ジャズで花形楽器といえば、なんといってもトランペットであろう。トランペットという楽器が花形なのか、それともこの楽器を駆使してきたプレイヤーが花形だったのかという点に関しては、両方とも「正しい」。特に、ジャズの歴史と共にもトランペットとトランペット奏者はジャズ界を牽引してきたといっても過言ではない。そして、なんといってもこの楽器の代表者といえば、マイルス・ディヴィスであるのも、衆目の一致するところ . . . 本文を読む
一般的な音楽鑑賞の変遷として、邦楽から洋画のポップスからロック(ポップスという大きなジャンルにロックを入れる場合もある)にから入り、ジャズという流れがあるのだが、ロックからジャズに進むパーセンテージはそんなに高くない(データを取っている訳ではないから明言は避けたいが、あくまでも経験値として)。ロックで止まってしまうリスナーは多い。ジャズ音楽というのは結構、特有のもので、寧ろ、この音楽鑑賞に入っ . . . 本文を読む
キャノンボール・アダレイは良く、チャーリー・パーカーの生まれ変わりと言われるが、これは丁度、パーカーがアルトサックス奏者のみならず、ジャズ・ミュージシャンの多くに多大な影響を与えながら、忽然とこの世を去った直後にジャズ・ミュージック・シーンに登場したからである。しかし、注目はされたものの、中々レコードセールスには繋がらなかったために、彼の取った行動はマイルス・ディヴィスのセクステットに入団し、 . . . 本文を読む
よく、「天才と○○は紙一重」というが、音楽界でいう「天才」と言われる人間にこの定義が当てはまるかは不思議である。例えば、クラシックの音楽家たちは、最近、音楽芸術の偉大なる継承者であると個人的には評価していて、○○に、音階や調音の理解や整理が出来るのかと思うと、或いは過去の作品変奏が出来るのかと思うと、やはり天才であるが故に出来るところと、そうではなく、研究成果として導かれる結論とは大いなる差が . . . 本文を読む
実は、腰椎椎間板ヘルニアの手術その他で、9月初旬から1ヶ月以上入院してしまい、このプログの投稿も滞ってしまった。8月のお盆休みの際に、私には余り関係なく、尤も、家内や娘たちはバカンスを謳歌しているようで、今年のお盆も別行動だったのだが、その時に遡る。
自宅から100メートル(直線距離なら20メートル)も離れた実家に行く機会があったので、レコード・CDライブラリーの整理をしようと気軽に始めたが、い . . . 本文を読む
クラシック・ファンならずとも、19世紀の半ばにドイツで起こった「標題音楽」と「絶対音楽」の対立論争は有名で、やがてこれは単なる音楽の表現方法の問題ではなく、人間関係のこじれ、ひいては政治的思惑と絡み合って激化していったが、これは、そもそもがワーグナーとハンスリックの好みの問題から端を発し、例えば、絶対音楽派のブラームスや、標題音楽派のこのブルックナーなどは、その争いの潮流に巻き込まれたのである . . . 本文を読む
先日、まだ入院前に友人からヤナーチェクの「シンフォニエッタ」という曲を知っているか否かの問い合わせを受けた。勿論、レオシュ・ヤナーチェクという音楽家は、スメタナ、ドヴォルザークと並ぶチェコの三大音楽家であるから存知てはいたが、彼の作品で真っ先に浮かぶのが、弦楽四重奏曲の「クロイツェル・ソナタ」と「ないしょの手紙」、そして、ドフトエフスキーの「悪霊」を題材にしてち言われている未完の「ヴァイオリン . . . 本文を読む
コンチェルトの中でも、ヴァイオリン協奏曲は代表するものとして「四大協奏曲(若しくは三大)」が名実共に君臨しているが、一方で多くの音楽家に作られているのも事実である。ピアノコンチェルトも良いが、ピアノという楽器自体が既に1台でオーケストラを奏でることの出来るものと、そうではなく、古楽の時代から色々時代と共にその形式に対する考え方が変遷し、時の作曲家たちが試行錯誤しているさまを楽譜から読み取ること . . . 本文を読む
ジャズのアルバムに関しては、実は余り系統立てて聴いたことがない。というか自身の中でもこのジャンルは整理したことがないのだ。実家にあるレコード・CD棚の陳列に関しても、他のジャンルは全てアーティスト(クラシックは、略作曲家別で次に作品順であるが・・・)別に大体整理されているが、こと、ジャズに関しては可也ランダムに散らばっている。しかし、それでも実家に住んでいる時は、殆ど、どのレコードが何処にある . . . 本文を読む
アメリカのアーティストで好きな人を一人だけといわれたら、私は迷わずこのジャクソン・ブラウンを上げる。彼に出会ったのは意外に遅く、この「プリテンダー」というアルバムが実は最初であるが、勿論、その存在は以前から知っていた。「レイト・フォー・ザ・スカイ」という名盤がこの2年前に発売されているが、その存在を知っていても、「アメリカン・ロック」という私に対しての大きな弊害が、それを聴くという決意に至らせ . . . 本文を読む
ゴルトベルクといえば、グールドの演奏であろうが、ここではやはりチェンバロの音を楽しみたい。そもそもこの「ゴルトベルク」は後世に付けられた曲名で、バッハのオリジナルは、「二弾の鍵盤をもつチェンバロのためのアリアとさまざまな変奏」とあっさりしている。ゴルトベルクとはドレスデン駐在のロシア大使カイザー・リンクに仕えていたチェンバロ奏者の名前で、バッハ自自身がこのカイザーリンク伯爵には色々な恩恵を受け . . . 本文を読む