音楽は語るなかれ

音楽に関する戯れ言です。

ホーム・フリー (ダン・フォーゲルバーグ/1972年)

2010-11-30 | ロック (アメリカ)
今は亡きダン・フォーゲルバーグの記念すべきファースト・アルバムである。彼との出会いの衝撃は以前に「フェニックス」のレビューで書いたが、この作品はそれよりも9年も前。そして、この当時は人気も知名度も低く、このアルバムもセールスは全く振るわなかったが、その分、彼の原点であり、彼の考える音楽というのがとても明確に理解することのできる作品である。 ダンは高校時代はビートルズのコピー・バンドを組んでそ . . . 本文を読む

ブラック・アンド・ブルー (ローリング・ストーンズ/1976年)

2010-11-29 | ロック (イギリス)
ストーンズが大きな変革を遂げた作品である。この作品の発表当時、私はビルボードのトップ40を聴いていたから、特別にストーンズのアルバムだという思いよりも、流石にストーンズくらいになると、突如、チャートにランク・インをして来ても、アメリカではウルフマン・ジャックが、日本では湯川れい子がやっぱり大御所で扱いが特別だし、曲を聴いても貫禄が違うなぁという純粋な感想だった。現に、シングル・カットになった「 . . . 本文を読む

ロックン・ロール (ジョン・レノン/1975年)

2010-11-28 | ロック (イギリス)
ジョン・レノンのソロ・アルバムの中で一番分かりやすいのがこの作品だ。私はジョンがビートルズを去った理由はただ単にロックン・ロールが出来なくなってしまったことが一番の理由だと考えている。なので、俗に言う、ポールや他のメンバーとの仲違いや契約の問題、或いはそれ以外の枝葉末節は色々と詮索されているが尾鰭だと思っている。ジョンもポールも、勿論、ジョージもリンゴも才能豊かなミュージシャンであるが、気の毒に . . . 本文を読む

リターン・トゥー・フォーエバー (チック・コリア/1972年)

2010-11-27 | ジャズ
ジャズ音楽の中でもっとも人気の高いのがピアノである。そしてその中で現代の三巨匠と言われているのが、ハービー・ハンコック、キース・ジャレットとこのチック・コリアであることは言うまでもない。そのチック・コリアの人気と知名度をジャズ音楽分野以外にも広く流布するきっかけになった作品がこの「リターン・トゥー・フォーエバー」である。だが、この作品はただ単にチック・コリアの名前を広めたり、ジャズ音楽の裾野を広 . . . 本文を読む

ワーキング・クラス・ドッグ (リック・スプリングフィールド/1981年)

2010-11-26 | ロック (ヨーロッパ・その他)
ミュージシャンの中には、中々それだけではやっていけなくてついついバイトで始めた俳優業が本業になってしまう人が多い。結構、ハリウッド・スターにも多く、リチャード・ギア、ブルース・ウィルス、ジョニー・デップ、ブラット・ピットなどミュージシャンだったことを隠している人もいれば、逆に音楽活動を再開したり様々である。日本に目ほ向ければもっと大勢いて、泉谷しげる、武田鉄矢、館ひろし、福山雅治などはどちらに . . . 本文を読む

スーパー・アンノウン (サウンドガーデン/1994年)

2010-11-25 | ロック (アメリカ)
あのニルヴァーナのカート・コバーンに「こんな奴らにかなう訳がない」と言わせたのがこのサウンドガーデンであることは、殆どのロックファンであればご存知であろう。このサウンドガーデンは所謂グランジロックの先駆けとして現在も位置付けられていて、私的にも、ニルヴァーナ、パール・ジャムと共にこのバンドは別格である。 ロック音楽の系統的に言うと、グランジサウンドはのポストパンクなどからのルーツが定説になっ . . . 本文を読む

ゴールデン・サークルのオーネット・コールマンVol.1 (オーネット・コールマン/1965年)

2010-11-24 | ジャズ
アルト・サックスという楽器はジャズの世界でもビッグ・バンド時代の後半、及びスイング・ジャズになってからバンドに加わるようになったが、そもそもがテナー・サックスも同様、ジャズの世界では楽器とは考えられていなかった。しかも、参加するようになった始めの頃は、派手で豪快なテナーに比べると地味な楽器であり、ソロ楽器として認知されるようになるには随分時間がかかってしまった。 チャーリー・パーカーは別格とし . . . 本文を読む

ハートに火をつけて (ドアーズ/1967年)

2010-11-23 | ロック (アメリカ)
この作品も、「ロックの名盤」という特集や本があれば、必ずと言ってよいほど選出される1枚である(逆にこの1枚を選出しない人間はドアーズ嫌いかよっぽどのへそ曲がりである)。しかしこのアルバムに関して言えば、「サージェント・ペパーズ」同様、決してお約束の1枚ではなく、100人が聴いたら100人が良いと言うもとに程近い、まさにロック史上に残る名盤であるからだ。 当然、私の様に実は結構なへそ曲がりでも、「 . . . 本文を読む

レッツ・ダンス (デヴィッド・ボウイ/1983年)

2010-11-22 | ロック (イギリス)
なぜ、デヴィッド・ボウイ程の経歴があるミュージシャンの最初の作品レビューがこれになんだ! と自分でも思ってしまうほどであるが、これも所謂、私の10代の頃に根強く蔓延っていた、「聴かず嫌い」の一面である。当時私が「聴かず嫌い」だった他の大物アーティストというと、エルヴィス・プレスリー、ボブ・ディラン、それから殆どのソウルミュージシャン、殆どのカントリー&ウエスタン、さらにR&Bといったところがそ . . . 本文を読む

ドゥービー・ストリート (ドゥービー・ブラザーズ/1976年)

2010-11-21 | ロック (アメリカ)
ドゥービー・ブラザーズの大きな転機になったアルバムである。よく、ドゥービーはマイケル・マクドナルドの影響で大きく音楽の影響が変わったと言われるが、それはドゥビーが云々というよりも、マイケルがそもそも持っている音楽性が前面に出て来ただけで、だとすればこの作品で大きく変わった筈である。それよりも大きかったのは、やはりトム・ジョンストンの病気によるメンバー離脱である。ドゥービーは当時、アメリカでは生 . . . 本文を読む

シークレッツ (トニー・ブラクストン/1996年)

2010-11-20 | ソウル・アフロアメリカン・ヒップホップ等
1960年代以降、アメリカ音楽界というのは実に保守的である。というか、勿論アメリカの音楽が面白かった時代は、ジャズの隆盛とロックン・ロールの出現、もうひとつは黒人音楽である。しかし、その黒人音楽もモータウンレーベルが設立されてからというものは、完全にこの類の音楽が商業化してしまい、作られたスタアの登場となった。勿論、ジャズもロックン・ロールも、最終的には商業音楽化してしまっている。1970年代 . . . 本文を読む

パークライフ (ブラー/1994年)

2010-11-19 | ロック (イギリス)
ブラーとオアシスはブリットポップというジャンルで注目を浴びた。ブリットポップ(またはブリットポップ・ムーブメント)とは、1990年代にロンドンやマンチェスターを中心に発生したムーブメントであるが、所謂、ブリティッシュ・インヴェイジョン、グラム・ロック、パンク・ロックなど、イギリスのロック黄金期の影響を受けた音楽性をもったバンドが登場し、イギリス音楽界を盛り上げたのである。その中心的存在がこのブ . . . 本文を読む

オリジナル・サウンドトラック (10cc/1975年)

2010-11-18 | ロック (イギリス)
イギリスは1970年代の中頃から後半にかけて、パンク・ロックとニューウェープが開花するという音楽的一大時代を迎えるわけであるが、やはりその土壌というのはこの時点では可なりこなれていて、そういう中からビートルズやストーンズを筆頭に新しいコンセプトを明確にしたミュージシャンが沢山現れた。この時代、ロンドンを中心にイギリスは世界の中心をアメリカと、それを追従しようとしているジャパン、そして東側諸国と . . . 本文を読む

キッドA (レディオヘッド/2000年)

2010-11-17 | ロック (イギリス)
オルタナティプロックを代表するバンドの総称として、私は勝手に3Rと言っていて、それは、R.E.Mとレッチリとこのレディオヘッドの頭文字を取ったものであるが、このレディオヘッドに関して言えばどうもオルタナには分類しない評論家やファンが多いらしい。私に取ってはそんな分類なんてどうでも良いことなのだが、ゴロが良いのと、やはりセールス的に成功しているバンドというのは特別枠で考えてしまう個人的な習慣であ . . . 本文を読む

フライ・ライク・アン・イーグル (スティーヴ・ミラー・バンド)

2010-11-16 | ロック (アメリカ)
実はアメリカの音楽シーンというの面白さのひとつにヒット・チャートというのがある。勿論、ヒット・チャートは殆どの国に存在するが、事、アメリカのチャート程面白いものはない。幾つかのチャートがあるが、やはり信頼度の高さから「ビルボード」である。以前は「キャッシュ・ボックス」でのチャート順位でも「全米●位」という言い方をプロモーターはしていたが、現在ではビルボードの1位が全米1位と、その代名詞の役割に . . . 本文を読む