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ドゥービーの場合、どうもプレビューの順番がどこか滅茶苦茶に書いている。実は、所謂、アメリカン・ロックのアーティストに決まって、こんな感じで書いているようだ。イギリスのミュージシャンは区々だが意外に順を追っているようだ。これは多分、筆者があまりアメリカン・ロックには精通していないからかもしれない。ドゥービーというと"Long Train Runnin'"だという人が日本人はもとよりアメリカにも結構多いようだ。それに加えて、"China Grove"と、このアルバムの1曲目である"Listen To The Music"は、アマチュア・ロックバンドにおいても必須の3曲で、コードも簡単だし、アンコールだとか、ダンシングタイムかなんかの時には決して覚えておいて損はない曲だから、セッションでもメンバーが変わり、思い出すと合わせたりしていた。不思議と今まで一緒に演奏した仲間たちの間ではこの3曲を知らなかった方が数少ない。前述の2曲は何れも、「キャップテン・アンド・ミー」に収録されているので、同アルバムも音楽ファンには必須の1枚なのかもしれない。そんな訳で、このバンドのアルバム・レビューは時系列でなく書いているのかもしれない。尤も、筆者自身もこのバンドとのリアルタイムは"Black Water"くらいからだから、致し方ないのかもしれない。
「ドゥービー天国」のレビューでも書いたが、このバンドは一般的にトム・ジョンストン時代とマイケル・マクドナルド時代に分けられている。筆者は賛同しないが・・・。何故なら、実は筆者はパット・シモンズが好きなのである。まず彼ひとりだけが唯一、すべてのドゥービーのキャリアの参加している。それと、なんといってもあの名曲"South City Midnight Lady"が彼の作品だからである。そう、パットは決して「ドゥービー的」ではなかったものの、アメリカン・ロック的であったことは間違いないからである。もう一曲、このアルバムにはあの"Jesus Is Just Alright"が収録されている。この曲の邦題、最近は「希望の炎」というらしいが、筆者が若い頃は、原題のまま「キリストは最高」と訳されたタイトルが着いていた。なんというか、黒人信徒の集会タイトルみたいで面白いと思ったし、このアルバムの中では唯一、後々のソウルフルなこのバンドの行く末を模索していてとても気になる曲であるが、実はこの曲は黒人ゴスペルグループ=THE ART REYNOLDS SINGERSのオリジナルである。そして、残念ながらこの時代のドゥービーというのは、アルバムコンセプトがお粗末であることも指摘できる。本当にアルバム作品らしくなってくるのは「スタンピード」、そして「ドゥービー・ストリート」になってからで、この時代のアメリカはニール・ヤングにしても、リトル・フィートもアルバム作りにはかなりこだわっていた。特に彼らとついつい比較してしまうスティーリー・ダンに至ってはそれが可也際立っている。違う言い方をすれば。そういう拘りのない自由な音作りをしていたこの頃のバンドだったのかもしれない。
筆者の中で、ドゥービーは1980年で終わっているが、その後も再結成してアルバムを出したり、ライヴやチャリティも行っている。そんなとき、冒頭、前述の3曲はお決まりにように演奏される。きっと彼らも彼らのファンも、この単純で、ある意味素朴で、自然に身体が踊ってしまうこの独特の衝動が大好きなのだと思う。
こちらから試聴できます
パットシモンズがお好みとのこと、おぉぉ玄人。
パットは他の二人より癖がない曲造りをするのでどうしても陰に隠れがちですが、名曲多いですよ。
んで、最新アルバムのI know we wonは傑作ですので
パットのファンなら一度お聞きください。彼の衰えない
曲造りに感涙すること間違いなし。
http://www.youtube.com/watch?v=oi46aeorR3A