音楽は語るなかれ

音楽に関する戯れ言です。

ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調 (ニコロ・パガニーニ)

2009-11-25 | クラシック (協奏曲)


私は弦楽器でも弓を使用する楽器をきちんと演奏したことが無いから分からないが、パガニーニの曲というのは相当な技巧が必要なのだと思う。実は、ロック音楽でセッションしたりしていると、時々クラシックのリードのアドリヴをギターで弾いてみたりすることがあった。特にヴァイオリンの名曲というのは、アレンジ(というレベルには達していないが)して併せると実にカッコイイのである。で、当然、この有名なパガニーニ第2番の第3楽章「鐘のロンド」、通称「ラ・カンパネッラ」もリードで併せるのであるが、実に良いのだが、やはり何が難しいって左手指のポジショニングより、右手のピッキングが追いつかないのである。ピックでも出来ないものが、弓でやろうというのだから、やはりヴァイオリンというのは難関な楽器だと思う。

パガニーニの協奏曲は、第1番を諏訪内晶子さんの演奏で聴いたときに鳥肌がたったのが最初だと思っていたのだが、実は、なぜか第2番の方がずっと昔から知っていたし、ギターでコピーをしたくらいだから随分前の話である。つまり、第3楽章だけが独立して有名だったし、ご存知、リストが後年更にこの曲を有名にしてくれた。ケイオンのメンバーでもクラシック出身者と非クラシック出身者がいて、どちらかというと後者の方が多い。だからクラシック出身者(殆どがピアノ出身)の常識というのが、同じ音楽をやっているのに通用しないのは最初のうちは驚きだった。例えば、チューニングなのだが、非クラシックはチューニングが出来ない。顕かに音があっていないのに演奏を始めようと言い出す始末には驚いたし、大体、音が他の楽器と合っているかいないかすらも分からずに他力本願で「あってる?」って聞かれると、それくらい自分で合わせろよって思う。というか、パガニーニの2番くらい色々なことをする曲というのは、演奏時間は然程長くないが、途中で調弦も狂ってくるし、弦の1本くらい途中で切れても不思議はないと思う。特に、第3楽章の演奏はそんなハラハラの連続である。幸か不幸か、私はコンサートでこの曲を聴いたことが無いが(というか余り日本ではパガニーニの協奏曲は公演されていないのではないかと? 私が見落としているだけなのかなぁ・・・)、多分、客席で気が気ではいられないと思う。そういう意味では、彼の演奏に十字を切った当時の観客と余り変わらない精神状態かもしれない。コンサートというのは、どんなジャンルでもソロの場面があり、特にロック音楽のギターソロはやはり公演のひとつの見所でもあるが、良く考えると、パガニーニ以前に、カデンツァは存在したかもしれないが、余りそういう公演の花形は存在しなかった訳で、そういう意味では、彼こそ正真正銘のヴィルトゥオーソなのである。その華麗なるテクニックばかり注目してしまうのだが、例えば、この曲の第1楽章に於いてはソナタ形式を取っているものの、第1主題と第2主題の性格が明確でないし、オケは全般にわたり伴奏を担当している。そういう意味では形式的にも「単なる」カデンツァではなく、よりヴァイオリンを華やかにみせる引き立て役としての役割しかオケに与えていないという点も重要である。

パガニーニといえば、更に「24の奇想曲(カプリッツォ)」があり、これも超絶技巧であり、クラシックファンならずとも、楽器を弾こうという意志のある人間には筆聴版であるが、この曲についてはいずれまた・・・。


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