音楽は語るなかれ

音楽に関する戯れ言です。

魂の叫び (U2/1988年)

2012-11-22 | ロック (ヨーロッパ・その他)
U2のドキュメンタリー映画「魂の叫び」(原題"Rattle and Hum")の、ある意味サントラ盤的存在のアルバムであるが、劇中とは異なるヴァージョン、また未使用の新曲も収録され、筆者はスタジオアルバムとして"Rattle and Hum"プロジェクトのアルバム版という解釈をしている。だからこのレビューもあくまでも単独なものというスタンスで書く。新曲が9曲あり、ライブ音源が6曲、更に他のアー . . . 本文を読む

フューネラル (アーケイド・ファイア/2004年)

2012-08-20 | ロック (ヨーロッパ・その他)
音楽のブログなので余り(直接的に)政治的な事を書きたくないが、このバンドについて触れるにはどうしてもそういうことも書かないと辻褄があわなくなってしまいそうだ。9.11で世界一の超大国であるアメリカが攻撃を受けたことで、時の指導者(最高責任者)は全く不可解な戦争をはじめる事となった。ロック界も世界同時多発テロには大きく反応した。ミュージシャン達はそれぞれを立場でそれぞれの主張を始めた。最初は殆ど . . . 本文を読む

イズント・エニシング (マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン/1988年)

2012-08-13 | ロック (ヨーロッパ・その他)
意外というか、いや嬉しい悲鳴というのか、最近なぜかマイブラが流行っているのをタワレコで知ったのがかれこれ2ヶ月前。無論、そんなソフト実家の倉庫にしかないけど、整理していないから探すのが大変、なので買った方が早い。えっと、確か、こっちが先だったよなと、なんか、久々に子供みたいにはしゃいでしまった。マイブラって言うと殆どの人に「マイラバ」でしょって言われてしまう程の日本での認知度。マイラバも好きだ . . . 本文を読む

ヨシュア・トゥリー (U2/1987年)

2012-04-19 | ロック (ヨーロッパ・その他)
最初にこの作品を聴いた時の感想を言うと、正直「これがU2か」と思ったものだが、そう考えるとこのバンドには実はこれまでに、少なくとも3回はそういう思いをさせられている。そしてこれがその第一回目だ。だからと言って、それはオオカミ少年のそれとは違うからその度に驚き、そして何度も聴く、そう、何度も何度も聴くのだ。U2ってバンドに関しては初期の頃しか自分で演奏したことがないから、そういう意味では耳コピで . . . 本文を読む

焔 (U2/1984年)

2012-03-22 | ロック (ヨーロッパ・その他)
U2の作品を辿ってみると、私的には、かのベートーヴェンがこだわり続けた弦楽四重奏曲の変遷に似ていると思っている。ベートーヴェンは交響曲がよく取りざたされるが、私は寧ろ彼が最終的に拘り、且つたどり着きたかった境地は弦楽四重奏曲だと思っている。その細かい論拠に関しては、彼の作品レビューの色々なところに小出しに書いているので、ここでは省略させて頂く。そして、このU2は、前作(ライヴは含んでも含まなく . . . 本文を読む

ブラッド・レッド・スカイ=四騎= (U2/1983年)

2012-02-24 | ロック (ヨーロッパ・その他)
U2は私と同世代のバンドであるからデビューのときから大変注目していた。結成はメンバーが皆16歳だった1976年。高校の掲示板にラリー・マレン・ジュニアが、バンドメンバー募集の貼り紙を掲出、これを見たポール・ヒューソン(ボノ)、アダム・クレイトン、それにエヴァンス兄弟(兄ディック、弟デイヴ(ジ・エッジ))が反応し、5人でアマチュア活動を始める。バンド名は何度か変遷があったが最終的には、1978年 . . . 本文を読む

WAR~闘~ (U2/1983年)

2011-09-20 | ロック (ヨーロッパ・その他)
1983年という年は67年や77年のような「ポピュラー音楽の大きな分岐点」ではなかったものの、重要な作品発表の多い年だったと言える。それはこの前年1982年に、あのマイケルの「スリラー」が発表され、それまでの音楽の記録を軒並み塗り替えてしまったことはポップ音楽の大事件でもあった。個人的にはマイケルのこの作品は前作の「オフ・ザ・ウォール」と比較してそれ以上のものをなにも感じなかったのでそれきり . . . 本文を読む

ワーキング・クラス・ドッグ (リック・スプリングフィールド/1981年)

2010-11-26 | ロック (ヨーロッパ・その他)
ミュージシャンの中には、中々それだけではやっていけなくてついついバイトで始めた俳優業が本業になってしまう人が多い。結構、ハリウッド・スターにも多く、リチャード・ギア、ブルース・ウィルス、ジョニー・デップ、ブラット・ピットなどミュージシャンだったことを隠している人もいれば、逆に音楽活動を再開したり様々である。日本に目ほ向ければもっと大勢いて、泉谷しげる、武田鉄矢、館ひろし、福山雅治などはどちらに . . . 本文を読む

レット・ゴー (アヴリル・ラヴィーン/2002年)

2010-11-05 | ロック (ヨーロッパ・その他)
これは世界共通であるが、音楽界では10代で成功者になる人の確率が他の分野に比べるととても高い。10代というのは一般の人が普通の職業で大金を掴むなんていうことは殆どあり得ない。もっとも実力の世界といわれるスポーツ界にしても、例えばせいぜいテニスで世界大会の勝者になるとかでないと巨額マネーを手にすることはない。その他のプロスポーツでも20代前半で成功者のなる人は多いが、音楽界では更に若くてもチャン . . . 本文を読む

ワーク・ソングス (メン・アット・ワーク/1981年)

2010-09-30 | ロック (ヨーロッパ・その他)
メン・アット・ワークがヒットした1980年代の前半は大きく音楽シーンが変わっていく過程にあった。ただ、それは音楽自体が大きく変化していたバロック時代とか、古典派時代からロマン派時代、十二音階とか、そういう音楽自体の変化ではなく、あくまでも音楽を取り巻く環境が変化したという言い方である。というか、商業音楽時代の1970年代から、音楽を伝えるツールと同時に音楽を保存するツールというものが大きく変わ . . . 本文を読む

ジャッグド・リトル・ピル (アラニス・モリセット/1995年)

2010-09-15 | ロック (ヨーロッパ・その他)
アメリカを中心として大きく音楽が変わったのは1980年代になってからであろう。しかし、それは決して良い意味ではなく、すべてが商業音楽化してしまい、つまりは世間一般に出てくる音楽というのは、すべて商業ゾーンの何処かを通過してこなくてはならなくてはいけなくなった。レコードレーベルやプロダクションなど直接ミュージシャンに接する所は勿論のこと、広告であったり映画であったり、兎に角、何か「金銭」の絡むと . . . 本文を読む

アイリッシュ・オクトバー (U2/1981年)

2010-04-25 | ロック (ヨーロッパ・その他)
今更いうまでもないが、U2は、ニューウェイヴロックのミュージシャンの中で最もヒットし、最も長く第一線で活躍しているバンドである。短期で成功している例はポリスなどがあるが、現在でも活動を続け、その評価はニューウェイヴという領域に留まらず、グラミー賞での獲得数や、全世界で2億枚に近づくアルバム売上数なとをみてもダントツである。そのU2のアルバムを最初に聴いたのが、この「アイリッシュ・オクトバー」で . . . 本文を読む